170話「六界篇⑥ 神をボコるァ!」
リョーコとカレンの動物化が進む最中、クマ、ティラノサウルス、クジラの力を借りて上空の大渦までやってきた。
しかし馬頭王が逆さまで顔を見せてきた。
名前の通り罵倒してきたので、リョーコとカレンは怒り任せに攻撃を仕掛けたァ!
両目にドゴォンと炸裂ァ!!
馬頭王は「ぐあああああああああ!! 目が、目が~~!!」と前足で両目を覆って苦しみ悶える。
リョーコとカレンはなぜか空中を蹴り続けて、飛び跳ねる事で滞空だァ。
……もう某海賊漫画のアレじゃん!(笑)
「もう一丁~!」
「もういっぺんだーァ!!」
再び襲いかかるリョーコとカレンに、馬頭王は怒りに満ちていく!
「よくも、この神に暴力をふるったなァ~~!! 舌破ァ!!」
なんと巨大な馬は口から舌を超高速で伸ばし、カレンにドゴォン!!
「!!!!」
まるで戦艦の主砲が如しの威力だァ!
しかしカレンは滞空中ながら踏ん張っていた。かなり頑丈だ。だが馬頭王はニヤリと笑う。
リョーコは「危ない!」と叫ぶ。
不敵に笑いつつ、馬頭王はシュシュシュと高速で舌を出し入れ。
「舌破・束威馬刺裏!!」と高速連射してきたぞ!
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッ!!
モロに猛連打を浴びたカレンは「!!!!」と吹っ飛んで、森林へ叩きつけられて飛沫や破片を噴き上げた。
クマ、ティラノサウルス、クジラは「やられたァ~~」大合唱。
「はっははははー! ザマァ見やがれッ!! 次は斧女、テメーだァ!!」
超高速の舌の刺突がリョーコを襲う!
「舌破ァ!!」
「クラッシュバスター!!」
リョーコの渾身で振るった斧と舌がドゴォンと激突!!
「!!!!」
その凄まじい衝突が、周囲に衝撃波を撒き散らし、森林がバサバサ揺さぶられた。
クマ、ティラノサウルス、クジラは腕で烈風を堪える。
「ぎゃあああああああ~~~~!! 我の舌がァ~~!!」
なんと馬頭王は目を飛び出させて、割れた舌をシグザグにして絶叫だァ!
すると森林の方から凄まじいエーテルの柱が噴き上げられて、震撼!
なんとパワーを増して大女になったカレンが飛び出してきたぞ!!
「リョーコ!! 一斉に攻撃だーァ!!」
「うん!!」
斧とハンマーが振り上げられる!
「このやろォ~~!! よくもやったなァ~~!!」
怒り狂った馬頭王は鼻息をフンフンして、真っ赤っか。
激高のままに「舌破・束威馬刺裏!!」と舌で連射するが、割れている為にヒョロヒョロ軌道を逸れるだけだ。
「しまったァ~~!! 我の舌、割れていたんだったァ~~!!」
リョーコとカレンは再び馬頭王の両目にドゴォン!!
「!!!!」
クマ、ティラノサウルス、クジラは同じ驚きのリアクションを繰り返す。
「またやっちまったァ~~!!」
「あの二人! 怖くねェのかよ!?」
「どうなっちまうんだァ!?」
うわあああああああああ!!(絶叫擬音)
しかも執拗に両目をドゴォン連打! ドゴォン! ドゴォン! ドゴォン!!
さすがの馬頭王も「目がァ~~目がァ~~!」と悶えた!
