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最終話 おい坊っちゃま、エピローグのお時間ですよ。

今回のあらすじ

最終回です。


「おはようございます、坊っちゃま」


「ああ、おはようイキシア……それと、坊っちゃまはやめてほしいな……」


「やはり恥ずかしいですか?」


「それもあるけど……ほら、こ、恋人同士なわけだし……さ」


「そうですか……ではウルトラケシカスヨーグルトに戻しましょう」


「悲劇再びっ!! イヤだよ恋人からそんな長い名前で呼ばれるの!!」


「ではハイパーケシカスヨーグルト……」


「ケシカスヨーグルトがイヤなの!! ハイパーならカッコいいからオッケーとかないから!」


「冗談ですよ。坊っちゃまはケシカスヨーグルトなんかじゃありませんからね。改めて……これからもよろしくお願いしますね、ロクデナシお兄さん」


「憎悪がすごいっ!! けど強くは言い返せないよ……今までボクがキミにしてきたことを考えたら……」


「ふふっ、これも冗談です。可哀想なので『坊っちゃま』って呼んであげますよ、今まで通り」


「結局そうなっちゃうのか……まあいっか、なんだかんだでボクもそれが一番しっくりくるし」


「キャロ相変わらず面白いねェお前達は!」


「あっ、キャロットおばはん! と、それに……お前!! イキシアに乱暴してた大男!!」


「よ、よお……たまたまそこで、この婆さんと一緒になってよぉ……」


「……消えろって言ったはずだけど?」


「まあそう怖い顔しないでくれ……一言、謝りたくてな」


「え?」


「昨日、街中で姫さんがギャーギャー騒いでるから何かと思ったら、お前さんとメイドの嬢ちゃんがいたからよ。顔合わせんのも気まずいからコッソリ見てたんだが、そしたらメイドの嬢ちゃんが告白してて……」


「お、お前……昨日のやり取りを見てたのか……!!」


「ああ。だから謝りてぇんだ……オレは……オレはこんなに一途なメイドにっ……あんな酷いことを……本当にすまねえ…………ぴ、ぴいいいいいいいい!!」


「い、いいよそんなに泣かないで! イキシアも怒ってないから! ね、イキシア?」


「ええ、この間といい、何でその顔面でそんなに泣き方が小鳥みたいに可愛いのか気になって怒るどころじゃありませんね」


「……相変わらず辛辣なお嬢ちゃんだなぁオイ……あっそれとよ、お詫びにこれ渡しとくぜ」


「え? これ、ボクが買ったヘカナ先生の新刊と同じ……」


「オレに投げて折れちまっただろ? 新しいの買ったから、こっちを代わりに本棚に並べてやってくれや」


「あ、ありがとう……なんだ、すごく優しい人じゃないか!」


「確かに少しだけ見直しましたが……『オレにブン投げて折れちまった』というダジャレが非常につまらないので結果的には大嫌いです」


「オレの精一杯の償いが偶然の産物(ダジャレ)一つでパーに!! なにこの人生!!」


「キャロキャロキャロ……キャロ次はあたしの用事を済ませていいかい?」


「キャロットおばはん……この間はありがとう! そんな笑い方だったんだ」


「キャロ気にしなさんな。キャロそれでね、この前はメイドのお嬢ちゃんに対してのアドバイスしかできなかったから、キャロ今日はお坊っちゃまの方をしっかり占ってあげようと思ってね」


「ほんと? じゃあお願い!」


「キエエエエエエエイキャロ!!」


「やっぱり掛け声の時はキャロが語尾なんだ……キャロットも持ってないし……」


「キャロ出たよ……キャロあたしの思った通りだ。キャロお前達は今のままじゃダメだね」


「え!? そ、そんなあ!!」


「キャロもっともっとお互いに好意を伝え合いなさい。キャロ今まで言えなかった分も含めてたくさんね。キャロ伝えれば伝えるだけ運気はグングン上昇するよ。キャロあたしの占いは百発百中さね」


