2話
海原に行くまでの道中、基本的に俺は必要最低限の狩りしかしない何故ならある動物を狩りすぎるとその動物が食べていた動物2の敵がいなくなり増えすぎてしまう。
そうすると動物2が食べている動物3、こいつが食べられすぎて居なくなる。最終的には食べるものがなくなった動物2までもが居なくなってしまい皆が困るのだ。まぁ他はどうでもよく俺が狩りするとき大変になるから嫌なだけなんだけどな。
まぁ要するに程々にしとかなきゃメンドクサイことになるってて言うのを学んだわけよ。
”基本的に面倒が増えることはやりたがらない化け物なのである。”
しかしまぁ考えてみれば海原なんてここに来るだいぶ前にちらっと寄っただけで真剣に調べてみようと思わなかったな。喉が渇いたから飲んだら余計喉が渇いたしそのまま引き返したからな。
”海水がしょっぱい事を知らなかった化け物は食べられない飲めないと見るやその当時は興味をなくしそのままの状態であった。”
記憶が正しければもうちょいで着くはずだが…
おぉ、相変わらずでっけぇなぁ。
”久しぶりに見た海に化け物は圧倒されつつ感動を覚える。その中に何か不思議な感情が混じっていることに化け物は気付いた。”
なんだこの感覚は?胸がとても跳ねている。早くあそこに行きたいのか?良い思い出なんてないのに。
”不思議と嫌な感じはせず、とりあえずは海に触れてみる化け物”
体が勝手に進んでいく。俺の体が本能がここに入れと命じてくる。これは一体?
”気付けば化け物の体は海の中へと沈んでいた。しかし息が苦しい感じはしない。むしろ陸にいる時よりも体が軽い。まるで周りから力が送られてくるようである。”
落ち着く。胸が腹いっぱいの時みたいに満たされていく。そうか、ここが俺の巣なのか。
”化け物は安住の地をしばし目を閉じた。”
ここは?確か俺は海原に入り寝てしまったような…
”化け物が起きて浮上し陸に上がるとそこにはかつて住み慣れていた景色はなく、木々は枯れはて白いものが空から降っている光景であった”
なんだこりゃ!?少し眠っていただけなのにおかしなことになってやがる!しかも何故か寒い。これまでも寒くなることはあったがその日じゃねぇ。これは下手に海原から出ない方がいいな…
”そう判断した化け物は今しばらく海の中で生活することにした”
"不思議なことに化け物は海の中に入れば食事を取らずに済んだ。まるで海が栄養を与えてくれるように飢えがなくなるのだ。さらに海に浸かる内に体に変化が訪れた。なんと足が生えたのだ。いままだ蛇のように這っていた身体だが、足が生えオタマじゃくしような形態になった。その日から化け物は足を使った訓練を始めた。少しでも違和感に慣れるためである。”
足だけあってもバランスがなぁ…。四足になろうにも前足が無いし這って行こうにも足が邪魔で速度がでないしなぁ…。
”なんとも邪魔ばかりの足である。しかし化け物は日々特訓を重ね遂に足を有効活用することが出来たのである。”
なんか…立った…
”二本足で立った瞬間である”
氷河期です。
この世界にも恐竜はいたんですね。
化け物もようやく人型への一歩を歩み始めました。