聞こえる言葉の心
人によってはグロにはいるかも…?
コクラと別れた後、マオは自室から寝巻きがしまってある引き出しをひく
「…後でテレパシーで詳しく話すからってどういうことだよ」
ポツリと呟き、寝巻きを投げやりに寝具へ投げ飛ばす
先程、アレスティアに耳打ちされた言葉だ。
[はぁーい!マオくん、元気?]
どったんばとろしゃん!
[あらまぁ、どこか怪我したみたいだけど大丈夫?回復してあげようか]
「おま、急に来んなよ!!」
おかげでベットから落ちたわ!
[えぇーー…
じゃあ
コンコン、失礼しまーす!
マオちゃんはいますか〜?]
「あぁ、もう分かったから!
テレパシーってこれのことね、ハイハイ、把握完了!!」
分かればよろしいと頭の中に言葉が入ってくる
具体的に字幕のようなものが出てるわけでもないし、声が響くとかでもない
ただ頭にティアさんが話している内容がスッと入る感じ…なんか自分の頭の中覗かれてるみたいで気持ち悪りぃ…。
[あなたは魔導の素質があるからやりやすいわ
カクちゃん相手だと何回か弾かれちゃいそうなのよね]
「それって素質によって変わるってことか?」
[そうそう、大体そんな感じ
あなたも声出さずにこうやって伝えることができると思うわ]
「は?こんなファミチキください的なのを?」
[ファミチキ?
ごめんね、ファミチキはわかんないけどテレパシーならできると思うわ]
「どうやって?
俺、そういうのよくわかんないだけど」
[心で考えるの、伝えることを]
「ふんふん、それで?」
[その考えをさっきから語りかけてる所の方へ返す感じよ]
「ちょっと待てぃ!急に難易度上がってない!?」
なんだよ、語りかけてる所って
[日常会話しててここから聞こえるなぁ〜ってなんとなく音源がわかるでしょ
そこに返す感じよ、大丈夫そんなに難しくないわ♡]
腹たつハートマークだな、おい!
[あっ!なんか今聞こえたわ!]
やっべバレそう
[うーん、でも周りに霧散してるからはっきりとはしないわ…もう一回頑張って!]
になった…。
[私も出来る限りわかりやすくあなたの方に呼びかけるから、頑張れ♡頑張れ♡]
またまたハートマークに苛立ちながらもどこから聞こえるか神経を研ぎ澄ます
[マオちゃーん、こっちこっち]
「聞こえてはいるけど方向が分からない…。」
[集中した方がより方向がわかりやすいわ
返事しなくても大丈夫だからどこから聞こえるか探ってみて]
ホワンホワンと言葉だけが響いている…どこからだ?
[目を閉じた方がより集中力が高まるわよ]
言われた通り目を閉じる
……と
黒い世界に白い線が引かれてある
なんだ…これ…。
[マオちゃん、こっちよ!]
白い波紋が斜め後ろから押し寄せる
こっちか!
[!そうよ!今、聞こえたわ!]
おぉ…なんかスカイプみたいだな…。
[スカイプ…?マオちゃんってば不思議な子ね]
あれ?これって考えること全部ティアさんにバレるじゃん!?
[あっはは!そうだよ〜…って言いたいけど、伝えたいと思わなかったら途中で切れちゃうから思考がダダ漏れになることはないわ]
なるほど…ん?じゃあティアさんはこっちの状況を詳しく分からないんだよな?
[そうよ、例えマオくんがカクちゃんに想いを馳せていたとしても]
そういうんじゃなくて!!
…さっき俺がベットから落ちたとき怪我したって言ってたろ?
[あぁ!それはね、シスター特有のものよ]
シスター特有?
[えぇ、テレパシーしてる相手の体調とか気分とかがわかるのよ」
ふぅーん……「ってえええっぇぇえ!!」
[ウワォ!どうしちゃったの!?]
「え、いや!?ティアさんってシスターなんですか!?」
[えぇ、そうよ〜…あれま、言ってなかったかしら?]
言ってないです!え、でもティアさんってほんとにシスターですか!?てっきり斧か剣ブンブン振り回して周りのおっさん達と一緒に戦ってるもんかと思ってたんだけど!?シスターは戦わないんじゃ!?
[ま!マオちゃんってばあの人達におっさんって言ったら確実に凹むから直接言っちゃダメよ?]
あ、そっか考えてること全部ダダ漏れなんだ
[フフッ、マオちゃんって割とおっちょこちょいよね]
いや、オタクだから考えても言わないことが多い…ってそうじゃなくて!!