「キャロットおばはん……本当にありがとう!」


「ポニポニ~」


「おや、チョコが牧場から抜け出して遊びに来てくれました」


「牧場ってそんなに出入り自由だっけ……?」


「ポニポニポニ、ポニポニ!」


「えっ……それは本当ですかチョコ?」


「ホントに言葉通じるんだ……なんて言ってるの?」


「坊っちゃまの大好きなカヘナ先生が、新作を書き始めたそうですよ」


「ほっ、ホント!? というかなんでチョコはそんなにカヘナ先生について詳しいの……?」


「新作のテーマはどんなものか分かりますか、チョコ?」


「ポニッポニ、ポニーポニ」


「ッ……!!」


「イキシア? どうしたの?」


「いえ、あの……『貴族の息子とメイドの、幸せな恋の物語』って……」


「ひゃえっ!? へ、へぇ……そうなんだ……面白そうだね……」


「お、なんだなんだ、どうやらオレらはお邪魔みてえだな! ガッハッハ!! だがひょっとしたら邪魔なのは醜きオレだけなのかもしれないっ!!」


「ポニポニ~」


「キャロなんだいこのお馬さん……キャロずいぶんあたしに懐いてるけど……」


「『キャロ』が口癖なので、アナタがキャロットをたくさん持っているのではと思って近付いているみたいですね」


「キャロそういうことかね。キャロだがすまないね、今日はキャロットを1本も持ってきてなくて……」


「クタバレブルルルルルンッッッ!!」


「ゴバアアアアアア何でオレエエエエエエエエ!? 理不尽だがこれもまた一興!!」


「あはは、賑やかな人たちだね……」


「……坊っちゃま、私は坊っちゃまが大好きです」


「ふぁい!? どしたのいきなり!? も、もしかしてさっきの占いの……」


「ええ……今まで言いたくても言えませんでしたから」


「ありがとうイキシア。ボ……ボクも、イキシアが……だ、だっ……だい…………」


「ふふっ……どうしたんですが坊っちゃま?『あんなに言えてた』のに」


「あはは、なんだかイキシアの気持ちが分かった気がするよ。大好きな相手に大好きって言えないの、こんなに辛いんだ……」


「……いま『大好きな相手』って言ってくれましたね」


「えっ!? あっ、ほんとだ……まったく、イキシアには敵わないな……えへへ……」



「いつまでイチャイチャしとんじゃああああああああ!!!」



「ひっ…………リッ、リンセ姫!?」


「ぜはー、ぜはー……もう我慢できない!! 幸せ濃度が高すぎて、アタシのコドキャパ(孤独キャパシティ)が限界を迎えて危うく臨終するとこだったわよ!」


「ど、どうしてリンセ姫がここに……?」


「アタシ、気付いちゃったの……自分のホントの気持ちに……」


「は?」


「言っとくけどアンタじゃないからね金髪碧眼」


「分かってるよ顔怖いな!! でも、本当の気持ちっていったい……」


「決まっているじゃない……凛としたお顔立ちと気品に満ち溢れた立ち振舞い……だけど中身は人一倍に健気で一途で超絶かわいらしい乙女……そのギャップに、リンセはメロメロになりましたわ!!」


「えっ? ま、まさか……」



「イキシアさまぁっ!! そんな気弱な鈍感男は捨てて、このリンセと共に濃厚な愛を育んで下さいましいいいい!!」



「はああああああ!? ちょっとリンセ姫、なに勝手なこと……」


「うるさいバカ野郎!! こんな素敵な方、アンタみたいなヘナチョコには勿体ないわ!! アタシはもう、自分の気持ちにウソはつかない! 昨日キャロット占いで言われたのよ……『正直に生きれば、きっと恋は成就する』ってね!! ああ……誰よりも美しく、誰よりも可愛らしいイキシア様!! だいだいだいだいだーーーい好きですわあああああ!!」


「ふむ……これは面白いことになってきましたね。まさか坊っちゃまとリンセ姫で私を取り合って激しく争う構図になるとは……まったく、モテるメイドは辛いぜ」


「空の香りが嗅げそうなくらい鼻高くなってる!! ちょっとイキシア、ボクは望んでないよそんなの!!」


「いやはや、強力なライバル出現ですね。私を奪われないよう、せいぜい頑張って下さいね……KYARO」


K(ケシカス)Y(ヨーグルト)A(あらため)R(ロクデナシ)O(おにいさん)じゃないか!! ヒ……ヒトを優しいおばはん占い師の口癖みたいに略すなああああぁぁぁ!!!」



「さてと……ツッコミも終わったところで、覚悟はできましたか?」



「ひっ、ひいいいいいいい……!!」





「ふふっ…………おい坊っちゃま、」








────三角関係のお時間ですよ。








            完








ご愛読ありがとうございました!

普段はコメディーを書いているのですが、初めて恋愛ものの長編にチャレンジしてみました!ギャグの量は相変わらずですが……。

少しでも楽しんでいただけましたら幸いです!


ところでイキシアというのは花の名前で、花言葉が複数あるんですよね。

せっかくなので、最後にその一部を紹介してお別れしたいと思います。



イキシアの花言葉『秘めた恋』『君を離さない』



それではまたどこかで。



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― 新着の感想 ―
えええええええん! 良かったです、二人が結ばれて(T_T)!! リンセ姫もいい働きをしてくれましたね…… 坊っちゃまの話聞いて想像していたリンセ姫像よりも豪快で、この子ももっと見たくなっちゃいました!…
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