竹島警備行動後の日米韓関係(1953〜1955)
1. 日本と韓国
● 竹島警備行動の影響
• 1954年4月〜5月:警察・海上保安庁による韓国排除が成功
• 韓国国内では「独島奪還失敗」による李承晩政権批判が高まり、反日感情が激化。
• 日本国内は警察・海保の奮闘を評価、保守的・国防意識高揚の世論が形成。
● 外交的断絶
• 外務省は韓国大使を召還、韓国も在日大使を召還するなど、事実上の外交関係停止。
• 日韓基本条約の締結は不可能に近い状況。
• 両国間の民間交流・経済協力も大幅縮小。
● 経済的影響
• 韓国の日本向け輸出入は減少、日本企業も韓国投資を抑制。
• 韓国は米国への依存度を増すが、米国の制止により援助・投資は制限される。
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2. 日本と米国
● 日本の防衛力評価
• 米国は竹島警備行動の成功を高く評価:
• 警察・海保の奮闘で日本の主権を維持できた
• 日本を極東防衛の要とみなし、防衛体制強化を推奨
● 軍事協力の強化
• 米国は日本への装備供与・訓練支援を計画
• 例:軽戦車、駆逐艦、哨戒機の供与
• 米軍教官による国防警備隊(後の国防軍)への指導
● 安保条約への影響
• 日米安全保障条約改定交渉(1954〜1955)で、日本の自衛力増強・米軍との共同防衛
が議題に
• 米国は「日本中心の防衛ライン」を確認、極東の共産圏対策を重視
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3. 米国と韓国
● 韓国の立場
• 再侵攻を検討したが、米国は即座に抑止
• 米国からの非公式・公式の警告で、韓国の挑発行動は断念
● 米国の対応
• 韓国を直接批判せず、段階的圧力+支援制限で行動を制止
• 韓国国内で反米感情が増加
• 米国は韓国経済支援を限定的に継続しつつ、日本を防衛軸として重視
● 同盟関係のひずみ
• 米国は韓国に対し「無条件支持は不可」と明確化
• 韓国は米国依存度が高いが、独自の強硬策は制限される
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4. 三国間の力学
国 立場・行動
日本 竹島奪還成功。国防意識高揚、国防軍化の議論加速。米国と防衛協力強化。
米国 日本防衛を優先。韓国の挑発は阻止。日米同盟を軸に極東安定を確保。
韓国 竹島失陥・米国制止で政治的圧力増。国内世論は反日・反米傾向に。経済援助は制
限。
• 日本は米国の支持で竹島支配を固める
• 韓国は挑発的行動が抑止される
• 米国は日本を防衛軸として再評価、韓国には抑止的関与
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5. 国内世論・政治への影響
● 日本
• 保守化・国防重視の世論が強まる
• 左翼勢力の影響力減少
• 警察・海保の犠牲を経た主権防衛が国民意識に定着
● 韓国
• 李承晩政権の求心力低下
• 反日・反米感情が拡大
• 国内で政権批判、軍部圧力の強化
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6. 長期的な影響(1955〜1960)
1. 日韓関係
• 完全断絶状態。条約締結は不可。
• 経済交流・民間交流は事実上停止。
2. 日米関係
• 日本は米国支援のもと国防体制強化
• 米国は日本を防衛の中心軸と位置づけ、装備・訓練供与を開始
3. 米韓関係
• 韓国は米国の指導・抑止下で行動制限
• 国内反米感情は高まるが、米国は極端な制裁は避ける
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総括
• 竹島警備行動は、日本の防衛意識・米国との関係強化を決定づける
• 韓国は再侵攻を断念し、国内政治の不安定化が進む
• 米国は日本を極東防衛の主軸に据え、韓国には抑止的関与
• 日米韓の三角関係は「日本防衛軸+韓国抑止軸」として再編される




