第三生 激突 上
あとで見たら誤字めっちゃ在りましたけど、何とか意味わかると思います。
第三生 激突 上
「彼のニックネームは空中鬼。身体を気体に換える能力を使って敵軍基地に侵入し、兵士らを殺戮する手口で日本国自衛隊に膨大な損傷を与えている、雇用者の命令を何のためらいも無しに行使する、凶悪で狂悪で、冷酷な傭兵テロリストよ」
若干の掛詞を交えながら、暗い淡青色のレーザーのみが照らす作戦室の中で、指し棒の代わりに錐で画面の人工白髪(脱色)の中国人の男を指しながら、メイリンは説明を続けている。いや、既に過去形だ。今私は彼と、とある自衛隊の研究施設の廊下において対峙しているのだから。
「生きている者には温度がある。それなりの準備があれば、見付けるのは容易なことだわ」
で、あのアホ(アホと言うと語弊があるため変人に訂正する)は簡単に引っかかった。電磁ネットで隔離し、その中を専用の小銃で急速冷却した。
「あ〜あかんわ、遂に見つかってもうた、生きて帰れたら博士に訴えたろ」
「何故関西弁なのだテロリスト…」
また変人だ、俺を含め。僕っ子、刃物愛好家の少女、執事みたいなボス、数学以外に取り柄が無い代わりに、数学だけは旧帝国大に飛び入学できるレベルに達している中学生。
そして、関西弁を話す中国人テロリスト…。あああかんわ、俺もう平凡な生活に戻れへんわぁ(T_T)(出鱈目関西弁)。
「で、アンさん、儂を捕まえたちゅうことはやっぱ喧嘩売っとるんやろ?」
彼は切れ長過ぎて閉じて見える狐のような目を辛うじて瞳が見える程度に開けて俺を膝を着いた姿勢から、バリア外の俺の面を見上げ、次の瞬間、バリアを体当たりでぶち破って(流石に体当たりでは現代のバリアは破れてしまう)、再び気体と化して襲ってきた。あ、そろそろ気付いたと思うけど、全裸だから、こいつ。
意志のある風が刃物となって俺を斬りつける。最低限の軽装防具は身に付けていたが、俺の身体は三十秒ほどで裂け傷だらけになる。当然血がスプリンクラーみたいにほとばしる。いってえ。
「なあ白髪の兄さん、そろそろ理解した方がいいぜ、俺が何の準備も無しにノコノコとあんたに会いに来たわけじゃないってこてをな」
そして、俺はつい昨日手術したばかりの右腕を、蚕蛾の繭みたいに包む包帯を剥がし取った。
面白かったと思う人に、どうもありがとうございました。
しょ〜もなぁー思った人に、どうもすんませんでした。