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グランバルト『クロエルハ』

ローブを脱いだ彼女はちょうどいいから自分もお風呂に入ると言って服を脱いだ


俺の目の前で。


「ーーーッちょっ!なんでここで脱ぐ!!」


「??」


何に驚いてるの?といった様子でこちらを見ている彼女は身体を隠す素振りも見せず逆にこちらに近ずいてくるので彼女に背中を向けうずくまる俺


逆じゃないか?

そんな俺の様子が理解できないらしく、わざわざ彼女はこちらに回り込んできて同じくしゃがみこみ顔を覗き込んでくる


「ねぇどーしたの?まだどこか痛い?」


「違う!どこも痛くない!」


「ならどーして、うずくまって顔を抑えてるの?」


「〜〜〜くれ」


「ぅん?」


「お願いだから!身体を隠してくれ!」


相変わらず隠す素振りもない彼女を見ないようにしながら懇願する


「なんでかは分からないけどグランがそうして欲しいなら」


まだよく分からないと言った様子の彼女は自分の翼と尻尾で身体を隠した


「クロエは、その、裸を見られても恥ずかしくないのか?」


「恥ずかしいとかはよく分からない。

グランは私の裸は恥ずかしいの?」


「それは誰でも裸を見るのも見られるのも恥ずかし

いだろ?」


「そーなんだ。男の人と女の人で多少体の作りは違うけどそれは生物学上生命維持のための繁殖能力で皆自分のと同じなのだから特別視する理由は分からないな。」


彼女のその返事は自分の価値観とはかけ離れたどこか無機質なものだった


「そういうのも含めてグランには色々教えて欲しい

私の思ってることと他の人が思うことが違ったら

教えて欲しいの、普通がどうなのかグランだったらどう思うのかを」


「あぁ」


どうやら彼女は想像を遥かに超えて常識とか価値観というものがないらしく、そういうのも教えて欲しいのだという


風呂から出てきた彼女はシャツ1枚だった

確かに全部隠れてはいるが目に悪い


そのあとは彼女が(どこから出したのか)作ってくれたご飯を腹一杯に食べ少し話をしてベットで寝た


あんなに食事をしたのはいつぶりだろうか

フカフカのベットの上で寝るのはいつぶりだろうか

今日の出来事はまるで夢のようで寝て起きたら全部俺が望んだ夢だったのではと眠るのが恐ろしかったが満腹感と柔らかいベットに包まれる感覚に抗えるはずもなく沈むように寝た



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