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神秘のエルデ  作者: 寝起き
6/9

最後の修行

その日ノイドとアイトは早朝から2人の師匠に呼び出された。


「何だよ師匠たち!未だ修行の時間じゃねえだろ!全然夜じゃん。眠い」

「アンタら2人が揃って話って珍しいな。こういう変な事をする時は大抵ろくな事じゃ無いですよね。言うなら早くしてほうしいんですけど」


確かにグラントとダラムは基本酒が入っていないと仲が悪いので一緒にいる事は珍しい。

グラントの方が最初に口を開いた。


「お前ら、一先ずコレを見ろ」


グラントは森の大木を指差した。

その根本には何やら黒い塊が横たわっている。


「何だこれ?すげえ臭いんだけど…何かの死骸ですか?」


アイトは鼻を手で押さえながらその黒い物体を観察した。

そう、この黒い物体は確かに魔物の死骸だった。

しかしグチャグチャになり過ぎて種類まではわからない。


「この死骸はヤマノカミじゃよ」


ダラムがこの日初めて口を開いた。

何故か楽しそうだ。


「はぁ…ヤマノカミって事は、共食いですか」


ノイドはダラムの楽しげな様子に不安感が一層強まった。

恐らく共食いだろう。

ヤマノカミは初日に2人が襲われた因縁の相手だ。

この森の生態系の頂点に立っており、倒す事が出来る魔物は此処には存在しない筈だ。

よって共食いと見るのが妥当だろう。


「ほっ、ほっ、ほぉ、ノイドよ修行を通じ自然界における観察眼も鍛えられた様じゃのう。しかしハズレじゃ、コイツは別の魔物に捕食されておる」


捕食された?それはあり得ない。

この森にヤマノカミを捕食出来る種など存在しない。


「捕食されたと見るのは少し無理があるのでは?」

「お主の主張の方が無理が有るであろう?ヤマノカミ同士の殺し合いでは此処まで死骸がグチャグチャにはならん。明らかに実力の差が有る相手に殺されておる」


確かに言われてみればそうだ。

この死骸の損傷具合は明らかに普通ではない。

死骸もバラバラになっており辺りに飛び散っていた。


「じゃあ、一体何が…」


ノイドがそう言った瞬間やっと日が昇り初めた。

森の中に光が入り込んてくる。

すると光に照らされて周囲の様子が明らかになる。

周囲の大木には倒れている物がいくつかあり、それ以外の木にも巨大な爪痕が走っていた。

そして此処から少し離れた場所にも黒い塊が、ヤマノカミの死骸が有った。

グラントが2人の前に出て森に響き渡る様な大声で言った。


「良いかガキ共!今回の修行が俺達からの修行の総決算だ!この森ではこの数日で10頭のヤマノカミが殺されている。お前達は力を合わせてこの異変を起こしている原因を突き止め討伐してもらう。恐らく今までの修行の中で最も危険な物になるだろう。加えて俺達は仮にお前達が死にかけようとも助ける事は決して無い!お前達だけの力でこの試練を突破して力を証明して見せろ!!」