シスターって戦えないんじゃないんですか?
なんかオールレさんからシスターは戦わない女性がなる職業だって聞いたんですけど
[…戦いたくないって考える女性がなれちゃうからね〜…そう考える人もいなくはないね]
ってことはシスターも戦えるんですか!?
もし、戦えるならグッと簡単な話になる。
何の変哲も無い手のひらを見つめる
「シスター…?」
「はい、俺は魔導型のシスターです
力はまだ目覚めていませんが、今後この国の利益にもなるらしいです」
「…。」
チェルちゃんは確かに魔導型のシスターだと言っていた
ここは攻撃型の所だと言われたが
「ここのカンパニーの適正から外れていることは知っています
でも、俺はガレオークさんの弟子であるあなたの力についていくべきだと思いました」
それだけでランクを落とすわけにはいかない
「ガレオークさんからはこの通り、太鼓判をいただきました」
適正がなくとも死ぬ気で努力してやる
「国王にも自分が入りたいカンパニーに入ってもいいと許可は頂いております」
その努力の先に
「だから、よろしくお願いします」
あいつの笑顔があるなら…!
「ふん……。」
それを守れるなら!
「一つ、言っておきたい」
俺はなんだってやってやる
「なんでしょうか」
化け物の弟子だろうが食らいついてやる
「シスターっていうのが何か…知ってるよね?」
…。
その後、オールレが何度も調べていたが結局俺はシスターだった。
あの時の絶望は忘れもしない
何故、王は長達のもとへこんな力を持つ俺を送りこんだ…?
何故、この異世界はカクを戦の最前線に、俺を安全圏に行くような職業を与えた…?
何故、俺らは戦いに挑むように仕向けられているんだ…?
?そこで思考が途切れる…?何故だ?
[…なにか考え事してる所悪いのだけれども、私はおススメしないわ]
な、なんで!?俺は早く戦って、早く力を手に入れて
[そもそも、シスターが何故戦場にほとんどいないか知ってる?]
いや、詳しくは知らない…女性だし、怖いとかじゃ?
[確かにそうよ…でもそこにも深い理由があってね…他の人達より圧倒的に防御が薄いし、回避に優れているわけでもない…動きが遅く、攻撃面が弱いシスターは格好の獲物なの]
それで他と比べて死亡率が高いってことか、でも後方で援護してたら平気では…?
[回復するにはある程度近づいていないとダメなのよ]
なるほど…。
[更に酷い話があってね
魔人軍に捕まえられたシスターは抵抗する術がないから、逃げ出すことも出来ず
…晒し首にされたり、拷問されたのちに胃が膨らむほど虫を詰め込まれたり…とにかく酷い仕打ちを受けたの]
胃酸が込み上げてくる
異常だ…狂ってやがる…。
そして、マオはそういったことを元の世界でも知識として目にしたことがあるから解ってしまった
それらの行為は魔人軍にとっては娯楽のようなものだと
それらの行為は敵軍の士気を下げるためということ以上に快楽のためになされていることなのだと
食事終わりにこんなこと言ってごめんなさいねと謝るティアさんの声はいつもよりも震えている
[戦死したシスターは大体がそういう目にあってるからみんな嫌がっているの
…行方不明者が多いのもシスターだしね
彼女達がその後どうなってるかとかは…察してくれるとありがたいかな]
…ティアさんは怖くないんですか
[ん?あっはっは、心配してくれてるの?いやーいい子だね〜、マオちゃんは♡]
…。
[マオちゃんってコクちゃんと似てていじりがいあるのよね〜♡]
…ティアさん
[んん?どうしたのー、どうしたの〜]
俺もシスターなんで、無理してテンション高い振りしても意味ないですよ
ピタッと言葉が止まる
さっきまでドアの前でしつこいぐらいノックしていたような言葉は
全部苦しさを悟らせない言葉だ
俺のことをおっちょこちょいと言った彼女も割とそうだったらしい
[えへへ〜…普段、シスターに出会うことないから忘れてた〜…。
そっか、バレてるか…ははは〜、なさけな…。]
言葉はずっと「怖い」と泣いていた。
強気な人ほど感情を隠したがるよね
というわけで、ここまで見ていただきありがとうございます!
今回は世界観の掘り下げとグロに逃げました(自白スタイル)
初期からカニバリズム系を投入するのは決めていたんですけど、こんな早くにお仕事始めちゃうとは(汗)
これからものんびり〜ゆったり〜と進めるのでのんびり〜と誤字見つけてゆったり〜と内容の噛み合わなさに笑ってください




