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杉田が部員全員を集め、翼を紹介すると杉田はさっさと職員室に戻ろうと校舎の中に入っていった。何が何だかわからなかった翼は陸上部員に一礼したあと杉田を追いかけた。

「先生」

「鳥内、どうかしたか?」

「さっきいきなり言われてよくわからなかったんですけど臨時選手ってどういうことですか?」

「ん?ああ、今度市体があるだろ。その市体の陸上の千五(1500メートル走の略)で出場してくれ」

 市体とは市民体育大会の略で市の体育協会推奨している競技大会のことだ。競技は陸上競技だけでなく、剣道、柔道、ハンドボール、バスケットボール、野球、水泳など市内のほとんどの学校にある部活の競技はたいてい種目に入っている。陸上競技はその中でも数々の種目に分かれていて、さらには1年生だけの種目もあるの1年生にも出場機会は十分にある。なので臨時選手の参加はまずあり得ない。

「我が校は昔から長距離走では市内ではトップ、県クラスの大会でも上位に入るほどの強豪だ。まぁ最近の成績はさんざんだがな」

杉田は古くからS中に勤めており、S中をとても誇りに思っている。陸上の成績こそ翼は知らないが、杉田が言うのであれば間違いないだろう。だがその長距離走での臨時選手とはさらにあり得なくなった。

「本来ならば長距離走での臨時選手など我が校ではあり得ないが、今年の1年の千五の出場者がまだ東海しか決まっていないのだ」

杉田の話によると、陸上部にまだ一年生はいるものの、だいたいがほかの種目か、補欠だということで補欠が出場するくらいなら、別の部活の生徒でもいいから早い方がマシだということらしい。翼は速いうえに、帰宅部なので、時間の都合が合うということだ。

翼は別にでていいとも思っていたのだが、不安もあった


ーしかし陸上部員を差し置いて自分が出場してもいいのだろうか。陸斗はわからないが、杉田の言う「補欠の一年は」どう思っているのだろうかー


杉田は「スポーツに世間のレッテルも年も関係ない。競技者は皆平等だ」派なので、何とも思ってないだろうが、翼にはそう言う不安もあった。

「ああ、他の一年にはもう相談してるぞ。みんな賛成している、東海が最初に賛成したらすぐにみんなも同意見になった」

 どうやらその心配はないようだ、これだけは陸斗に感謝しなければいけないなと翼は思った。

「じゃあ、今から練習に参加してくれ、体操服に着替えたらたぶんみんなグラウンドか部室前にいるか、走っていると思うぞ。明日の朝からも朝練があるからそれにも参加しろよ。俺はこの後職員会議があるからじゃあな」

 そう言って杉田は職員室の方向に歩いていった。翼は急いで教室に戻り、制服を脱いで外にでた。



 外にでて陸上部のがいる場所を探すと、陸上部は部室前にかたまっていた。今は休憩中のようだ。みんなリラックスして雑談している。

 翼がそこの集団のところまでいくと、まず、一年生がやってきた。一人ずつ翼に「よろしくな」など声をかけてきた。杉田が言っていたことは本当だったようだ。全員が挨拶してところで、タイミング良くペース走を始めた。一年生の輪も崩れ、ペースメーカーを先頭に、三列になってスタートラインに着いた。翼も一番後ろにつくときに、三年生の一人が来て、声をかけられた。

「おう、これからよろしくな。俺は東海塊斗とうかいかいと。キャプテンだ。一応そこにいる陸斗の兄でもあるぞ」

 キャプテンである塊斗からも声をかけられた。どうやら陸斗の兄らしい。

「よし走るぞ!」

 塊斗の声でスタートした。今日から翼は陸上部の臨時部員になった。



 

  

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