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クリスマスの日。前編

作者: かるろす

同居している設定。緑視点。

色々ひどいとこあると思いますすいません。

「明日クリスマスかぁ…」

「正確にはイヴな。」

私のひとり言にツッこむ茶髪の彼女。どっちでもいいじゃん、と言おうと思ったがこの子は変なところ細かいので口をつぐんだ。

そう、今日はクリスマスイヴであり聖夜クリスマスの前日。しかしこの魚肉ψという四人の若者の集いはそんな季節行事なんて気にせず明日もいつもと変わらない日常を送るのだろう。

チーム魚肉ψ、sknkψ。別に有名なわけでもないし特に活動してるわけでもない。ただ、四人の合言葉のようなものだ。個性が目立つメンバー(自分はそこまでではないが)で一言で誰かがわかるくらい。先程話しかけた彼女に、また声をかける。

「笹太、明日なんもしないの~?」

こたつの机に顔をつっぷしながら聞く。この姿勢は人に物事を聞くのに失礼だとは思うがお構い無しだ。

「ん~…金ないし。何かしたいならケーキぐらいは買うけど。」

笹太は顎に手を添えながら言う。そのケーキという単語にポニーテールを揺らしながら誰よりも早く反応する者もいた。

「ケーキ!?まじ!?ワンホール!?!」

やや…というよりかなり興奮気味に眼鏡をかけた彼女は言う。その言葉に今度は黒髪の短髪の子が苦笑いしながらいい放った。

「さすがにワンホールはきついでしょ、落ち着きなよねーちゃん。」

立ち上がったポニーテールと眼鏡が特徴の彼女は「なぁんだ、」と不満げな声を漏らしながらこたつに再び潜った。

「えー、せっかくのクリスマスなんだし何かしようよ。貯金集めてさぁ。」

私がこんな提案するけどそれは叶うはずもなく。よくよく考えればわかることだ。ぶっちゃけ私達は貧しい。食生活にはいささか困らないが生活費がなんとも言えない。四人で今暮らせてるのだって奇跡なのだ。

黙りこくって沈黙が続く部屋にうーん、と唸る声が聞こえる。

「なしたん、ろろろ」

笹太がろろろに疑問をぶつけるとろろろは笑顔で

「ね!やっぱ何かしようよ!」

と言ったのだ。何かって言ったってそんなお金ない、と先程こいつは自覚したばかりだ。熱でも出たのだろうか。しかしここでポニーテールを揺らす藻歩は「いいねーやっぱ何かしたいよね!」と賛同するのであった。

「何かったって何よ、ティッシュ配り??ティッシュ配りですか????」

私が不満げに顔を歪め思いっきり心中のことを声色に出すと藻歩は笑いながら「ティッシュ配りとか地味じゃん」と言う。じゃあ何をしろと。

「いや、さ、きあろちゃんそんな事しなくても身内だけで楽しめばいいじゃん!、サンタ服買って豪華な食べ物食べて。」

「あとワンホールケーキ!」

「そうそう、ケーキも。」

笹太がさすがに耐えきれなかったのか溜め息混じりに口を溢した。

「いや…無理でしょ。金ないってば。」

その発言に私も大きく首を縦にふる。どう考えたってお金のことは一番に問題がでるだろう。しかし、ろろろは次にとんでもないことを言うのだった。

「え?作ればいいじゃん。そんなの。」

きょとんと、さも当たり前のように。

「ええぇえ!?!?いっいや無理でしょ!!!」

確かにその家にはミシンも料理器具もあるが。一日に四人分の服を作ると同時に料理の仕込みをするなんてかなり無理があるのではないのだろうか。

「大丈夫大丈夫!!家事は僕と藻歩でするから!なととんときあろは服作ってよ!」

ね?、と笑顔で問いかけられう"、と唸る。さすがの藻歩も驚いているようだった。

無茶だが、しかし何もしなくて後悔するよりはして後悔した方がいいのかもしれない。そんな考えが頭をよぎる。その考えを決定づけるように笹太はこう言ったのだった。

「いいよ、作ろうか。」



25日まであと11時間ですが大丈夫なんでしょうか。

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