表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/44

サキ④

奢りシャンパン




読んで字のごとく、ホストがシャンパンを奢ることだ。


普通は女の子がシャンパンを原価の10~15倍程の価格でシャンパンをおろし、シャンパンコールをホストがする。




奢りシャンパンはホストが原価の価格を店に払い女の子にシャンパンコール付きでプレゼントする。


通常は何回も通ってる女の子に別のプレゼント付きでしたりする。




シャンパンの原価などたかがしれてる。




サキにあげるのこれしかない。


席を一旦離れてマキオさんに聞いてみた。




「あそこの席の女の子に奢りシャンパンっていけますか?」




マキオはサキの方を見て、ボードを見た。


(ボードには席の略図とホストが今どこにいるか、女の子の名前などが書いてある。3回目までならボードを見れば来店回数がわかる)




「まだ2回目よな?それは厳しいな~」




当然だ。


そんな甘くない。


まだ2回目の女の子、ましてやお金を大して使ってないサキになど優遇する意味などない。


原価でシャンパンをおろすなど、店的には売上が上がる女の子じゃなければメリットはない。




ホストクラブはお金を使う場所だ。




しかも、頼み込んでるのがまだ売上もない、歴も浅い俺だ。


店への貢献度からも断るのが普通だ。




「そこをなんとかお願いします!」




必死だった。


他にもプレゼントなどいくらでもありそうだが、必死だった。


他のやり方はいくらでもある。




ひとは1つのことに夢中になると周りを見れなくなる。




そう、俺はサキを好きになっていた。




「わかったよ。これからもっと頑張れよ」




寛大な父のような一言でマキオさんは許可をしてくれた。




「ありがとうございます!頑張ります!」




奢りシャンパンのシャンパンコールが始まる前に一応カナデさんにも報告した。




「オッケー」


と、だけ言い去って行った。




「かっなんか物言いたげな顔していたような気がするけど、勘違いかな?まぁいいか。」




「○○ステージ、○○ステージ」




奢りシャンパンのシャンパンコールが始まる。


シャンパンコールは始まる前に、シャンパンコールをする人間がステージ上に一旦集まる。




そして集まったら暗転し、音楽が流れ、シャンパンコールが始まる。




爆音と共に様々な色のライトが店内を照らす。


数秒後にはシャンパンをおろした席のみを照らす。


(ここでは俺の奢りだが)




「誕生日おめでとうー!」




「え、私?ありがとうー!うれしー!」




サキは喜んでいた。




よかった。


喜んでくれた。


素直に嬉しかった。


シャンパンコールは10分程で終わったが


一瞬のように感じた。




その日もすぐ終わり、営業終わりに店の片付けをしていた。




「もう少しでサキに会える~」




ウキウキしていた。




すると珍しく


「ゲンキー!今日めしどう?」




カナデさんに誘われた。




「すいません今日は女の子の予定が」




「あ、さっきの女の子か。オッケー。また今度いこか」




「はい、お願いします!お疲れ様でした!」




サキのもとへと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