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229話「インドピース・如来王篇③ 土星人ァ!?」

 四首領(ヨンドン)ダウートの幹部である八武衆(アート・ディコイト)の一員だった義征弍無(ギセイニナ)フールニィ・ダマチハラは自分が土星人だと自白したァ────ッ!!?


「そして更に言えばドイツは土星人の国である事もな!」

 ド  ン!

「!????」


 オレさぁ、並行世界(パラレルワールド)渡ってる時にドイツに住んでた時期があったんだけどな。

 土星人なんて微塵にもなかったぞ。

 なんかインドピース冒頭で何故か暗黒大陸みてーな雰囲気あったんだけど、それ『空想(ファンタジー)』が拡大してきて歴史改変されたって事か?

 設定コロコロ変わってワケ分かんねぇよ!


「フッ、戸惑(とまど)っているようだな……」

「そりゃそうだぞ」


 ゴゴゴゴと鳴動して、巨大な偶像化(アイドラ)が蠢く。

 パッと見、五つの憤怒の顔を並べた仁王像。四本の腕と四本の足で背後に炎を象った輪の装飾。ドイツと一欠片(ひとかけら)も関係ない造形。むしろ日本の仏像っぽくね?


「なぁ、その『偶像化(アイドラ)』さ、ドイツに関係なくね?」

「そーよそーよ! せめて寄ったらどうなの! この日本かぶれー!」

「俺がドイツと言ったらドイツだ!! 文句言う奴はドイツだ!?」

 ド  ンッ!!

「!!!」


 オレとリョーコが突っ込むと、フールニィは血眼で強引に押し通してきたァ!!

 寒いギャグも添えてなァ!


「ヤツァ……両目見てみろ」


 アクトに言われ、仮面から覗く二つの眼を見てみる。すると土星を象る瞳になっていた。斜め上から見下ろした感じの土星みたいな感じで楕円形の輪が横切っているぞ。


「これぞ、ドイツ人特有の『填星眼(てんせいがん)』を進化させた『金輪際(こんりんざい)填星眼(てんせいがん)』だ!」

「万〇鏡写輪眼みてーに言われても……」


「で、どんな能力があるっていうのー?」


 リョーコに聞かれ、ギクッと竦むフールニィ。たらたら冷や汗。

 まさか……デザインだけ?


「まずは貴様らを掃除するとするか!」


 ドゴーン、と周囲を薙ぎ払って偶像化(アイドラ)が暴れだしたぞ!

 コイツうやむやにする気だ!

 更にボッとフォースを噴き上げて妖精王化して、星屑を散らして太陽の剣(サンライトセイバー)を形成し「行くぞ!!」と気合いを入れた!

 アクトも「あァ!」と刀を鞘から抜き、体を膨らませて万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)ァァァ!


「ちょっとー! あたし素手なんだけど!?」

「ヤマミのボディガードよろ!」

「頼むわァ」


 そう返して、オレとアクトはフールニィこと巨大な偶像化(アイドラ)へ飛びかかったァ!


 ガギギギ、ギィン、ギギッ、ギィン、ガギギン!!


 フールニィの偶像化(アイドラ)が四本の腕で振るう剣や槍と交錯し合って、地盤を爆ぜさせるほど激戦ァ!!

 周囲の地形がバリバリ削れるほど攻防の応酬は熾烈を極めていく!

 オレとアクトの入れ混じりするコンビネーションに偶像化(アイドラ)も押され気味!


「グッ! タツサダやラジュタを倒すだけの事はあるか……!」


 こちらの猛攻に苦い顔を浮かべる!


「ライズ────ッ!!」

「心剣流・地爆刃柱(じばくはばしら)ァ!!」


 オレの大地を爆ぜる勢いで斬り上げる剣閃と、アクトが刀を地面に突き立てて手前で生える巨大な気の刃による二撃で、フールニィの偶像化(アイドラ)を宙に浮かせたァ!

 アクトはすかさず刀を地面から引っこ抜きつつ振るうァ!!


「心剣流・羅刹剣(らせつるぎ)ァァ!!」


 ドン!!!


 天地を断ち割るほどの巨大な三日月の刃が巨大な偶像化(アイドラ)に直撃!!

 咄嗟にフールニィが偶像化(アイドラ)の得物で防ぐ! だがしかし、食らいついてくる三日月の斬撃は更に肥大化していくァ!!

 大地が大きく震え上がり、嵐が吹き荒れる!


「こ、こんなものッ!!」


 ガギギギギギギィィィ…………ッ!!


 アクトの繰り出した妙な斬撃に耐えている所に、オレが追撃と飛び上がっていたぞ!!

 フールニィは「!!」と見開く!


「スパーク(クロス)!!」


 オレの繰り出すスパークの斬撃と、アクトの斬撃が(クロス)字を描いて、破壊力倍増ァァァ!!!

 天を大きく裂くほどに肥大化して偶像化(アイドラ)さえ粉微塵に吹き飛ばす!!

 さしものフールニィは白目で「ああああああああああ!!!」と絶叫ァ!!


 ドオオオオオォォォォオンッ!!


 オレとアクトは雄々しく並んでドン!

 地上へ落ちてきたフールニィは白目で気絶しててドン!


「つっよ……!」

「かつてコンビを組んだだけあって、想像以上ね……」


 さしものリョーコもヤマミも汗を垂らしていたぞ。


 オレが剣士(セイバー)であってもアクトと一緒に戦い慣れてっから、コンビネーションに差し支えはなかった。

 いつもヤマミと一緒に戦う事が多かったけど鈍ってなくて良かったぞ。

 ……とはいえ、こうもカンタンに??


「見ろァ……」


 すると白目で気絶しているフールニィはボンと掻き消えた。


「って分霊(スクナビコナ)かよ!!」「みたいだなァ……」





 どこか別の場所で、クリシュナとフールニィが相変わらず睨み合ったままだ。


「やはり『分霊(スクナビコナ)』では勝てんか」

「言ったろう。ナッセとアクトが組むと滅法強いとな」


 フールニィは苛立ち紛れにチィと舌打ち。

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