7.スキルの検証
家について一息ついて後、アイテムボックスと念じる。
アイテムボックス
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石(小) 76個
石(中) 24個
岩(大) 10個
岩(特大)24個
棍棒 16本
短剣 21本
ロングソード 15本
ゴブリンソード 1本
魔道書(回復) 1冊
魔石(小) 55個
魔石(中) 60個
魔石(大) 15個
魔道書(回復)を取り出す。
魔道書を開くと、ヒールとキュアの呪文が頭の中に浮かんでいく感覚があり、しっかりと記憶に焼き付けられていく。それを念じれば、しっかりと魔法が発動することが確信できる。魔道書は役目を終えたように消えていく。
ビールを煽りながら、これからのことを考える。
「どうするのかなぁ。誰か相談する人がいればいいんだけど。」
スマートフォンでダンジョン情報を検索するが、それはどれもリアルではない。なろう作者に聞いても結論はでなそうだし、見識者がいるはずもない。小説では、魔石は新しいクリーンエネルギーとして取り上げられるけど、分析できる機関があるのかな。石の分析機関はあるようだけど、まともな分析ができるかどうかは不明だ。さらに「未知の石」で検索すると怪しげな宗教団体のホームページが出てくる始末だ。
それからダンジョンができたこと、これの意味するところを考えるとこれから世界はどうなっていくのか?これは単なる予兆ととらえると、悲観的な見方をするならば、世界が終末に向かっていることも考えられる。今騒ぎ立てれば、単なる頭のおかしい人として一生終わりそうだ。取りあえず、今できることはこのステータスとスキルの検証をして来たるべき時に備えよう。
次の日の朝、空港に向かい北海道に飛ぶ。レンタカーを借り、紋別方面に向かう。立牛岳の麓付近で車を止めて、登山道ではない山道を歩いていく。登山道には人がちらほらと見られたが、ここまで来ると人気はない。手ごろな木があったので、その木に向かって拳をふるう。抵抗なく木の幹が削れ、こぶし大の穴があき、それに対して拳は何ともなかった。
「あれっ。やっちまった。」
環境破壊をする気はないので、蹴りの威力を確かめることはしなかったが、蹴ればおそらく木は折れてしまうだろう。一般的な人間のステータスと比較して、予想できたが、中々な威力だ。幹に「ヒール」と念じてみたが、植物には効かないようだ。
今度は索敵を使用して、辺りの気配を感じてみる。およそ300m登ったところに生物反応がある。人間と違うことが分かったので、そこに向けて全力疾走してみる。障害物をさけながら、それでも10秒くらいでその位置に到達した。やはり熊だったか。この辺りは、北海道でもヒグマの目撃例の多い地域だ。熊は警戒をしているものの威嚇をしてくる。
ウボォー!! ガオー!!
鑑定をして熊のステータスを確認する。案の定、俺のステータスの方が高かった。
ヘイトを獲得すべきこちらも熊に対して、威嚇するとすぐさま牙をむいて襲い掛かってくる。スローモーションのような動きで腕をふるう様子を見ながら、それをひらりと体をかわし避けてみる。空振りした後、再度体制を立て直し再度腕をふるう。
ガシッ!
今度はその腕を掴まえてみる。今度は反対の腕をふるう。こちらの腕も掴まえる。熊はびっくりしたのか一瞬ビクッとしたが、全身を使って暴れまわる。うるさいので、足を蹴り、足を折ってやる。そのまま倒して馬乗りにして乗る。やはり足をバタバタとしてうるさい。両腕を押し付けておとなしくさせる。ようやくおとなしくなったので、拘束を解いてやる。しかしまだ威嚇してくるため、ボディーブローを食らわしてやる。そのまま倒れて苦しそうにしている。内臓が損傷したのかもしれない。かわいそうなので、ヒールと念じると淡い光に包まれて効いているのがわかる。動けるようになったのだが、本能が敵わないと悟ったのだろう。くるりと背を向けて逃げていく。無駄な殺生をする必要はない。今度人に会った時は、襲わずに逃げるようになるかもしれない。
索敵を使って様子をうかがって見ると一目散に逃げていくのが分かる。約300mちょっと超えたところでで、その気配が消えた。
そのあと、投石とアイテムボックスについて検証した。
ステータスとスキルの検証の結果、以下のことが分かった。
1.ステータス
熊より強い
2.スキル
索敵(レベル2):半径約300m
ヒール(レベル1):骨折、内臓損傷程度の回復ができる。植物には効かない。
MPは一回当たり5消費する。
投石(レベル2):約100mの的に的中させることができる。威力については、
ステータスの補正もあるだろうが、ライフルの威力をよく知ら
ないが遜色ないものとなっている。
アイテムボックス:約30mの範囲内の任意の場所での出し入れが可能。ただし、
視認できることが条件。
今のところ、収納限界はないが、生物は収納できない。
物の一部だけの収納はできない。家は収納できないが、トレーラーハウスは
収納できる。土台があるものは、そのつながりを断たないと収納できない。
また生えている木や草は収納できないが、切れば収納できる。