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己の信念は

ちょっと女の子の話続けすぎたから男の子の話も入れたい(男女率平等派)

「さぁ!ここが私のカンパニーだ!」

さっき見た建物がデン!と目の前にそびえ立つ

「あ、あの!」

「なんだ?」

「私、な《クルルル……》…。」

お、お腹…!空気よめ、私のお腹!!昼抜いたからしゃーなしだろうけど!

「…ぷっ」

うわ、ネネちゃんに笑われたんだけど!?しかも私にだけに聞こえるようにしてるの、ほんっと嫌味ったらしいなぁ!

「おや、すまない。どうやら私のお腹が鳴ってしまったようだ

ひとまず質問はカンパニーでご飯を食べて聞いてもいいかな?」

ガルク様、まじ聖人フォロー

やだ、私にはチェルちゃんという可愛い子がいるのに…惚れちゃいそう

「それじゃあ、ネネ作ってくれないか?」

「…了解しました」

と、言って向こうへ消えていく

えっ、ネネちゃんが作るの?

毒盛られそうで怖いんだけど

そんな私の心を知ってか知らずか

「大丈夫、ネネの料理は私のカンパニー一美味いんだ。

味は私が保証するよ、楽しみに待ってな」

と、ニカッと笑いかける

最後の晩餐が美味しいならいいかも……な訳ないっしょう!?

「そこの角を曲がったところでいつも食べてるから、そこで待っててくれ

私は一つ用があるから、後で行く」

そう言って去ってしまった

...仕方ない、ネネちゃんがそんなヤンデレ系おんにゃの子じゃないのを祈りながら待とう。




「ネーネ」

「…何ですか、ガルク様」

台所でトントンと早速野菜を切り始めているようだ…こちらを見ない、拗ねてしまったか

「…あの時、お前は私の名誉のために動いてくれたんだろう?」

自分のもとへやってきた水色の少女を思い出す

ガルク自身は何とも思わないが、周りはそうはいかないらしい。

そのような才能が乏しい子が来るような団、あるいはそんな雰囲気を漂わせる威厳の欠ける団と評価が下がるらしい。

個人的には別にいいじゃないか、あの子には昔から素敵な踊りを披露してもらったしそれぐらいと思っているのだが


「…。」

ネネは何も言わないので続けて言う

「でなければ、ガルク団の副長ともあろうお方があんなことしない…そうだろう?」

トン、と包丁の音が大きく響いた。


この団に入った時から叩き込むものがある

それは自分の信じる心の強者、立場の弱者に敬意を払い、心の弱者、立場の強者から助けるというものだ。

強き者に屈せず、弱き者には優しく、だ。


「お前はいつもそうだ。

私のためだと言い、いつも自分に汚名が被るようにしている…その自己犠牲、好きなところでもあるんだが嫌いでもあるな」

それだけ自分を慕ってくれているのは嬉しいが、それ以上に自分を大切にしてほしいという気持ちが溢れる。


「…いつ、私がガルク様のために行動したと言ったんですか。」

こちらに背を向けたまま言う。

「私は長という称号の価値を軽く見られないためにしたんです。

勘違いしないでください。」

「あぁ…それとネネ、玉ねぎ、と人参とキャベツは細かめに切ってくれ、頼んだよ」

「…。」

それじゃ、と言ってガルクは厨房から出て行く


「自己犠牲が嫌いだって…全部、ガルク様から教わったことなんですよ…。」

あの人は昔からそうだ。

他人のために生きている

せめて一番弟子である自分からの愛なら、なんて考えていたけど

フッと掠れた笑いが出る。

あの人と同等以上にでもならない限りダメみたいね

つぅと垂れてくる涙は全部玉ねぎのせいだ

...なんて用意された言い訳をできるのは子供まで、ですよね



...うわぁ、来れると思ってなかった。

どうしよ

とりあえず周りをきょときょとする


チェルちゃんのところと違って床は木でできてる

歩くたびにキシキシって響くのがいいねぇ~

どっかで床の音がなったら鬼に見つかるから踏まないようにして部屋から出るってホラゲーあった希ガス


てかガルクさんみたいな人いるから食べるところもすごそうな場所かとおもったけど

チラッとテーブルクロスを見る

小さな花がちりばめられたデザインで所々にかわいらしく描かれている動物がプリントされている

また、いすには薄茶色の無地と赤色の水玉生地と薄いピンクにハートが描かれている生地のパッチワークがほどこされているクッションが置いてある


...めっちゃ女の子っぽいなぁ!?

