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週末の土曜日の早朝、翼は学校に着た。市体陸上の会場までは学校からのバスでいくので朝早くから学校に集合しなければいけなかった。翼がついたときはまだあまり人がいなかったがバスに荷物を積み込む仕事や、会場で自分たちのテントをたてたり、ハードルを並べる、砲丸投げの玉の準備などの雑用をこなさなければいけない一年生はおおかた集まっていた。陸斗もすでにいた。翼もそれふに加わり一緒に仕事を手伝った。
やがて二年生や三年生もやってきてまた杉田を中心に円陣を組むようにしてならんだ。キャプテンの号令で礼をし、杉田の短い話を終えると三年生から順番にバスに乗り込んだ。
J陸上競技場につくと、一年生がバスから荷物をだし、本部から指定されたS中学校の場所にテントを張り、砲丸投げの球やハードル走のハードルだしを手伝いをしていた。翼と陸斗も一緒に手伝っていたが、各競技に出場する一年生は、全体のウォーミングアップのために、離れ、二・三年生とウォーミングアップおこなった。
ウォーミングアップ終了後、すぐに開会式があるので、選手はウォーミングアップを終えると本部前に集まった。他の中学校の選手も集まり開会式が始まった。市陸上協会の会長の話や競技説明などを、長々と聞き、選手は、みんな、自陣のテントへ戻った。これから一日、長い戦いが始まるのだ。一年の1500メートル走は午後からなので、午前中、翼たちは、他の種目の応援になる。午前中のトラック競技は、一年・共通男女100メートル走の予選、共通男女1500メートル走、共通男子3000メートル走、などがある。フィールド競技は、砲丸投げ、ジャベリックスロー、走り高跳びの予選がある。1500メートル走と3000メートル走には、陸斗の兄の塊斗も出場する。
午前中の競技は特に問題も無く、淡々と競技が進んだいよいよ午前中最後の競技、共通男子3000メートル走が始まる。事前に渡されていたゼッケンと競技前に受け取った腰ゼッケンをつけたユニフォームを身につけた各学校の選手がスタートラインにならぶ。塊斗は思った。
―このスタート前の緊張はいつもだ。
―スタートラインに立つとなぜかとてつもない緊張が襲ってくる。
―しかしこの緊張があるおかげでここに立つことができると実感できる。
On yuar markと合図が入る。全員がスタンティングスタートのポーズをとる。数秒の静寂のあと、ピストルのけたたましい音が鳴った。その合図とともにトラックにならんだ数十人の中学生が一斉に走り出した。
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結果は塊斗のぶっちぎりの一位だった。五週目辺りには二位との差は200~300メートルに及び、すでに結果が見えていた。序盤から塊斗が一位をとったことによって、S中にも、ポイントがはいった。
午前の部が終了し、午後の部までは少しだけ時間があいた。
憎たらしいほどの快晴だった。
ここで書くと、次に話で翼のレースにかくことがなくなりますので、レース描写はほとんど書きませんでした。
そして英語間違ってたらすみません