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183話「六界篇⑲ 順調ァ!」

 ここは畜生道ァ!


 ただの馬である馬頭王(ばとうおう)は「止めてくれ~~~~!!」と泣き叫んでいた!


「……断る!」


 クールな青年クリシュナ(城路(ジョウジ)ギンジ)はアヌビスを思わせる黒い犬のような巨大な『偶像化(アイドラ)』を生み出し、それに合わせた大きさの黒い光輪から放射状の黒手が象られていく。

 この光輪は『自動反撃&自分の攻撃を起点とする部分を複製する』という『血脈の覚醒者(ブラッド・アウェイク)』の生態能力だ。


 クリシュナ自身が左右の手の人差し指と親指で輪を象ると、複数の黒手も同じポーズになっていく。

 その指で作った輪の間から光線が放たれた!

 幾重もの光線がビビビビッと降り注いで、漆黒の凱旋門のような『木星大境門ジュピタル・バラードワール』を爆破轟沈させたァ!!


 バゴゴォン!!

「!!!!」


 完全に粉砕されたのを見届けて、泣き崩れる馬頭王(ばとうおう)

 見ていたエレーシャは「これで地球から『畜生道』は消えますね」とご満悦。すると徐々に風景が歪んできた。


 ズズズズズズズズ……!


 畜生道が溶けた絵の具のように崩れていって、螺旋状に収縮していく。その際に馬頭王(ばとうおう)も一緒に吸い込まれて「ぐべばっ!」と消えた。

 そして取り残された他の地球人は元の人間姿に戻ると、上空で生まれた光へ上昇していった。

 ついに、地獄だった『畜生道』から解き放たれて成仏できたのだ。


「次へ行くぞ」

「ああ」


 クリシュナとエレーシャはゾウバスことカレーシャに乗り込んで、トントンッと虚空を歩いて別の世界へ向かっていった。





 次は餓鬼道ァ!


 なんと、あの千手王(せんじゅおう)とアクトが対峙していた!?

 ド  ンッ!! (強調擬音)

 既にアクトは万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)に変身していたァ!? シュボボボボ!

 千手王(せんじゅおう)は《攻撃など効かァ~ぬ!!》と待ち構える!


 餓鬼達が「また無敵のカウンター技アルァ~~!」「あのバカも潰れるアル~~!!」「見ろ! あのバカ攻撃するまんまアル!」と口々に喚いていた。



心剣流(しんけんりゅう)孔雀剣雷(クジャクけんらい)!!」


 アクトは刀を切り上げて、地面から凄まじい土砂を巻き上げたァ!

 その土煙によって視界を奪われた千手王(せんじゅおう)は「く……!」と焦る。煙から剣閃が飛んできて「!!!」と千手王(せんじゅおう)にドゴォンと炸裂!


千手(せんじゅ)()陰我応砲(いんがおうほう)!! 侵壊刺(おかえし)!!》


 手刀を振るって、同じ剣閃を放って土煙を吹き飛ばす。

 しかし前方にアクトはいないァ!?

《どこへ逃げたァ!?》

 上空からアクトは回転しながら青い電撃を纏って両足によるドロップキックを千手王(せんじゅおう)の頭に炸裂ァ!!


 ドゴォン!!

「!!!!」


 千手王(せんじゅおう)は白目で吐血し《意識が飛びそうだ……ッ!》と巨体を傾けていく。

 すかさずアクトはそのままもう一回転し、袈裟斬りを見舞い千手王(せんじゅおう)を斬り裂いたァ!!


 ズバァン!!

「!!!!!」


 ドアップのアクトの背後で、血飛沫を上げながら千手王(せんじゅおう)は白目で吐血。ゆっくりと倒れていく。

 それこそが『心剣流(しんけんりゅう)孔雀剣雷(クジャクけんらい)』の全貌だ。色々ややこしいけど固定コンボを決めていく剣技(?)なのだ。

 作者ですら「????」と理解するのに時間がかかった術理だぞ。メタァ!


 コンドリオンは感激に打ち震えていく。


「まず地面を斬り上げて土煙を起こし敵の視界を奪う→フェイントの剣閃を飛ばす→上空から電撃ドロップキックをかます→すぐさま斜めに斬り裂く技なのですね!!」

「あァ……!」


 餓鬼達は目玉を飛び出して驚きに満ちていたァ!


「なんで効いたアル~~~~!?」

「一撃目は返したのに、次から効いてたアル!?」

「バカな!! そんなのメチャクチャアルァ~~!!」

「夢でも見てんのかアル~~~~!?」


 うわああああーる!!


 アクトは「反撃した直後にインターバルが発生してて、次の攻撃を吸収できなかったようだなァ」と不敵に笑む。ニッ!

 餓鬼達はそんな男を恐ろしいと震え上がったぞ。



「これで最後だァ……!」


 上空へ刀を掲げて、漆黒の凱旋門を見据えている。

 コンドリオンは上空を見て「!!!!」とビックリしてしまう。

 な、な、なんと! 空に巨大な刃が形成されていたァ!? アクトが作り出していたのかァ!?

 ド  ンッ!! (強調擬音)


「終わりだァ~~!! 心剣流(しんけんりゅう)煉獄天剣(れんごくあまつるぎ)!!」


 アクトが剣で袈裟斬りで刃を振り下ろすと、天から巨大な刃が急下降ァ!!

 それは餓鬼道の『木星大境門ジュピタル・バラードワール』を木っ端微塵にド派手に粉砕したァ!!


 ドガガァン!!!

「!!!!!」


 四方八方へと破片が飛び散っていく。そして立ち込める煙幕。


 白目で戦闘不能になっている千手王(せんじゅおう)は、溶け出した餓鬼道もろとも木星へ吸い込まれて還っていった。

 転売屋などで悪い事してた餓鬼は地獄へ落ちろァ~~! (私怨で草ァ)


 アクトはコンドリオンを掴んでシュポーッと別の世界へ飛んでいったぞ。





 一方で人間道こと、通常の世界。

 インドの宮殿『カレー・マハル』を拠点にしていた四首領(ヨンドン)ダウートは顔に影で覆うほど不機嫌そうだった。汗が頬を伝う。


「……六道輪廻の内、三界がインドから消えただとァァア!?」


 部下たちは「!!!!」と目を丸くして驚き、ダウートの剣幕にビビっていく。

 完全に激怒しているのが丸分かりだァ~~!

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