私が寒色好きだからか?それともファッションに疎いだけか?

なんか女子力の密度が濃く感じるんだけど

うへぇ、こういうの懐かしいな~…小学校の時のアイカちゃんのとこ以来だっけな

アイカちゃんもメルヘンっぽいのが好きだったし、こういうの見たら喜びそう...だな。

...アイカちゃん


「やぁ、いいデザインだろ?それ」

うっわあぁさdscんじゅ!!

「あぁ、すまない

急に声かけたら驚くよな、フフっ...。」

思わず驚いて声にならない悲鳴を上げ、盆栽のようなポーズをとってしまった自分に詫びてくる

いや、もうなんか驚いて、ハイ

口ではぁとかぅとかしかでないし、ベーやーですっすよ!

「...もしかして、この団に入るのは嫌か?」

「な、なんで?」

やっと言葉でたわよぉん!!めっさ震えとるけどぉん!!

にしてもガルクさんなんでそんなこと

「入団を決める時、場の雰囲気に乗せられていたような感じだったし、


それに今泣いてるじゃないか」

スイッと指の背で頬を撫でられる


ないてる?


泣いてる?

「あ、」


本当だ、もうあの子のことで泣かないんだって決めてたのに

はは、近くにマオがいないからかな?

そういやマオとこんなに離れたの始めてかも

一緒にいない時はいつもテレビ電話つないでたし

寝る時ぐらいしかマオんち離れないし

あー、ガルクさん困っちゃうから止めなきゃなんないのに

どうしよ

「とま、んなっヒク」

こうやって考えるとマオにいつも助けられていたんだなって

っあはは、マオで気をそらそうって思ってるのに

なんであのテーブルクロスを見ちゃうんだろ

あー、ずっと人様に迷惑かけ

「大丈夫」

て...?え、今抱きつ...!?

「!…!」

ボスボス!と体を叩く

ちょちょちょ!ガルクさん!胸が!!

「大丈夫だ」

が、ガルクさん?

「私の心臓の音を聞いてなさい」

しん...ぞう?


どっくん、、どっくん、、どっくん


あ...なんか、なんだろう

手があったかくて、音が心地よくて


「大丈夫、大丈夫、お前は大丈夫だ」


声も優しくて


今まで自衛していたつもりだった心の針が自分に向けられていたのに気づく

いや、自分で気づいたんじゃない、気づかせてもらったんだ



そこでハッとする

「ぁ、すみませんでした、なぐったりとか」

反射的とはいえ、やっべぇことしちゃった!

カタッ

「いや、私も何も言わずに抱きついたからな

錯乱状態だったし、仕方ないさ」

カタカタッ

...なんかさっきから変な音しない?

「とりあえず落ち着いた所でネネの手料理食べようか、そこに置いてくれ」

うわっネネちゃんガルクさんの真後ろにいたぁ!

怖い!怖いよ!顔が歪んでる!可愛らしいお顔が歪んでいらっしゃいますよ!!

「...では、こちらへお座りください」

やばばばよ、やばばばばーよ

なべ?の中でぐつぐついってるけど人肉とか入ってそうで怖いよ!

「ごゆっくりお楽しみください」

「あぁ、ありがとうな

さっ、どれでもいいから君も席についてくれ」

ごとりと鍋がテーブルの真ん中に置かれ、自分の喉も思わずごくりとなる

ドアをチラッと見るとそこにいたネネちゃんと目が合う

とっさに目をそらし、ありがとうございますといいながら席に着く


...ええい!こうなったらやけだ!食っちゃいましょう!

それにこんな美少女が殺人スープを作れるわけない!...どっかの戦略RPGの軍師は料理下手だったけど!ネネちゃんのはおいしい筈、ガルクさん言ってたし!

よーし、信じて食べちゃおう!!それに美少女の料理は残さず食べなきゃってじっちゃん言ってたし

勢いよくいっただっきまーす!と言って小皿に盛り付けられた料理にかぶりつく

「あ、まだ熱々ですよ!?」

「おっふぇっふぉお!げぇっほぉ、ぅえっほ」

「ネネ、はやく水を!気道に入ってる!」

はいという声に合わせてぱたぱたと足音が聞こえる

げほげほいってると背中が擦られる

「今ネネがお水持ってくるからな~、はいはい、落ち着いて~」

「ずみ、えっほ、まぜ、げっほかふ」

「無理に喋らなくていい、リラックスリラックス」



「す、すみませんお騒がせして」

「いいんだ、それよりご飯を食べる時はゆっくりとだぞ?」

「はい...。」

うっわああああ!!めっちゃはずい、これ完全に子供みたいじゃん!

