表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスター、アイドル始めました  作者: 山崎世界
第三章:令嬢アイドル反逆編
62/74

レベッカのいる日常

 レベッカがダンジョンに身を寄せてから、ただ世話になっているわけにはいかないと色々と精力的に働いていた。


 洗濯やら掃除やら、魔物たちに交じって広大なダンジョン内のあれやこれやをこなしている。

「さすがに本職のメイドと比べると目劣りすると思いますが。人に交わって商いを行う以上、庶民の当たり前の日常に身を置き、その価値観を常に身につけねばなりませんから」


 なるほど。これも教育のうちなのか。


「まあ、花嫁修業というのもあるのでしょうけれどもね」


 と、苦笑交じりに付け加えた。


 レベッカの恩恵はあまりあるが、その中でも特筆すべきは料理だろう。まあ個人の見解が多く含まれているのは否定しないが。


 というのも、ここの魔物たちの多くと人間である俺とレベッカの嗜好というのはまず一致しないのだ。例えばゴブゾウたちゴブリンが日々食ってるものは残飯にしか見えないのだがそれを言ってみようものなら「あぁ!? やんのかコラ!」とガチギレされる。ヘルさんにしてもそれなりに近いんだがやはり根本的な部分で相容れない。


「どうにも手間のかかるものよりも簡単に食べられるものばかり覚えるようになってしまって申し訳ないのですけれど」


「いやいやそんなことはないんじゃないか?」


 レベッカは野菜を肉で包んだ焼いたものに、パンまで自分で焼き上げている。どこか落ち着く家庭の味ともいうべき料理に俺と、あとディーヴェルシアも舌鼓を打っている。


「ておいディーヴェルシア。何でもかんでも醤油かけるのやめろ」


「何よ! いいじゃないの」


 レベッカは自分の料理にドバドバ醤油かけられたことに不満も言わず指でひとなめする。


「なるほど、不思議な味ですわね……本日用意したものだと合わないかもしれませんが、この調味料と合うお料理をご用意いたしますわ」


「ホント! やったー!」


「ああもう、コイツときたら意地きたねえな!」


「うふふ」


 などとのほほんとした食卓を囲んでいた。


「ディーヴェルシア様。そろそろ外に出てアイドル活動を再開したいと思うのです。リュートさんも含め手伝いの人員を貸していただけると助かるのですが」


「ん? オッケーオッケー」


 ディーヴェルシアは腹をさすりながら食後のお茶を飲みながら機嫌よく返事をする。大丈夫かこのダンジョンマスター。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