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五 初めての任務はあっさりと

 翌日の朝食。相変わらず少食なフィラに、コナラは

「やっぱり、食べて下さい」

とパンを二個持って来た。フィラはチラリと一瞬見ただけだった。しかし、コナラはそれだけで終わらなかった。フィラの口にパンを突っ込んだ。フィラはそのままモグモグ食べる。

「なんだ、食べるんじゃんか」

セイはやれやれ、と言った様子であった。コナラは食べ終えたタイミングで二つ目を投入する。

「兎みてーな食い方するな」

「実際、兎です」

「そうだけどさ」

和やかな空気であったが、リーダーだけは真剣な顔をしていた。

「少し、集合してくれ」

コナラはフィラを持ち上げて食卓へ向かった。

「フィラ、戦う度胸はあるか?」

セイは何か言おうとしてやめた。フィラは静かに頷いた。リーダーは微笑む。

「コナ、連れて行け。詳細はこれに書いてある」

「えー、フィラずるいー」

「ドラセナにはまだ早い」

フィラの初任務が始まった。


 二人は目的地に到着した。 

「随分と変わった依頼ですね。『どうにかして欲しい奴がいる。止めてくれるだけで良い。そいつの特徴は「お呼びかしら?」

木の上から何者かが跳び降りて来た。コナラはフィラを守る様にして構える。

「今回は二人?随分と少ないのね。しかも男の人いないし」

「別に戦いに来た訳では無いのですが」

「私を止めたいんなら、負かしてみなよ」

コナラは今にも攻撃しそうだった。しかし、フィラが女に向かって歩いていった。

「馬鹿ですか?」

しかし、まだ進んで行く。

「随分と可愛らしい子。この子くれない?」

「無理です」

女はフィラを抱き締める。

(こんなつもりじゃなかったのに……)

フィラに脱出する力はなかった。

「そんなに欲しいなら、あなたごと貰います」

(は?)

「面白いこと言うわね。どんな所か見てから決めて良い?」

(ちょっと待ってよ……。急に知らない人連れてかないで……)

「分かりました」

(うー……)


 そして、のこのこと戻って来た三人は、リーダーに大層驚かれた。

「なんで、連れて来てんだ?」

「ひゃー!良いガタイしてるー!」

女は嬉しそうに跳ねる。

「フィラをあげる代わりに貰いました」

「……お前は時に滅茶苦茶だ」

「どういう意味ですか?」

「入る入る入る!絶対入る!」

「……まぁ、いいか……」

「やったー!」

(もっと静かな空間にいたい)

そうして、結局フィラのお陰で一滴の血も流さず解決する所か仲間にしてしまったのだった。その後、勉強していたセイとドラセナは当たり前の様にいた女に大層驚いたそうだ。


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