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眠気の冷めないうちに異世界で  作者: 河瀬憂
第1章
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第1話 異変

 あの日は寒かった。朝外は雪が降り積もっており男子高校生「一ノ瀬モズク」は学校へ行く準備をしていた。モズクは昨日家族と一緒にここらに越してきたばかりで知り合いなど1人もいなかった。前住んでいた場所は三重県にある山奥のある町で真の田舎といっても過言ではない場所であった。それに比べ越してきた場所は東京のど真ん中。モズクは楽しみと「楽しみと不安でいっぱい」などふわふわしたことをも無くただただ不安なだけだった。


「行ってきまーす。」


だらだらとした声でそういうとモズクは家を出た。最初の授業が始まるのが朝の9時モズクは余裕を持ち1時間前に家を出ていた。そうとうな眠がりのモズクにとっては大変辛いことであった。モズクは学校へ着くと昨日買いに行った新品の上履きに履き替え自分の教室へと向かった。廊下を歩いていたモズクだが誰一人として人が見当たらなかった。現在時刻は8時5分、当たり前だ。


ーー早すぎたな


初日からやらかしてしまった雰囲気を醸し出しながら教室へ入っていったモズクだが、教室には数人女子生徒がいた。全員本を読んでいてすごく静かだった。モズクは気まずそうに指定されていた席に座る。


ーー.........っんなんだよこれぇ!


異様な空気に包まれながら役15分、段々と生徒が登校し始め教室はあっという間に生徒でいっぱいになった。モズクは先程の空気のせいか少し安心したように姿勢を整える。

 ホームルームの時間、モズクは物珍しそうな目で自分を見つめるクラスメイトたちの前で


「一ノ瀬モズクです、よろしくお願いします」


なんて普通でつまらない自己紹介を終えると一人の生徒がこう言った。


「おい、お前なんかもっと喋れや。ちょっとカッコええからって調子のんなや」


モズクは固まった。こんなことを言われるなんて思ってもいなかった。色々考えているとその生徒がまた口を開く。


「お前後で校舎裏こい」


ーーこんなこと言う奴が本当にいるとは....


モズクは放課後その生徒に指定された場所へ向かった。行く必要はないと思ったがこれからのことを考えると行った方がいいという結論に至ったからだ。

 外は寒く止んだはずの雪がまた降り始めていた。モズクは急いで校舎裏へ向かう。案の定そこには名前こそ覚えていないがあの柄の悪い奴がいた。


「おい」

「何ですか、寒いんで早くしてもらえませんか」


自分でも何でこんなこと言ったのかわからない。こういう奴にこういうことを言えば大抵ー一


ゴンッ


鈍い音と共にモズクは足から崩れ落ちる。白くそして柔らかい雪の上でモズクは痛いと言わんばかりにうずくまる。


ーーあっ、これやばいやつだ


そう思いながら意識が段々と遠のいて行くのが感じられる。あの悪ガキはーー


「ヤベェーよ頭から血流してんじゃねーか!」

「しらねぇよ!こいつがムカつく態度とったからだろ!

「だからってなーそーー....」


ーーあ、俺血出てんだ、頭から

ーー仲間まで一緒にいたのか...気づかなかった

ーー俺、このまま死ぬのかな


冷たい雪の上で横になりながら考える。


ーー何もないただ「普通」の人生だったな


「あぁ、眠い」


そして一ノ瀬モズクは目を閉じる。



ーーーーーー目が覚めるとモズクは立っていた。


「あ?」


モズクは直ぐに異変に気がついた。頭部からの出血は消え、完治しているようだ。そして冬だというのに全く寒く無くなっていた。さらにもう一つの大きな異変にも。


「何処だしここ。」


今いるはずの場所は真冬の中の校舎裏。しかし見渡す限り洋風の建物や屋台、そして目の前には大きな時計台が立っていた、そして季節は蒸し暑く夏のようだった。さらに「見たことない生き物」っていう表現があっているかはわからないが蛇のような顔をした奴や猫耳の奴や、とにかく変な奴らばかりだった。

モズクは頭の中を整理しようとしたがどうにもまとまらない。ただ目の前の現実を受け入れるしかなかった。そしてモズクは


「異世界...転移か..?」


と呟いた。


 

かなり前からこのお話を書きたいと案を練っていました。まだ2話目ですがよろしくお願いします。

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