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178話「六界篇⑭ 修羅道ァ!」

 人間道にんげんどう六道石(りくドォせき)をダウートが!

 地獄道じごくどう六道石(りくドォせき)をソロモォーン王が!

 修羅道しゅらどう六道石(りくドォせき)をアクトが!

 天道てんどう六道石(りくドォせき)をナッセとヤマミが!

 畜生道ちくしょうどう六道石(りくドォせき)をリョーコとカレンが!

 餓鬼道がきどう六道石(りくドォせき)をリゥテムが!


 ついに『六道石(りくドォせき)』が揃おうとしている!?



「この気配……! 来るかァ!!」


 (ジャーン)をしていたインドの四首領(ヨンドン)ダウートはニヤリと笑んでいく!

 彼の手には人間道にんげんどうと、ソロモォーンから奪った地獄道じごくどう六道石(りくドォせき)で二つ!

 如意棒を立てて、立ち上がっていく! ドン!


「後は彼奴等(きゃつら)から回収するまでァ!!」


 この通常世界こと、人間道にんげんどうへナッセたちが戻ってくるのを悠然と待つだけ。




 そして今回は修羅道ァ……! (もはや蛇足な気が……w)


 あちこち壊れかけの屋敷で火炎が所々燃え盛っている。まるで戦国時代の戦乱真っ只中のようだ。

 上空を混濁した曇りで揺らめいている。

 ど  んっ!! (強調擬音)


「「うおわあああああああああああああっ!!」」


 そこでは亡者たちが憎しみに駆られながら争い合っていたぞ。

 それは赤鬼の風貌だったり、骸骨の武者だったり、全身鎧の武者だったり、新選組っぽい維新志士だったりする。

 我を忘れたかのように殺気まみれでただただ傷つけ合うのみ。


 そこでは城路(ジョウジ)本家であるタツロウとアッキーが背を合わせていたぞ。

 何が起きたのかも、ここがどこなのかも彼らは分からない。


「ここは一体どこなんだっ!?」

「タツアキよ! 焦るでない! まずはこの亡者どもを退けねばな!」


「「かかれぇ────!!」」


 なんと戦国武将が一斉に周囲から飛びかかってくる!

 しかし軋むような練られたエーテルを噴き出したタツロウは刀を振るいながらきりもみ回転を始めたぞ!

 すると螺旋状に渦巻くエーテル気流が龍を象っていく!


辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅう!! 龍蜷局(りゅうとぐろ)!!」


 周囲を高速回転するエーテルの龍が、周囲の戦国武将を一斉に弾いてしまう!!


「「「うわあああああああああああああ!!!」」」


 その凄まじい威力たるや、武将たちは散り散りに吹き飛ばされた!

 そして遠くへ落ちていく。ドササササッ!

 アッキーは呆然。


 険しい表情のタツロウはギンと、未だ控えている武者たちを睨み据える。


城路(ジョウジ)本家は富山県にて最強……! 覚えておけ!」

「えっ!? そんな設定初めて聞いたけど?」


 聞いていなかったのかアッキーは驚くが、タツロウは「頼むから突っ込まんといて……」と思うところがあるようだぞ。

 まぁ、正直ネタですもん。メタァ!


「今の技は?」

「……今のは辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅうで繰り出す対全方位完全防御技『龍蜷局(りゅうとぐろ)』!」

「り、龍蜷局(りゅうとぐろ)……?」

「さよう、己の『察知(サーチ)』で全方位を感知して、エーテルの龍を螺旋状に振る事で一切の攻撃を弾いてしまう術理だ。心せよ」


「それって要するにナ○トの八卦掌○天では……!?」

「それを言うでないっ!!」


 アッキーの余計なツッコミに、タツロウは首を振ってキコエナーイした。


「完全に後付けですよね? こんなの聞いた事なかったし」メタァ!

「一言多いが、まぁその通りだ。ちょっとメンタルに効くから止めてくれ」



 ザッと誰かが足を踏み鳴らす。(よくある演出)


「ほう! まさかここで城路(ジョウジ)本家に会えるとはな!」


 タツロウが「何奴!?」と振り向いたら、次第に動揺して見開いていく。

 アッキーは「なんなんだお前はッ!?」と吠える。


「……修羅道で鍛えていたが、思わぬ収穫となったな」

「答えろよ!」

「フッ! いいだろう……」


 アッキーが昂ぶるのにも意を介さず、鼻で笑う。

 その男! 中肉中背ながらもスマートに鍛えられた体格! なぜかタンクトップにタイツと修羅道では浮いたカッコウだけど!


「かつて本家の身内だった城路(ジョウジ)タツサダだ! 長男タツゲンの弟にあたる」

 ド ンッ! (登場擬音)

「!!!!」


 タツロウはワナワナ震えだしていく。


「や、やはり! 叔父様ですか! し、しかし……若いままとは……?」

「随分老いたな。お前の小さい頃はよく覚えているぞ」

「えええっ!? 親戚だった────!?」


 タツサダに見やられて、アッキーはビクッと怯む。


「息子か?」

「あ、はい……。次男のタツアキです。長男のヒコタツは日本にいます」

「ほう」


 アッキーは怪訝にタツサダを指差す。


「一体どうなってんですか?? もし叔父だというのなら、もう生きていないはずでしょう!?」

「そうなんだがな……。父上は老衰で亡くなられておる」


「兄者……そうか逝ったか。惜しい人を亡くした」


 タツサダは悲しげに空を見上げる。


「良ければ話を聞かせてくれませぬか?」

「いいだろう。兄者には世話になった事だしな。命の恩人でもある」

「……!?」


 事情が分からないタツロウとアッキーに、タツサダは両腕を左右に広げて歓迎を表した。

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