こうして最後で最大の修行が始まった。

ノイドとアイト共に森に入っての修行をこなしてきたので森の中での移動はお手の物である。

問題はこの巨大な『夜泣きの森』から1匹の標的をどの様にして発見するかという事だった。

しかし、それは要らぬ心配であった。

爪痕や切り倒された木、魔物の死骸などの痕跡が残されており、追跡するのは簡単であった。


「なあアイト、この異変の原因って何だと思う?とんでもなく巨大なヤマノカミかな?」

「いや、その可能性は低い。ヤマノカミはあの見た目だが殆ど共喰いはしない。恐らく別の魔物だ」

「ならこの森にヤマノカミを10頭以上殺せるヤツがいんのかよ」

「そんな魔物は生息していないはず…だが何かが起きているのは確かだ。アイト、お前は何か気付いた事あるか?」

「う〜ん…」


アイトは目を瞑り耳を澄ました。


「あッ、日中なのにサーベルウルフの鳴き声が多いな」


サーベルウルフとは群で行動する魔物で、体長は1.6m程。

強い魔物を避ける為夜中に行動し、小型の魔物や他の魔物の食べ残しを食べる。

しかし、今は日中にも関わらずその遠吠えを何度も聞いている。

ヤマノカミ等の強力な魔物が減ったからとも考えられるが、それにしては回数が多い気がする。


「おいアイト、これ分かるか?」


ノイドが木がへし折られて出来た獣道を指差した。

そこには未だ新しいサーベルウルフの糞が落ちていた。


「ああ、さっきから結構落ちてるよな。でも、あの臆病でずる賢いサーベルウルフがこんな明らかにやばい物が通った場所に糞なんてするかな…」

「考えられないな…」


暫く痕跡を追うと魔物の死骸や、糞が新しくなってきた。

異変の原因に近づいている証拠だ。


「やっぱり変だな…」

「何がだアイト?」

「匂いを嗅いでもやっぱりサーベルウルフの匂いしかししない。糞もサーベルウルフの物ばかりだ。これだけ近づいて匂いがしないってあり得ない筈なんだけどな…」

「なら答えは一つだろ。この異変の正体はサーベルウルフって事だろ」

「は!?いやあのサーベルウルフがヤマノカミを10頭以上も倒せる筈ないだろ」

「だけどそれしか説明のしようが無いだろ」

「そうだけど…」

「それよりコレ…ヤマノカミの群生地まで続いてないか?」

「うん、しかもサーベルウルフの痕跡も同じ道を辿ってる。おいポタリ!此処の下位精霊から情報を集めれないか」


するとポタリがアイトの背中からニョキッと顔を出した。

どうやら強い縁を結んだ相手には魂の中に入り込む事が出来る様で最近はもっぱらアイトの中で生活している。

中々居心地は良いらしい。

森の中等は生命力に溢れており多くの下位精霊が存在しているらしい。

ポタリはその下位精霊から情報を引き出す事が出来るのだ。


『う〜ん、やってはみとるんやけど…此処の下位精霊が何故かパニック起こしてて意思疎通は出来んな。何かどでかい魔力の塊でも通ったみたいや』


ポタリはポタリで調べてくれていたようだ。

下位精霊もアテにならないか…

相手の情報が掴めず奥歯を噛んだその時、複数の魔物の死骸が目に入った。


「おい、これ…」

「ああ、間違い無い。サーベルウルフの死骸だ」


其処には5匹のサーベルウルフの死骸が転がっていた。

