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終わりの始まり

 あの後、医者に行った。あばらが折れていたが、臓器に損傷が無かったのでサポーター的なものを常に着けていれば普通に生活していいと言われた。


 夏休み中に新たなソーレーン連邦の動きは無く、秋になった。あばらの怪我も治り、学校祭も楽しく終えた。


 11月も後半になった。夏休み以降、たまに出動要請が出るくらいだったので、皆だいぶゆっくり休めていた。

 

 雪が積もった11月30日。里亥さんからメールで連絡がきた。

………………

To:斬

Title:新情報あり

本文:近日中に、ソーレーン連邦や日本政府に大きな動きがあると思われるという新情報が入った。何を仕掛けてくるかわからない。万全にするために、俺の会社のタダ同然(ここ重要!笑)の売れ残りの武器とかタダでやろうと思うから、お前らもらいにこないか?多分今の武器よりは強いと思うから。じゃあな。

………………

To:里亥さん

Title:Re:新情報

本文:わかりました!タダなら即決でもらいます。皆にも伝えておきます。近いうちに行きます。

………………

 これはラッキー。けど、僕はいいかな。氷属性付いてるジャックナイフなんて地球上じゃさすがに売ってないだろ。


 12月の最初の週末。皆で里亥さんの所に行った。杏も一緒だ。

 そう言えば最近、杏が僕の家に来た。久しぶりだったので、すごく楽しかった。夕飯を食べていってから帰っていった。前に、自分の胸に自信が無いような話をしていたが、華奢な体と比べてバランスがよく、すごくいい感じだった。

 室内に上がると、結構多く売れ残りの武器が置いてあった。

 「こんなのもあるのか…?」

普段は基本指示を出して戦況をコントロールしていて、私も役に立ちたいと言っていた陽響が手にしたのは、立派な西洋風の剣だった。

「切れ味はいいんだがよぉ、年代物すぎる上に買う人も10年くらいいないらしいから、タダだ。」

里亥さんが解説をする。

 来実が手にしたのは、青いチェーンソーだった。

「ロシアの倒産した会社が作ってたチェーンソーで、修理が出来ないし今時のチェーンソーと比べたら性能も低めだからよぉ。しかも売れねぇし。」

 「しっかし色んなものありますねぇ…。」

不思議な形の刃物を手にする海督。

「それには眉唾な言い伝えがあってよぉ…現代の死神の鎌の刃だって言うんだぜ?誰も買って行きやしねぇよ。」


 というわけで、一部の人は武器をもらって帰ってきた。

 陽響は、手に取って見ていた西洋の年代物の剣をもらった。はっきり言ってすごいギャップだ。制服に剣…。

 来実は、ロシア製の青いチェーンソーをもらい、終始テンションが高かった。途中で振り回し始め、必死に鳴実が止めていた。

 那深は、刃先がとても細い水色の槍をもらった。ヨーロッパでモリのような使われ方をされたとも言われるものだった。

 葵衣さんは、先に爪がついた靴のようなものをもらった。すごく歩きづらそうだった。

 大夢は、刺突攻撃も出来るように片方の先を鋭く尖らせた大きなハンマーをもらった。

 磨夏は、短めの刀をもらった。短剣よりは長いが日本刀よりは短く、扱いやすそうな長さだった。

 結菜は、鞘もセットでついてきたロングソードをもらった。かなり長いが細身で、扱いは楽そうだった。

 そして、皆が驚いたのは杏の装備だった。とてもタダとは思えない、スコープ付きの大型ライフル銃だった。ライフル銃を構える堕天使。想像しただけで震えてしまうようなギャップだった。


 皆が家に帰って新しい武器の確認をしていた頃だろうか。

 斬は、今日のライフル銃を構えた杏の姿を想像して1人ドキドキしていた時だった。ついにメールが来た。新たな動きとは、一体何なのだろうか。

 内容は、まとめるとこんな感じだった。ついにソーレーン連邦は新港に停泊してある最新巨大軍艦の破壊行動を開始するという。そこで、軍艦の守備は軍隊に任せ、丘にある塔の破壊を絶対に行うようにということだった。そして、更に重要なこと。それが、特殊才能開化装置起動者への戦闘要請メール配信は今回で停止し、これからは戦うことを求めないということだった。要するに、パーティーはもう要らないという通告だった。

 これには驚いた。要するに、これが最後の戦いになるのだ。そして、塔の破壊が『絶対』の目標になった。撤収は認められないのだ。とりあえず、皆と連絡を取り合って現場に急ごう。


 こうして、最後の戦いは始まりを告げた。凸中卓球団と協力者パーティーに所属する誰もが、ただ一緒に戦うだけの関係だとは誰も思っていなかった。この強い絆で、パーティーのメンバーは最後の戦いに臨むのだった。

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