表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
231/300

231話「インドピース・如来王篇⑤ 反逆ァ!!」

 ドゴォォォンッ!!


 大地を揺るがす振動と共に、向こうが噴火のように爆煙を噴き上げている!?

 オレもヤマミもアクトもその方向へ振り向く!


 まずい! 誰かが四首領(ヨンドン)ダウートとおっぱじめた!


「アクト! 行くぞ!!」

「あァ……!」


 リョーコは「ちょっと何なん??」と事情分からず。

 するといつの間にか『維持神(ヴィシュヌ)』がいて《待て!》と呼び止めてきた。オレたちは戸惑いつつ振り向く。




 衝撃波で地盤が吹き飛び、烈風で破片が飛び交う!

 憤怒するダウートへ飛びかかるはサマァツ! すでに『万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)』状態ァ!!

 ド  ン!


「サマァツ!! 気は確かかァ!?」

「それはこっちのセリフだァ!!」


 激怒しているサマァツの体は灼熱で橙に輝いている!

 逆立った赤髪、肩、手首、腰、足首に火炎がまとわりつき、顔や胸板に赤い紋様が走る!

 周囲に白に近い灼熱の炎が踊っている!


「コンドリオンの存在なんて知らずに、俺はのんきに過ごした事になるじゃねーかよォ!! そんなん許せるワケねーだろァ!!」


 怒りを乗せた拳でダウートの頬を殴る!! ドン!

 しかし憤怒のダウートは歯軋りして堪えない!


「いかに恩義があるマスターといえども、自分の本当の息子を秘匿(ひとく)して傀儡(かいらい)にすべき育ててきたとあっては、私も冷静さを欠く!!」


 ウェールザは怒りを堪えきれず、顔に出ている!

 彼女もすでに『万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)』状態! ピンクの煙幕がクリーム状に濃度を増し恥部を覆っている!

 そして桃色に(つや)っぽい肌は更に反射光が煌くほどにツヤツヤに!

 更にただでさえ大きな胸がボインと膨らむ! ウェストがキュッと締まる! 尻がドンと増量!


「ウェールザァ!! 事情も知らず歯向かうんじゃねェぞァ!!」

「事情も何も、コンドリオンに対する人の道を外れた言動は流石に看破(かんぱ)できぬ!」


 ウェールザの周囲を回っていた全ての剣が「夢境嵐総劇(むきょうらんそうげき)!!」とダウートへ殺到!

 全身を斬り刻むように剣の乱舞が穿ち続けるァ!!


 ズガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!


 だが! だが!! それでもダウートは二の足をズンと踏みしめ、耐えた!!

 ベゴンと放射状の亀裂を広げ、荒れた大地が(くぼ)む!!


「コンドリオンは、俺の愛する妻を殺した悪鬼だァ!!!」


 睨み据えるコンドリオンを憤怒で見下ろし、恨みづらみを吐いたァ!!

 そこを横から白骨の巨人で包んだ『万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)』状態のブラァーザが巨大な腕を振るって、ダウートの頬を殴る!! ドッ!


「それが父として、許されざる暴言と分からないのかねェ!!」


 踏ん張る巨漢のダウートも地盤をガガガッと削りながら数メートル押し出される!

 逆に殴ってきた白骨の巨腕を掴み、片手だけで思いっきり上空へ投げ、そのまま地面へ叩きつけてドゴォン!!

 破片を爆ぜて深いクレーターに窪んだァ!!


「がァッ!!」

「黙れ!! 貴様なんぞに妻を奪われた気持ちが分かるかァッ!!」


 コンドリオンは『万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)』状態ァ!! ドン!

 前腕とスネが象の大きな足! 頭には王冠をかぶった象の頭をかぶりものに、顔面には紋様が走っている! 背中には象の大きな耳が翼のように広がっているァ!


「昔は内気で臆病で何も言えなかったァ!! だけど、今はインドの戦士としておまえを倒すッ!! 神象(シンゾォ)ァ“異次元”前足連拳(フォーフットラッシュ)ッ!!!」


 両腕の太い象の前足でマシンガン以上にバババババッて連射ァ!!

 無数の象前足が弾幕で迫るが、ダウートは真正面から強靭な体で弾く! しかし、今度は四方八方から象前足が殺到!!

 あちこちから全身を穿つように打撃の嵐を浴びせたァ!!


 ドドドドドドドドドドドドドドッッ!!

「ぬぐァ!?」


 ダウートも微かな痛みに呻きながら、必死に攻撃し続けるコンドリオンに目を疑う!

 これまで内気で臆病で、少し怒ってやれば萎縮して頭をペコペコ下げるだけの軟弱者! そして価値のねェグズ!

 それなのに!!


「僕はァ~~弟の想いを受け継いで、父さんに伝えるんだァ~~!!」

 ド ォ ン!!

「!!!!」


 昂ぶる想いを乗せたコンドリオンの叫び!

 こんな風に怒って大口を開けて歯向かうなど初めてだ! まるで別人だァ!


「これも『怪異の種(ヤクシャ・ビジ)』による人格変化かァ!?」

「兄としての僕の意志だァ~~! 神象(シンゾォ)ァ“異次元”双頭突き拳ダブルベッドバッドパンチッ!!!」


 両手を上下合わせてのォ象頭拳!! 時空間転移によるゼロ距離の超強力な一撃がダウートの腹にドゴォン!!

「ごボァ……ッ!!」

 微かに開いた口元から血をこぼす! ぐらりと体勢を崩す! 効いたァ!!


「さっすがコンドリオンだぜ~~!!」


 サマァツはガッツポーズする!

 ウェールザもブラァーザも頼もしいと笑む!


 ……しかしフシュールは神妙な顔で佇むのみ。


「僕は……どっちを信じればいいんだ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