どれも損傷が激しく、バラバラになっているモノや首が間違った方向に曲がっているモノもいた。

しかしその少し奥にも奇妙なモノがあった。

ヤマノカミの肉片である。


「何だよコレ…」

「此処はもうヤマノカミの群生地だ。恐らく侵入したサーベルウルフの群とヤマノカミが争ってこうなったんだろ」

「じゃあ相打ちになってサーベルウルフの群も全滅したって事か?」

「いや、サーベルウルフは未だ大量に残っている筈だ。ヤマノカミの死骸は喰い散らかされた跡がある。このヤマノカミを食い荒らした大量のサーベルウルフが未だいる筈だ」


その時前方から聴き覚えの有る遠吠えが響いた。

ヤマノカミの遠吠えだ。


「おい急ぐぞ!何が起きているのか見届けるんだ!」


2人は歩を速めた。

そして道の途中で異常なモノを見る事になった。

獣道には大量のサーベルウルフの死骸とヤマノカミの死骸が有った。

喰い荒らされた痕跡があるのはヤマノカミだけ。

そして次第に血の匂いも強くなり、死骸も新しくなってくる。

そして遂にこの異変の正体を掴んだ。

其処はヤマノカミの群生地の殆ど中心。

倒れ伏すヤマノカミの死骸に馬乗りになり肉を貪る魔物を発見した。

ブチッチッ、ガッ、ガキッ、グチャッグチャッ。

肉を骨ごと食いちぎる背筋の凍る音が響く。

ヤマノカミより一回り大きい。

こんな魔物見た事も聞いた事も無い。

すると魔物は突然鼻を空に向けてヒクヒクした。

ようやく此方に気付いたようで、此方をゆっくりと振り向いた。

その姿は異常だった。

見た目はサーベルウルフに似ている。

しかしサイズが桁違いで、毛が全て逆立っている。

片目が潰れており、全身傷だらけで出血をしている。

そして残ったもう片方の金色の目で真っ直ぐ此方を見つめている。

獲物を見る目だ。

魔物は此方に身体を向ける。

ハッ、ハッ、ハッ、と荒い息を上げながら此方を凝視している。

そして突然右前足を振り上げた。


「攻撃が来るぞッ!俺の後ろに入れ!!」


魔物はその腕を振り下ろす。

距離は未だかなり離れていた。

しかし重い衝撃がアイトを襲う。

右前足を振り下ろした瞬間に風の刃が生成されたのだ。

衝撃でアイトが吹き飛ばされる。


『ブラスト』


ノイドが即座に魔法陣を構築し応戦。

火柱と爆風が発生し、此方にまで伝わってくる。


「おいノイド!何だよあれ!」

「思い出した。アレは『通り名持ち』だ!」


通り名持ちとは、世界から祝福を受け異常な進化をした魔物だ。

コレはかなり稀な現象であり、普通出会う事は無い。

だがコレならヤマノカミを大量に捕食出来た事も納得できる。


「じゃあコイツは何の通り名持ちだ!」

「見りゃ何と無くわかるだろ!サーベルウルフの通り名持ちだ!!」


煙が薄まりサーベルウルフが姿を表す。

驚いた事に傷一つ付いていない。


「おい!無傷じゃねえか!どうなってんだ!!」

「何かに守られていやがる!おいポタリ!!お前何かわからねえのか!!」

『アイツ恐らく暴風の鎧を纏っとる!!アイツの周りに青いオーラが纏わりついとるやろ!アレを突破出来る技やないと致命傷にはならんぞ!!しかもアイツ攻撃にも応用しとる!こりゃあ厄介やで!!』


