表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/16

六 子供は大人を振り回す

 翌日。女はリーダーに纏わりついていた。

「ねーねぇー、フィラ君に聞いたんだけどさー、あの子の名前リーダーが付けたんでしょ?私にも付けてー」

「お前にはれっきとした名があるだろう」

「いーじゃんかー」

「親に決めてもらった名前ぐらい大事にしろ」

「名前辞典から引いて来ただけらしいよ?私五女だもーん」

「……分かった。じゃあクレオメ……クオにする」

「やったーい!」

リーダーは溜息一つ吐くと台所へ向かった。

(男たらしと聞いていたが……少し分かるような気がするな……)


 朝食後、フィラが突如いなくなった。

「なんてこった!お前がベタベタ触るからじゃないのか?」

「えー、だって可愛いしー」

「こいつっ……」

「とりあえず探しましょう」

本棚の付近、トイレ、洗面台など思い当たる所を全て探したが、見つから無かった。

「どうす」

ドォォォンと、凄まじい轟音が鳴り響いた。全員は慌てて音の発生地点に向かった。

「ど、どうしたんだ!?」

そこには、立ち昇る煙の中静かにポロポロと涙を落としているフィラがいた。セイは慌てて駆け寄り、フィラと目線を合わせる為しゃがんだ。

「どっか痛いのか?それとも、何かあったのか?」

フィラはふるふると首を横に振るだけだった。

「あれ……?フィラの白耳が……ピンク……?」

「的が壊れています」

「あれ、フィラがやったのか?」

フィラはコクリと頷く。

「…………た」

「た?」

「たり……ない」

「?」

フィラは急に走り出し、中に入って行ってしまった。

「ああっ」

セイは必死で追いかける。

「セイ、変わったな?」

「どこがですか?」

「……お前に言ったのが間違いだったか」

「何故ですか?」

「まぁいい。だが、無理矢理連れて来たあの頃と比べれば流石にお前も分かるだろう」

「暴れなくなりました」

「……」

「?」

「ドラセナとはまた違う感じだしな」

「食べる量の話ですか?」

「……」

「?」

二人の会話は、こんな調子なのである。

「そんなんじゃ駄目じゃない、コナちゃん。もっと考えないと」

「そんな事を言われましても、私は感情や心の機微というものがよく分からないのです」

「大丈夫だ、慣れている」

「へぇ。仲は良さそうだけどねー」

「そうでしょうか?」

「コナちゃんはともかく、リーダーはどうなのよ?」

「別に普通に仲間なんだが?」

「まぁ、良いけどさ」

クオは中へ入って行った。

「でも」

リーダーはコナを見る。

「リーダーと一緒でない私を、想像できないのは確かです」

ちなみに、ドラセナはグースカ寝ていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