「おのれェェェ~~~~ッ!!!」
怒り狂った馬頭王は両前足を出して応戦しようとする。
すると足を滑らしたかのように、大渦から逆さまのまま地上へ落下してしまう。
「しまったァ~~!! 後ろ脚、滑らしちまったァ~~!!」
しかし宙返りして後ろ足で着地しドズゥンと大地を揺らす。
馬頭王の全貌があらわになったぞ。頭が馬だが、人間のような体格をしていて、前脚が四本、肌は白い。
普通の馬とは、ほぼかけ離れた容姿だ。
滞空しているリョーコとカレンは、その馬離れした化け物に呆気に取られる。
「こ、こうなったら、キサマらを~~~~!! ぶっ潰す!!」
なんと屈んだと思ったら六本の脚でシャカシャカ高速掻きを始めたァ!
土砂の飛沫を噴き上げて木々をほじくり返して吹き飛ばしていく。
「轟流因迫斗!!!」
途端に超巨体でドキュンと突進してきたァ!!
一直線に大地を森林を裂きながら襲いかかって、リョーコとカレンを跳ね飛ばして「!!!」と血飛沫が舞った!
そのまま馬頭王は向こうの大きな山に体当りして木っ端微塵に砕く。
「ぐあっ!」「くぅ……!」
リョーコとカレンは宙返りして、なんとか地上へ受身を取ったぞ。血が額から流れる。
クルリと向きを変えた馬頭王はニターリと笑む。
「今度はァ~! 雄威弧未・轟流因迫斗ァ!!!」
また六本の脚をシャカシャカ高速で動かし始めるが、今度はなんと身長を縮めるかのようにギリギリとバネを溜めていく。
そしてリョーコとカレンへ超高速でダッシュ!
さっきの数倍の超高速で迫るが、カレンが巨体の大の字で立ちはだかる!
「バカめぇ!! そのままひき肉にしてやらァ~~!!」
リョーコは「カレン!?」と驚く。
しかしカレンは「そこで待ってなーァ!」笑む。
そのまま馬頭王の全身のバネと脚力を活かした超重量頭突きを、カレンはまともに喰らった!?
ドガガァン!!
「!!!!」
大爆発のような衝撃波が荒れ狂って、周囲の森林を根こそぎ吹き飛ばしていく!
凄まじい烈風にクマ、ティラノサウルス、クジラは「うわああ~~!!」と悲鳴の大合唱!
シュウウ、と煙幕が立ち込める。
リョーコは戦々恐々と成り行きを見守る。
なんと馬頭王がカレンに頭突きしたまま止まっていた。
クマ、ティラノサウルス、クジラは目玉を飛び出させてビックリ仰天!
「あの超大技を止めやがったァ~~~~!?」
「しかも巨人になってる!? さすがラーテルガウ!! ラ、ラーテル?」
「正真正銘のバケモンだァ~~!!」
さしもの馬頭王も「え? 嘘やん……!?」と鼻水を垂らして驚く。
カレンは血まみれながらもニッと笑う。
「ハッハーァ!! ダメージを受ければ受けるほどパワーアップだーァ!!」
体格と筋肉と共に、凄まじいエーテルが爆発的に吹き上げられ、大地を揺らしていく!
これまで受けてきたダメージ量で、カレンの体は筋肉隆々の巨人のようにデカくなっていて既に威力値40万級に達していたァ!
リョーコはその恐ろしさに青ざめる。
「いつも思うけど『血脈の覚醒者』強すぎ……」
恐ろしい笑みを浮かべたカレンは、ハンマーを構えて大地を蹴って大爆発!
暴威のままに縦横無尽に飛び回ってハンマーをメチャクチャに振り回し、馬頭王を完膚なきまで叩きまくって、宙に踊らせたァ!
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!
「ボコまくりハンマーァ!!」
「!!!!」
猛連打を受けて、血まみれで宙を舞う馬頭王は白目で「ゲボォ!!」と吐血!
大地に沈んでいく馬頭王を背景に、大女カレンは仁王立ちでドン!
「す、すげぇ……!」
リョーコ、クマ、ティラノサウルス、クジラはポカンとする。
さすが全国レベルの創作士。
マジンガも強敵認定するほどの実力者だと思い知らされる。
「……よくナッセ勝てたわね」
リョーコはブルッと身震い。