マミ③
カナデさんに話を聞いた。
「マミはどんな感じでした？」
カナデさんはスマホいじりながら答えた。
「悪くないと思うよ」
よっしゃ！
よりも
良くもない、ということか。
と思った。
「どうやったらゲンキの応援できますか？って聞かれたよ。ホストしてんなぁ」
売れっ子ホストに言われた。
この時カナデさんはどちらかとプラスな意味で言ったんであろう。
俺は怒りがあった。
偉そうに。
それが正直な気持ちだった。
ホストの応援は
「金を貢ぐ」
という方法以外にはない。
ホストに「頑張れ」なんて言っても意味がない。
嬉しいハズがない。
売上に貢献しろ。
それ以外に感情は沸かなかった。
「風俗の仕事をそれとなく言ってみたよ」
よくある手段である。
指名してるホストからではなく、そのホストが尊敬・信頼してるホストに風俗の斡旋をする。
そして指名してるホストには風俗で働いてることを内緒で貢がせる。
ホストではよくある。
自分から言うパターンも無くはないが、よっぽど管理が出来てる状態の女の子じゃないとだいたい事故る。
カナデさんに話聞いた後、何事もなかったかのようにマミの席に戻った。
「ヘルプお疲れ様～」
このころから少しマミの単価が上がってきた。
まあいっても会計が1～2万円程になるくらいだが。
マミが2セット(180分)で会計を出して帰っていった。
ヘルプ回っていたため気がつかなかったが
店を出てすぐにマミからLINEがきていた。
「ゲンキ今日もありがとう。私頑張るからゲンキも頑張って」
カナデさんの力はデカかった。
その後LINEはしていたが、10日間ほどマミは来店しなかった。
俺からマミに営業することはなかった。
10日後マミが来店した。
「カナデさんと話せるなら話したい」
マミから言ったので程よいタイミングでカナデさんについてもらった。
俺はマイクで呼ばれ席を外した。
適当にヘルプを回った。
またカナデさんに話を聞いてもらった。
どうでもよかったが、マミはネットワークビジネスをやっていた。
あまり酒を飲まないが決まった時間になると10種類程のサプリメントを飲んでいた。
青、紫、緑など様々でなんか色々と説明していたが、適当に聞き流していた。
常日頃やたら大きいカバンを持ち歩いているから
「なんでそんな大きいの？」
と聞いたことがある。
「これを持ち歩いてるの」
ネットワークビジネスの冊子のようなものを10冊位出してきた。
多分そこら辺の学生より量があった。
やっぱこういうのハマる人はハマるんやな。
カナデさんに裏に呼ばれた。
「マミちゃん風俗始めたらしいよ」
そのせいで10日間程、店に来なかったらしい。
