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11話グランバルト『その人物』

朝1度だけ開く扉が、お昼頃に開いた。

よく見えない目で見えたのは真っ黒い何かだった

後ろから慌てた様子で入ってきた店主が対応していることから客なんだろうと判断し、こんな所に入ってくるなんて変わったヤツだと思う


店主の話を聞いていないのか真っ黒い人は辺りを見回している。不意に目が合った気がした。


その人物は目なんて見えないし、今の俺の視力では何かいる位しか認識できないから目が合ったと思ったのは気のせいなのだが、その真っ黒い人はこちらに寄ってきて俺を見ているようだった

しばらく動きを止めてこちらを見ていた居た真っ黒い人物が口を開いた


「…生きてる?」


と聞かれた。

こんなボロボロな状態、死んでいると思われても不思議ではない

声からしてどうやら真っ黒い人物は女性らしい

女性がこんな所によく入れたものだと思う。

俺は返事をしようとする喉が潰れているため反応できない。反応したところでどうにもならないが…


「……この人にする。」


「…………………………は?」


と、店主の聞いたことも無い間の抜けた声がした


声が出せたなら俺も同じような反応だっただろう

しばらく硬直していた店主がハッとした様子で慌てて真っ黒い女性を説得しているが彼女は煩いなと言った感じの態度で譲らず、店主が折れた


その後、呼ばれた従業員によって俺は牢から出され包帯と服を変えられ契約のためにさっきの女性がいる部屋に連れていかれる。


部屋に入るとさっきの女性が居た

相変わらず顔が見えず真っ黒い女性としか分からない

契約を終え店主が挨拶をした後、店主は歩けない俺をどうするのかと女性に尋ねた

彼女はしばらく俺を見たあと手をかざすと俺の体はフワリと宙に浮いた。


傷が痛まず逆に心地いい感覚だった

店主も従業員も驚いていた

彼女は風の魔法だと言っていた

魔法は詳しくないが、常に人を浮かせるほどの魔法は相当な魔力とコントロールが必要な事くらいは分かるそれを難なくこなす彼女は相当な魔法使いなのだろう


店の外に出て彼女は宿屋に向かっているようだった

道行く人とすれ違っても誰もこちらを見ず、こんなに目立つのにまるでこちらが見えていないようだ

宿屋に着いてからも亭主や他の客に俺は見えていないみたいで、これも彼女の魔法なのかと考える


部屋に入ると、俺はベットに寝かされた

彼女はベットの脇にたち俺の体を見ていた


「これくらいなら平気か」


と彼女が呟くと俺の体を暖かな光が覆った

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