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第1話 おい坊っちゃま、プロローグのお時間ですよ。


「はぁ……」


「おい坊っちゃま、手が止まってますよ」


「あっ、ごめんイキシア。ちょっと考え事しててさ」


「お食事中に腑抜けた顔を披露しないで下さい。それでも上流貴族の息子ですか」


「う、うん……ごめんね、気を付けるよ」


「次やったら奥歯に手ぇ突っ込んでガタガタいわせますよ」


「それただの乱暴な歯医者さんじゃないか!!」


「あら? 奥歯の穴に手ぇ突っ込んでお尻をガタガタいわせるの間違いでしたかね」


「虫歯の人の臀部を振動させて遊ぶ奇人!! 気を付けるって言ってるじゃないかもう……」


「坊っちゃま、大声ツッコミなんてはしたないですわ。嗚呼、スーパーはしたないボーイ」


「だ、誰のせいで……というか、そろそろ『坊っちゃま』って呼ばれるの恥ずかしくなってきたかも……もうボク18歳だし」


「私だって20歳なのにイキシア呼びされてますよ」


「キミは良いだろ今までもこれからもイキシアで!! もっとこう、気軽に名前でさ……ボンって呼んじゃっていいから」


「分かりましたSHB」


S(スーパー)H(はしたない)B(ボーイ)じゃないか!! ヒトをすごく硬くて濃いエンピツみたいに略すな!!」


「ほんのメイドリアンジョークです」


「メイドリアンジョーク!? 知らないよそんな『皆さんご存知』みたいに言われても!」


「『メイドリアン』って姪のドリアンみたいですね。女の子なのにドリアンの匂いなんてあまりにも残酷な運命だぜ」


「真顔で中身のない話を止めどなく……キミの言葉は脳内じゃなく口内で生まれてるのかい?」


「いいから早く悩みを教えてくださいよ。ぷんすかっ」


「まるでボクが一人でふざけてたみたいに頬を膨らませて……はあ、実はボク、片想いをしてるんだ」


「まずはごめんなさい」


「いやキミじゃないよ!! 百歩譲ってキミだったとしても振る前に一回くらい感謝の言葉が欲しい!!」


「えっ、私じゃないんですか」


「キミじゃないってば!! 逆に何で自分の事だと思ったんだよ!」


「…………なるほどなるほど」


「……あ、あの……えっとね? 話を戻すけど、僕が好きなのはリンセ姫で……」


「ああ、あの女児ですか」


「まったく女児じゃない!! 見た目は幼いけど彼女16歳だから!」


「ロリコン罪で極刑ですね」


「ロリコン罪!? まさかこの国にそんなドストレートな罪状があるとは!」


「坊っちゃまは年下好きなんですか?」


「結局『坊っちゃま』なんだ……まあいっか。いや、そういうワケじゃないんだけどね。リンセ姫は完全な一目惚れっていうか……」


「でも自分みたいなウルトラケシカスヨーグルトとは釣り合わないのでは、と」


「ヨーグルトじゃないよ! まったくもう…………あっ、ケシカスでもないよ!! やらしいなその二重の仕掛け! 危うくケシカスになりかけたじゃないか!」


「つまり悩みというのは、リンセ姫にお似合いな強くてカッコいい男になりたいと、そういうことですね」


「わわっ、急に核心をついてきた……うん、その通りだよ。ボクみたいなシャイで軟弱な男じゃ、リンセ姫には振り向いてもらえないんじゃないかって……だからボク、もっと立派な人間になりたいんだ!」


「家柄的には何ら問題ないのでは」


「問題なのはボク自身だよ。こんな男らしくない奴、リンセ姫どころか誰も好きになってくれないよ」


「……そんなことないと思いますケド……」


「え?」


「…………あ、やべっ」


「イキシア? 今なんか」


「言ってないどぅえ~す」


「いつものキミらしくないことをボソッと」


「言ってないでぇす」


「でもその後『あ、やべっ』って」


「……言って、ないです」


「…………やっぱ言」


「言ってないって何度言わせるんですか鼻の穴に手ぇ突っ込んで何もせずそのままにしますよ」


「それただキミと醜いボクの間に気まずい時間が流れるだけ!!」


「いいから立派な男とやらを目指して頑張りますよ……UKY」


U(ウルトラ)K(ケシカス)Y(ヨーグルト)じゃないか!! ヒトを究極の空気読めない人間みたいに略すなぁっ!!」




お初にお目にかかりましたね、箒星 影です。

キャラのプロフィールはあらすじの所に書いてますのでお暇な時に。

感想ブクマ評価などいただけたら大喜び。

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