表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

1.プロローグ

「地震だ。」

いきなり足がもつれるような感覚がして、立ち止まる。すると、目の前の電柱がぐらついて見える。

この地方では、地震が頻繁に起きるため珍しくはないが、かなり大きな地震だ。

震度5以上ありそうだ。近くに落下しそうなものがない広い場所がないか見渡すと、

「公園がある。」

小さな公園を見つけ移動した。辺りを眺め回したが、他に人はいないようだ。

そうしていると再度、地面が揺れ始めた。揺れが収まるのを待っているとさらに激しい揺れが起きて、

「あぁ。」

足元にぽっかり穴が開き、その穴に吸い込まれるように落下していった。

浮遊感の中、内心「終わったな。」と思いながら、意外と冷静な自分に新鮮な感じがした。

地面の穴から漏れる光がだんだん小さくなって辺りが暗闇に包まれる。

スローモーションのように遅く流れる時間の中で、その時を待っていると体に急に衝撃が走った。

そのまま意識を手放した。


『人類初のダンジョン入場者を確認、特典を付与。入場者の身体に多大なる損傷を確認、緊急処置として身体の再組成を実施』


「うっ、ここはどこだ。」そうつぶやくと、これまでの記憶が蘇ってきた。

「生きている。体に痛いところはなさそうだ。」手足を動かしながら、異常がないことを確認する。

「ここは穴の中なんだよな。」

スーツの内ポケットからスマートフォンを取り出す。

今は午後6時半、確か地震があったのは、3時過ぎだから3時間ほど経過している。

「あっ、日付が1日経っている。ということは、27時間経過しているのか。電波は当然届いていないよな。」

生きていると分かった途端、会社のことが気になりだした。

もれなく俺、青木大介はブラック会社の社畜であった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