確かに青色のオーラを纏っていた。

アレが恐らく『ブラスト』を無効化した正体だ。

通常のサーベルウルフには無い能力。

恐らくコイツが受けた通り名に影響されているのだろう。


「アイトォ!!こうなったら俺も隠し球を使う!少し時間を稼いでくれ!!だが確実にあのオーラを突破してみせる!!」

「どれ位だ?」

「1分有れば充分」

『来るで!!』


サーベルウルフが突進して来る。

ノイドとアイトは左右に分かれて回避する。


「ポタリ!こっちに注意を引きつけろ』

『了解!!すぅぅぅ…ガアァァァァ!!』


ポタリは腹が膨れる程思いっ切り空気を吸い込み耳がキーンとする程の大声を発した。

サーベルウルフが此方を向く。

どうやらノイドから注意を晒す事には成功したようだ。

アイトがサーベルウルフに接近する。

するとサーベルウルフが上半身を上げてのし掛かりを仕掛けてきた。

アイトが済んでの所で横に跳び回避する。

そして無防備になった横腹に斬り込んだ。


『鬼刃十文字』


しかしサーベルウルフに剣が近づくと途轍も無い風圧で威力が消される。

傷を付ける事には成功したが大した深手にはなっていない。

サーベルウルフが左前足でアイトを薙ぎ払う。

アーツの使用で身体能力の落ちているアイトはまともに攻撃を受ける。


「ガハアァッ…ハアッ…グフッ…」


気管から血が昇って来る。

暴風の鎧によって攻撃力防御力共に強化されているようだ。

頭がクラクラする…


『おいアイト坊!!何ボサッとしとんねん!!次の攻撃が来るで!!』


サーベルウルフが再び右前足を振り風の刃を放つ。

アイトは慌てて近くの大木の後ろに飛び込む。

風の刃が直撃し後ろにまでズゥンという衝撃が伝わる。

このまま木の後ろに隠れてやり過ごしたい。

しかしノイドにヤツの注意を向けらる訳にはいかない。

アイトは木の後ろから飛び出てサーベルウルフに投石する。


「アイトッ!!未だかッ!!」

「もう8割完成している!あと少し時間を稼げッ!!」


アイトは跳躍して突っ込んで来たサーベルウルフを地面を転がりながら回避する。

サーベルウルフが着地した瞬間衝撃波が迸りアイトを襲う。


「クソッ!時間が無い…アイツもうそんなにもたねえぞッ…」


ノイドは『ブラスト』を上回るオリジナル魔法を構築していた。

使用する魔法陣は4つ、消費MPは72、『ブラスト』を一発打ってしまったのでコレを外すと完全に詰む。

魔法陣の構築が完了する。


「アイトッ!!待たせたな!準備完了だ!」


アイトは吹き飛ばされながら返事をする。


「なら早くコイツにぶっ放してくれ!」

「そうしたいのは山々だが動きが速すぎて狙いが定まらない!どうにかしてソイツの動きを一瞬だけ止めてくれ!!」

「はあッ!?」


アイトは頭をフル回転させる。

どうやって動きを一瞬止める…

直ぐに考え付くのは罠を張ること。

だが当然罠を張っている余裕なんて有る筈が無い。

残る方法は唯一つ、アイトのその身体一つでサーベルウルフの攻撃を至近距離で受け止めるしか無い。

だが遠距離の風刃ですら受け止めきれていないのが現実だ。

しかしやらざるおえない。

このままではいずれスタミナも尽き、立て直しが不可能になる。

アイトはサーベルウルフの前に躍り出て盾を構えた。

サーベルウルフが屈み脚に力を貯めているのが分かる。

この距離ですら風圧を感じる。

サーベルウルフがその力を解放し嵐の塊となってアイトに猛進してきた。

『死』その言葉が脳裏を過ぎる。

しかしその言葉を押し殺し歯を食い縛り逆にアイトの側から前進し衝突した。

潰れる…

一瞬で今まで感じた事の無い衝撃が襲った。

とんでもない衝突音で一瞬耳が聞こえ無くなる。

身体中の骨が折れて激痛が走る。

ブチブチッという筋繊維の千切れる音がする。

しかしアイトは踏み止まった。

未だに潰れそうな圧力が掛かり続けているがアイトは一歩一歩も引かず受け止めたのだ。


「ハッ!流石だぜ…相棒」


ノイドは魔法陣の力を解き放ち手の平に魔力を込める。

暴風の鎧を突破するには暴風を物とももしない貫通力と確実に仕留められる爆発力が必要だ。

ノイドが構築した魔法陣の法則は『炎魔力変化』『爆発』『魔力圧縮』『高速回転』コレによりサーベルウルフの暴風の鎧を貫通し体内から焼き尽くす必殺の弾丸が完成する。