さっきからネネちゃんの視線が生暖かいものになってるし!いいよ、そんな風に見なくても!

もっと冷めた目で見て!もっと蔑んで!!...いや、これは方向性が違うか

「まずご飯の元になってる生き物に感謝して命を頂きますと言う

おいしいものは味わって食べる、そして作ってくれた人に命の重みをおいしさへと変えてくれたことに感謝して素晴らしいご馳走様でしたと言うんだ」

あ、言い方がちょっと違うんだ

師匠(せんせい)が教えてくれたことでね、食事ができることは素晴らしいことなんだと噛み締めるべきだってね」

先生...ガルクさんの先生ってあのガレオークさんって人?だよね

意外かも...もっとこう、殺戮を楽しむタイプでそこら辺の肉をブチィと千切って食べるのかと

「どんな食べ物であろうと粗末にしてはいけない、ちゃんと敬意を表して食べるんだ」

うーん、お弟子さんがしっかりしてるだけ?それともガレオークさんも中身はガルクさんみたいな人なのかな...

「おっと、話を長くしちゃったね、料理冷めちゃうし早く食べちゃおうか

ふふっ年をとると話が長くなるもんだね」

うーん、うーーん、まだ分かんないことだらけだな...

まぁ、今はとりあえず


「「命を頂きます」」

反省を生かしふーふーとしてからゆっくりと租借する

...おいしい!なんかワンタン麺の麺抜きみたい!

あー、このもちもちいいよね~具材が小さいのもいいよ~

若者はしゃきしゃきした野菜が好きっていうけど、私は小学校の給食のスープ並にやわらかいへなへなってしたお野菜好きだから、小さめで食べやすいのはありがたいね~~...考えが完全におばあちゃんっぽいけど

「どうだ?おいしいだろう」

「は、はい!私の好みの味付けです!」

そうかそうかと嬉しそうな表情...自分の好きなモノを褒められたら嬉しいあれか

すっごいわかるマン

...てか、ネネちゃん顔赤くなってない?

さっきからこっち見てるなとは思ってたけど、やっぱなんかさっきより赤くない!?

あ、そっぽ向いた...ありゃま~割と可愛らしい性格してらっしゃる


って、違う違う聞きたいことあったんだった!

「あの~、ガルクさんそれとなんですけど」

「うん?あぁ、そういえば訊きたいことがあるんだよな、なんだ?」

話が早くて助かるマン

「どうして、私をカンパニーに、団員にさせようとしたんですか?」

ずっと疑問だったんだよね、力目覚めてないし、もしかしたらドルカちゃんの水の力が私によるものだと勘違いしたんじゃないのかって思ったりして

「あぁ、それはだね...王のほうから言伝があってね

私のところにいれるよう命令されたんだ」

うっわ、何してるの!自分で決めるって言ったのに!

...あっでも自分で決めるって言ったのはマオか...私は何も言ってない...。

「でもね、私は嫌がってる人を無理に仲間にする気は毛頭ない

もしも君に入団する気がないなら、私が王に掛け合い危険が少ないカンパニーへ入団できるようにしてあげよう」

...。

「君の意見を聞かせてくれ

別に謝罪を聞きたいわけではない、君自身、この先どうしていきたいか聞きたいだけだ

もし私達ができることがあるなら全力でサポートしてみせよう」

私は...


「あの...私は戦争が嫌いです」

シーンと静まる

「戦争って人を殺すし傷つけることになるんですよね

私、怖いんです...血も暴力も、そういうこわいの」

おかしな日本語なのは分かってるし、戦ってる人には説得力がないのも分かってるけど止まらない

「昔、そういうの見ちゃって...こわいんです」

「そうか...変なことを思い出させてしまったな、すまない」

いいですといっていつの間にか溜まっていた涙を拭う

「それでは、ここの入団を拒むんですね?」

「...です」

「?」

「そんな私でもよければ入れてほしいです!」

「!?」

「私、ダメかもしれないですけど...でも、マオが、もう一人の子が頑張ってるんです!」

自分の命を軽く見てる行為にしか見えない言動...全部私のせいなんでしょ...?

