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氷属性付き吸血鬼

 「さぁ、上界の者よ。私に食べられよ。さすればそなたに強大なる力を与えようぞ…。」

いきなりなんだよこの若々しいおっさんは!!待て、落ち着け。相手も日本語だから何かしら対話できるかもしれない。

「えと…あなたは?」

「ほう…上界の者で私を知らぬというか…。まぁよい。私は、日本でいう吸血鬼だ。ヨーロッパでいうヴァンパイアだな。」

えと…吸血鬼に会ってるのか、僕。気が滅入ってきた…。

「それで、僕は食べられたらどうなるんですか?」

「そなたは私の体内で小さくなり、その後ヨリコの体から排出される。失敗の可能性はほとんどない。だから安心して食われたまえ。そなたは、力を手に入れられるのだぞ?」

んと…まずヨリコとは誰だ?吸血鬼の奥さん?んでそのヨリコとかいう人…え、人なの?その辺どうなの?んでそのあとヨリコの体から排出…排出?出産?どういう状況だ?

「どんな過程でヨリコさんの体内に行くのか、その辺詳しく教えてもらえますか?」

「そなた…相当な朴念仁か?上界では『やる』とでも言うらしいな。それをする。」

「…わかりました……。」

本気で気が滅入ってきた。泣きたいよもう。元の世界に返して…。

「…ていうか、元の世界に返してください!!」

「そなたが元の世界に戻ったとして、力が必要であろう?ならば、今ここで授けてやろうということだ。それに…上界に連れ戻してほしい者もおるのでな…。」

「連れ戻す?」

「とりあえず、何をするにせよそなたは力が必要なのだ。さぁ、私に食べられるのだ!!」

力、か…。力、力、力…。欲しい!やっぱ力欲しい!

「…はい。食べられます。」

「よくぞ言った。では頂くぞ。」


 「…ほれ。排出は終わったぞ。」

ん…?なんも変わってなくね…?いや、爪が伸びてる。つうか、尖ってる。歯も少し鋭くなったかな…。けど、それ以外変わってなくね?

「あの、どの辺が変わったんですか…?」

「ふむ…。そなたは特別だぞ。運がよかったのだろう、きっと。」

「え…?」

「ヨリコの体内、冷たかったであろう?」

「…覚えてません。」

「ヨリコは、一度だけ雪女を食べたと言う。その時、氷の力を手に入れたそうだ。私の吸血鬼の力とヨリコの氷の力。普通は吸血鬼の力が他の力に勝ってしまい、私がやると吸血鬼しか生まれない。だが、今回は違った。氷の力も同時にそなたに備わった。これは奇跡だ。喜べ。」

「んー…。とりあえず、僕はこれからどうすればいいんですか?」

「外に出たまえ。戦っているうちに、何か覚えるであろう。」

こうして、無造作に僕は外に押し出された。

 さて、これからどうするべきかな…。って、なんだこりゃぁぁぁぁーーーーーー!?!?!!!?扉開けて外に出た途端ドラゴンが1、2、………15体。全部倒せってか?やるしかねぇか…。

 こうして、戦闘開始。火を噴いてきた1匹目のドラゴン。避けながら勘の赴くままに戦う。うぉ、僕すげぇ。右手を前に突き出すだけで氷の柱が飛び出てきた。2匹のドラゴンに直撃し、溶けるように消えた。そういや両方のポケットに入ってる大きめのジャックナイフは何だ?使ってみよう。緑色のドラゴンに目を付け、思うままに斬りつけた。ドラゴンは氷のように固まり、砕け散った。なるほど、水属性付与の短剣って感じか。おいおいおい、5匹連帯攻撃ってそれ強すぎだろ!!どうしよ、ええと、両手を広げて能力吸収!赤紫色の波動が僕に襲いかかる。うぉっ、それなりにダメージ来るな…。けど吸収出来たから、それをぶちかます!!ええと、解放するには…両手を突き出す!!赤紫色の波動が発射され、5匹全てに直撃して消えた。よし、あと8匹…。1匹が突進してくる。そいつの肩に飛び乗って、首筋に噛み付く。うわっ、生臭っ…。しかし、凍り付いたかのようにドラゴンの動きは止まった。ジャックナイフを突きたてると、砕けるように消えた。

 何とか全てのドラゴンを撃退し、だいたい自分の力の使い方を覚えた。この力…。大満足である。

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