ハーレム海水浴(4)
海に着いた。皆の私服が宙を舞う。パステルカラーの可愛らしい服が宙を舞い、下から水着が現れる。水着だし服脱ぐの見られても気にしないよ?と言っていたが、何となく見ちゃいけないような気がするのはなぜだろう。
おぉ、肌の色。素晴らしい…。ビキニがいなかったのは少し残念だったけど、スク水でも僕にとっては充分すぎる露出である。来実と鳴実は双子だけど、胸の大きさは全然違うな…。来実の方は水着から胸溢れ出そうだし。鳴実も貧乳ではないけど胸小さいよな…。湖は引き締まった体の上に巨乳載ってるからすごい健康的だな。磨夏は一番細いけど胸が…これは貧乳と言っても問題無いな。けどやっぱ皆可愛いよ…。股間の覚醒を我慢するので精一杯だ。さて、釣りの準備するか。
皆が泳いでいる砂浜の横に、岩を積んだだけのちょっとした堤防がある。そこに腰掛け、足だけ海水に浸けながら仕掛けをぶん投げる。あれ、あんまり反応無いな…。ここはあんま魚いないのかな…?
足元に来実と鳴実が浮き輪に捕まって漂ってきた。
「斬も泳げばいいじゃーん。」
「いや、海パン無いし。」
「とりあえず来なよー!」
「おわわわわわわわわわ!?」
落ちる濡れるあーーーーーーーー。濡れた。
「いやいや竿壊れるっつの。」
つうかズボンびじょびじょ。膝上まで裾捲っとくか。
「ほら、那深が魚とったんだよー!」
ハゼだった。素手とか、すげぇな…。
「食べる?」
「いや生だし。」
「そうだ!お昼これ食べよう。」
「んじゃ、後で携帯ガスコンロ持ってくるか。」
なら、僕もたくさん釣らないと。
膝くらいの深さで行ける所まで行って投げる。お、今度はいい感じ。いきなり魚きた。巻いて巻いて巻いて~♪はいゲット。ラッキー、シロギスじゃん。
「その魚わかるー!確かディープキスですよね?」
すずみが泳いできた。
「いやシロギスだし。」
てかどういうボケだよ。なんか笑えてきた。
「あれまぁ、惜しい。」
ツッコミ役がいない!どうすればいいのかな…。て、胸!!胸見えた!!こんなにあったんだ…。服着てるとあんま目立たないのに。
数匹シロギスやハゼを釣り上げた後、事件は起きた。
「お、また来た。」
だいぶ沖でかかったので、巻くのに時間がかかる。
「今度は何ですか?」
磨夏が来た。
「ディープキス!」
「なんで!?」
ツッコミ役が来てくれた!!
だいぶ近くまで寄ってきた時。急に竿が引ったくられるような引きが来た。
「うぉっ!?」
何だ!?
「最後の抵抗ですかね?」
すずみが聞いてくる。
「こんな激しくは抵抗しないよ。30cmオーバーでもかかったかな?」
違う、これは…ヒラメでもないな。スズキ?いや、だったらとっくにエラ洗いしてるはずだ。…!!もしや!!
周囲を見回す。堤防の近くで2年女子と杏が遊んでる。葵衣さんと朱魅と結菜は浜に上がって休んでるし大丈夫。さ、どうやってこの危険物をコントロールするかな…。
「磨夏、すずみ。浜に上がって。」
僕からただならぬ雰囲気を感じたのか、真面目な顔になる。
「どうしたんですか?」
「サメかエイがかかった。危ないから上がってて。あっちにも伝えといて!!」
「わ、わかりました!!」
ヤベェ、だいぶ糸出された。ここからどうしようかな…。泳ぐのと反対方向に竿を引っ張って、巻く。うわ、自分が持ってかれる。こりゃ堤防に一回上がった方いいな。
少しずつ堤防に向かって進む。糸が切れる気配はない。また引っ張られた。どんどん糸が出ていく。ギギギギーーーーー。ドラグの音が夏空に歪に響く。
ここで急に魚が方向転換。ヤバい、そっちには陽響達が…!!!!
「もっと岸側に逃げて!!」
このやろうっっっっッッ!!!!!そっちに行くなぁぁぁぁ!
「止まれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
思いっきり竿を反対方向に引っ張る。全力でリールを巻こうとした、刹那…。
パチンっ。
切れたー。ま、エイかサメかかったのに竿が無事なだけマシか。昼間過ぎてるだろうし、飯食うか。
岸に戻ると、皆不安そうな顔で待っていた。
「だ、大丈夫でしたか?」
磨夏が聞いてくる。
「うん。怪我もしなかったし。」
「ていうかさ、あれ何?めっちゃ大物っぽかったでしょ?」
葵衣さんが興味津々で聞いてくる。
「多分エイかサメでしょうね。」
「そんなの釣れるの!?」
「たまーにかかりますよ。大概糸切られますけど。」
「ま、怪我すること無かったんだからいいんだ。」
陽響が場をまとめる。
「さ、ご飯食べよう!」
「「「「いぇーーーーーい!!」」」」
草が生えている辺りに、1本だけ大きな木が生えている。その下はちょうど日陰で、皆思い思いの格好で座っている。
ガスコンロを持ってきて、ハゼやシロギスを焼く。ちょうど全員分釣れたので、取り合いにもならず皆美味しそうに食べていた。
「うわー、魚ってこんな美味しいんだ。」
「だからね。」
「こんなに美味しい魚初めて!」
「新鮮だからだな。」
「白ご飯が欲しいー!」
こんなに喜んでくれるんだ。なんだかすごく嬉しい。そう言えばツルツル爺さんが言ってたな。「漁師の生き甲斐は、自分の獲物を美味しく食ってくれる人がいるって事だい。」こういう気持ちなのかな。
「さってと、食べ終わったし、もうちょい泳がない?」
葵衣さんの提案に、皆が賛成する。
「「「さんせーい!!」」」
今日は楽しかった。すごく楽しかった。皆笑ってたし、すごく可愛かった。
「楽しかったな、今日は。」
竿をしまいながら杏に話しかける。
「あぁ。すごく楽しかった。」
「ぶっちゃけ、お前が皆に溶け込めてるか不安だったんだよ。お前と皆が話してるの見たこと無かったからな。」
「…そうか。けど、皆いい人だった。楽しかったよ、ほんとに。」
「そっか。なら、良かったよ。」
あ、大切な事忘れてた。あのサメかエイ、来週リベンジしてやるからな。釣り仲間引き連れて絶対釣り上げてやる。