「私だけのうのうと、ゆっくりと力を目覚めさせるなんて、合わないじゃないですか!」

この人達は私達のことなんて知らないはずだし

「昔からいつも助けてもらってばっかりで、私いつも彼の枷になってて」

急にこんなこと言われても混乱するかもしれないけど

「だから、ちょっとでもみせてやりたいんです

もう、私は大丈夫なんだって...あなたなしでも大丈夫だから無茶しないでって」


この人達なら何か解ってくれるような...そんな気がして...。


「だから、お願いします!役立たずかもしれないですけど、でも一生懸命やります!!

入れてください!!!」

「...。」

「...ふむ、私は君が望むなら入団は構わないんだ

ふふっ、それに可愛い動機じゃないか、そのもう一人の子ってのはあんたのお友達かい?」

「はい...」

「…なるほどねぇ、生憎力を目覚めさせる方法は個人の努力によるもんだってのが私の考えだからね

例えここであろうと君の行く道は厳しい

私の部隊は前線に平気でいくからね、君も戦の最前線に行くことになるかもしれないよ?」

「いいです!大丈夫です!ドンと来いです!」


もう、マオの足で前に進みたくない

一緒に隣で歩きたいんだ


「と、いうことだ。ネネ」

「...ふぅ、何いっているのか終始不明ですが

ここに居るからには最低限の礼儀を忘れてはいけないよ」

私からはこれだけと言って食堂から出て行った

「ふふっ君すごいな

ネネは大抵新入りには厳しいんだ

初めからお小言ばっかりで嫌味な副長だって怒る人も少なくないんだがな、ははっ」

ドアをみつめ言ったかと思えばこちらに向き直り良い目だと言う

「とにもかくにもこれからよろしく頼むよ、カク」

「...はい!」




カクとの食事を終えたガルクはとある場所へと移動していた

戦友の相棒である門番係に挨拶をし洞窟の奥へと進んでいく

「オル?入るよ」

そこにいたのは

「ちょっと!ノックしてっていつも言ってるよね!?」

長い黒紫色の髪をアップに纏めた男だ

「いや、すまない。最近社交辞令ばかりしてるとつらくてな

なんであんな面倒な事をしなければならないんだとな」

「ガル...あんた、最近お師匠様に似てきたんじゃない?ガサツよ」

師匠(せんせい)を馬鹿にするな!!お前こそ最近どうなんだ

変な噂ばかり聞くぞ」

「それよりも!アタシになんか用があったんじゃないの?」

あぁ、そうだったそうだったと手をポンとつく

「カクはちゃんとうちのカンパニーに入ったよ」

「あら、意外

てっきり入らないと思ってた」

「?何故だ、オルが提案したことなのに」

王の名を借りてまでして彼女をうちに入団させようとしたいうのに

「それがね、あんたに連絡を送った後マオと話し合ってそのカクがどんな子か聞いてね

だいぶ面倒くさそうじゃない」

ダラリと垂れている髪を弄る

「それにあんたの性格上だと、嫌がったらこっそり違うカンパニーにでも入れそうだもの

ま、あんたの嘘は解り易いけどね~」

...考えを見透かされていた

「あの子はいい子だよ、そのマオって子が無茶してるって理解してるから自分も許容範囲をこえて一緒に歩こうとしてる

その子が走るなら自分も走る

その子が全力で駆け出したら自分も全力で駆け出す」

今でも脳裏に焼きついている、あの瞳

あれは、覚悟を決めた子の目だ

「いいわね、あの何が何でも付いて行くっての

青春ねー、青い春ねー」

「ガルったら年寄りくさいこと言わないでよ、アタシに移ったらどうすんのよ」

「何言ってるのさ、オルは昔から綺麗じゃない

ちょっとぐらい移っても平気よ」

「あぁー!んもうはっずいわね!何よ美人に言われたくないわよ!」

「美人って言った方が美人なんだぞ?」

「うっさいわね、このド天然人誑し!!」

「さっきから口が過ぎてるぞ!やっぱり師匠に」

「こっんの師匠馬鹿!!!」


そこにあったのは生きる伝説と名高い二人の長のお茶目なケンカだった

ご飯の前と後の礼儀は大人であるほど忘れがち


と、いうことでここまで見ていただいてありがとうございます!

カク視点だとほんっっっっとうにギャグ要素うっすうすですね…。

なんか、黒魔女さんの語彙力ない系みたいな…家庭用酢酸を更に100倍希釈した感じ…。

えぇい!キマシで誤魔化してやる!(投げやり)

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