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第4話 おい坊っちゃま、手料理のお時間ですよ。

前回のあらすじ

イキシアちゃんの満たされゲージ100を目指す挑戦で、8兆とんで1を叩き出してギリギリクリア



「おい坊っちゃま、無事に退院できましたよ。ぴーす」


「お、おめでとう……ほんとに一日だけだったね……」


「今日は厨房にやって参りました。お見舞いに来てくれたお礼に、今から坊っちゃまにご飯をご馳走したいと思います。感謝しろよキモッちゃま」


「誰が『キモッちゃま』だよ肝っ玉みたいに!! ていうか、やっぱりいいよお礼なんて! 前も言ったけど、元はと言えばキミがケガしたのはボクの責任だし……」


「まあまあ、(ポニ)刺しでもいかがどす?」


加害者(チョコ)への恨みがえげつない!! なんだよポニ刺しって!!」


「冗談はさておき、お坊っちゃまへの愛じょ…………憎悪をたっぷり込めて作ってあげますので、どうぞお好きな食べ物を」


「チョコだけでなくボクまで憎まれてる……。えっと、そうだな……ハンバーグ、とか?」


「セクハラですか? このエッチめが」


「何故!? ハンバーグをリクエストしただけなのに『このエッチめが』って言われた!! あっ、もしかして焼く前の挽き肉をこねる音がちょっとエッチみたいな……そういうこと?」


「材料はお肉とタマネギと卵と……」


「ガン無視ッ!! ボクが一方的に恥かいただけじゃないか! あと別に言うほどエッチじゃないよね肉こねる音も!!」


「今日テンション高いですね。そんなに私のご飯が楽しみですか?」


「いや、悪いけど不安しかないというか……」


「むっ……なんでですか? メイドぞ? イキシアちゃんメイドぞ?」


「近い……まあそうなんだけど、キミのことだから平和に料理が完成することは絶対にないんだろうなって」


「やれやれ信用ないですね……良いでしょう、私の華麗なるお料理テクニックを見て惚れ直してくださいな」


「いや惚れてはないんだけど……」


「…………ばか」


「え?」


「さてさてまずはタマネギの微塵切りズドドドドド!!」


「なっ…………なんて速さ!! 包丁が躍り狂ってるみたいだ!!」


「そしてボウルに挽き肉と卵とパン粉とさっき刻んだタマネギを入れて一気にコネコネコネコネコネ!! ここはさっき坊っちゃまがエロいと言っていたところなので注意しましょう」


「人の黒歴史をワンポイントアドバイスみたいに!! さっきの聞こえてたんだったらその時にリアクションしてよ!!」


「これをじっくりと焼いて……焼き方はレアでよろしいですか?」


「じっくりと焼かないの!? 外はカリカリ、中はグニョグニョになるじゃないか! 食中毒促進料理!?」


「後はケチャップで『し』……『ろ』……『い』」


「すごいウソついてる!! 掛けてる物も掛けられてる物も白とは程遠いのに!!」


「さあ、召し上がってください。名付けて『皿 ~ハンバーグを乗せて~』です」


「お皿がメイン!! 完全に食器ごと完食させるようとしてる人がつける料理名じゃないか!」


「さあ、冷めないうちにまずは上のハンバーグからどうぞ」


「お皿は食べないってば……。ま、まあ見た目はおいしそうだけど……いただきます」


「…………ど、どーですかー……?」


「……うん、おいしい! ちゃんと中まで火が通ってるのにとっても柔らかくて、何より肉汁がたっぷり!」


「よかっ…………ふ、ふん……だから言ったでしょ……イキシアちゃんメイドぞ? えへへ……」


「うん、途中あまりにも不安だったけど……こんなにおいしいハンバーグ食べたの初めてかも……」


「大袈裟ですね。まっ、結局このイキシアちゃんに不可能はないってことですわな。これで坊っちゃまも私に完璧に惚れ直」


「あ、そうだ! イキシアも食べてみなよ! はい、あーん!」


「ひゃえっ!? ちょっと、いきなりあーんとか不意打ちすぎて照れまくるし何よりそれ坊っちゃまが使ってたフォークじゃむぐぅっ!! んむ……もぐ…………」


「どうかな? すごく完成度が高いと思わない?」


「もぐもぐ……わ、私としたことが……うっかり憎悪を入れ忘れてしまったかも、ですねぇ……」


「あはは……ボクもそう思う」


「…………ばか」


「えっ……? 今『ばか』って……」


「馬肉って言ったんですよ。知ってましたか? ハンバーグはお馬さんの肉で作られたものが起源みたいですよ」


「へ、へえ~そうなんだ……」


「というわけで今度はもっと本格的なハンバーグを作るため、あの憎きポニーを……」


「言うと思った!! チョコ逃げて!! 挽き肉にされちゃうっ!!」





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