表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスター、アイドル始めました  作者: 山崎世界
第一章:ダンジョンマスターアイドル始めました
10/74

共に歩めば

「ヘルさん。ヘルさんは、ディーヴェルシアの力になりたいってさ。そう思ってるんだよな」


「それは、そうですけれど……」


「なら、俺がその道を示して見せる。だから、力を貸してほしい……これもちょっと違うな。俺に叶えさせてほしい。ヘルさんの夢を」


 そうだ。俺はプロデューサーだ。アイドルが輝ける道を作るのが仕事だ。まあ、実績は無いんだが。


「何、で……」


 何で、か。それは……


「何ていえばいいのかな……うん、俺がファンだからだ。夢を追いかけている姿を追いかけていきたい。その途中でくじけそうになった時に、支えられるような声援の一つになってればいいなって思ってた。それがこうして、間近で支えられるようになったってんだから、俺にも出来ることがあるんだって、そりゃあ……頑張りたくもなるだろうさ」


 ヘルさんを支えたい。けれど、それだけじゃない。


 なあヘルさん。俺達はきっと同じはずなんだよ。俺は今、ヘルさんを支えたい。ヘルさんはディーヴェルシアを支えたい。


 だから、一緒なら頑張れるんじゃないか? ってさ。


「私に、務まるんでしょうか? アイドル、なんて……それに、淫魔としての私は、実はあまり好きではありませんし」


「大丈夫だ。ここにファン第一号がいる」


「隆斗さま……」


「まあそれが何かの保証になるかって言われれば、分かんないけどさ」


「……いえ。隆斗さま……私、頑張ってみようと思います。見守っていて、くれますか」


 ああ。例え誰が認めなくたってさ。


※※※


「何ていえばいいのかな……うん、俺がファンだからだ。夢を追いかけている姿を追いかけていきたい。その途中でくじけそうになった時に、支えられるような声援の一つになってればいいなって思ってた。それがこうして、間近で支えられるようになったってんだから、俺にも出来ることがあるんだって、そりゃあ……頑張りたくもなるだろうさ」


 隆斗さま。


 ディーヴェルシア様が一体どこまで知って、どのような運命の元で彼をここに呼んだのかは分かりません。


 けれど、少しわかる気がします。


 隆斗さま。隆斗さまは私と似ているのだとおっしゃって下さいましたが私は別のことを思ったんですよ。


 ある日、突然と現れて私の何もかもを壊してくれたディーヴェルシア様。あの方とは違う形で、あなたもまた私を導こうとしてくれました。まあ、あなた達はどこか似ているなどと言おうものならきっとお二人は揃って怒るのでしょうけれど。


 あなたについていけば、私は……あの方の様になれるのでしょうか。そう信じてみたくなった。


「責任、取ってくださいね」


 私の心に再び火を点けた……男の子。


 安心したように眠っているその寝顔を、そっと撫でた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