『レッドバレット』


4つの魔法陣は狂い無く純粋な魔力に法則を与えていく。

そして放たれた紅の弾丸は暴風の鎧を貫通し、サーベルウルフの体内にて炸裂する。


「ギュオォォォォォンッ!!」


体内に侵入した『レッドバレット』によりサーベルウルフは内臓を全て爆散させられ、白目を剥いてゆっくりと倒れた。

それを見届けアイトは剣を地面に刺しもたれ掛かった。


「ハァッ…ハァッ…流石に死ぬかと思った…ノイドとっとと戻ろうぜ…流石に疲れた…」


アイトは疲れた以前に正真正銘の大怪我をしているのだ。

直ぐに手当てを受けなくてはならない。

「そうだな。コレで俺達も一人前だ。きっと師匠達もコイツの姿を見たら見たら目ん玉ひん剥いて驚くッ…………!?アイト後ろッ!」


アイトは突然横殴りの衝撃を受けて数メートル吹き飛ばされた。

ヤマノカミがアイトに体当たりしたのである。

ヤマノカミは胸部にポッカリと穴が空いており、未だに火が燻っている。

確実に致命傷の筈だ。

しかしこの白狼の王は立っている。


「クッ、化け物め……」


心臓が吹き飛ばされている。

暴風の鎧もかなり弱まり微風になっている。

それでも2人を道連れにする為最後の力を振り絞って向かって来る。



『アイト坊!流石にヤバイで!!お前さん全身骨折と肉離れで立っとるんで精一杯やないか!!』

「何言ってんだ…此処からが本番だろ…大怪我してんのはアイツも同じだ…此処で勝たねえと修行の意味がねえだろうが!俺の全てをぶつけてアイツに引導を渡してやるッ!!」


アイトも残りの力を振り絞り突撃する。

互いに次の一撃で決めるつもりだ。

サーベルウルフが生涯最後の戦いの武器に選んだのは今まで幾多の獲物達の喉笛を断ち切り、獲物の血肉で研ぎ澄まされた牙であった。


「グオオオオオッ!!」


アイトはサーベルウルフと真正面でぶつかる事を選んだ。

そしてサーベルウルフの猛牙が迫る。

コレを正面から打ち砕いてこそ本当の勝利と言える。

アイトとサーベルウルフが衝突する。

アイトはサーベルウルフの巨大な口の中に渾身の力で突きを放つ。

牙と剣が交錯する。

アイトの剣が上顎を貫く。

サーベルウルフの猛牙がアイトの右腕に突き刺さる。

互いの全てを出し切った攻撃。

先に動かなくなったのはサーベルウルフだった。

アイトの右腕を噛みちぎる前に絶命してしまったのだ。

アイトは静かに剣を抜く。

その瞬間サーベルウルフの身体がドサリッと倒れた。

アイトは未だ血走ったまま開いている両眼を閉じさせてやった。


「強かったよ…」


アイトはそう一言放ち意識が暗闇に落ちた。



「アイトッ!!」


ノイドが慌てて駆け寄る。

息も有るので死んではいない様だ。

右腕も傷は深く跡が残りそうだが切り落とす程ではなさそうだ。


「フウッ…良かった…」


近くでポタリも倒れている。

どうやらアイトに力を持っていかれた様だ。


「…見てるんだろ」

「ふん、流石にもう気付くか」

「ほほ〜う、通り名持ちとはな…中々珍しい」

「アイト血まみれだ。早く運ばないと」


森の中からグラント、ダラム、ピリルが出てきた。

ピリルは初めてだが、師匠達は今回も影で見ていた様だ。


「ノイド!アイトを担いで帰るぞ!!血の匂いに釣られて魔物が寄って来てやがる」

「ああ、分かった」


ノイドはアイトを背負うとグラントはアイトを背負っているノイドの事などお構い無しという感じで歩き出した。


「此処を覚えているか」

「え?来た事あったかな…」

「今から丁度3ヶ月前になる」

「…そうか!!俺たちがアンタに助けて貰った場所だ!!」

「あぁ…あの時はヤマノカミ1匹に2人揃って殺され掛けてたガキ共が今や『通り名持ち』の魔物を討ち取ってやがる。大したもんだ。だが、お前達一人一人は未だ半人前だ。お前達は2人で1人。互いの弱点を補いあっている。アイトは勇敢だが無鉄砲だ。お前は聡明だが心に恐怖がある。良いな、1人の強さを求めるな。仲間と共に有る強さを求めろ」


ノイドは黙って頷いた。

サーベルウルフの討伐によって森の異変は止み、見事最後の修行を終えたのだった。











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