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リニューアル④

近くの居酒屋に二人で入った。




「生ふたつで」




普段は酒のまないカナデさんだが


営業がなく飲むことないので、飲みたくなるらしい。




「最近どう?」




俺がカナデさんに対してどう思ってもどうでもいいといった感じがした。




圧倒的余裕からくるのか


もはや敵にすら値しないと言われてるようだった。




なにも考えてないだけかもしれないが。




カナデさんはしょっちゅうスマホをいじってる。


しょっちゅう客にLINEを返したり色々調べたりしてる。




カナデさんはわからないこととか興味があることがあるとすぐにググっていた。




そしてすぐに誰かにその知識を嬉しそうに伝えている。




「スカウトばっかやとホストやりたくなるよな~」




すごくわかる。


結局ないものねだりだった。


やるなって言われるとやりたくなる。




人間は非常に単純であり、女は非常に複雑である。




「系列店出勤した?」




「行ってないですね」




「そか~俺も行ってないな~そろそろどこか行こうかな~」




カナデさんはスマホをいじりながら答えた。




俺は行ってないじゃなく一緒に行く自分の客がいなかった。




カナデさんはそんなことない。


行こうと思えば行けるよと言わんばかりのこの余裕にもムカついていた。





そんな感じでダラダラして軽く飯を食って


居酒屋をあとにした。




「じゃんけんしましょう。ほんで負けた方払いましょ」




圧倒的に給料も少なく、役職もなかったが奢られるのがものすごく嫌だった。




「いいね。そういうところ嫌いじゃないよ。」




カナデさんはニヤリと笑った。




じゃんけんには俺が負けた。


カナデさんに初めて奢った。


6000円程だったが給料が15万円




一緒にミナミに戻った。




カナデさんはそのあと系列店に客と出勤したらしい。




俺はひたすらツイッターをやっていた。




腹が減ったので夜にめんつゆパスタを食べた。




ツイッターではなかなか結果はでなかった。


すぐに結果は出るとは思ってはいないが


あまりにも出ないとやる気もなくなる。




その合間に出会い系のアプリをつかってスカウトもしていた。




LINEのタイムラインは


出勤してます来る方連絡ください


との出勤してるホスト達で埋まっている。




なおさら焦る。




たまに連れて行くことにも成功したがろくに売上は上がらずだった。




リニューアルオープン前に1つ軽く衝撃的な事が起きた。




面接から可愛がってくれてたセラさんが系列店のひかりさん率いるエートリーに異動になった。


本人の希望により。




かつプレーヤー(ホスト)から内勤(ボーイ)になったらしい。




けっこう信頼してて好きだっただけに驚いた。


もちろん二度と会えなくなるわけではないし異動といっても店の距離は1キロも離れてないし会おうと思えばいつでも会える。




ただ少し嫌だった。

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