第三話
〔失うものは・・・〕というタイトルに内容が合わなくなるんじゃないかという不安にただいま駆られておりますっっっ。(汗)
ソラがここに住み着いてからも回数は減ったけどまだたまに二人は夜中に散歩をしている。前と違うのは、家を出るときも、家に入るときもその後もソラは私の隣にいるということ。
私達は、真夜中の散歩から今帰ってきたところだ。
『さむっ』
「部屋って何で外より寒いんだろうなぁ。笑」
『それは部屋が寂しがってるからじゃない?』
「・・・・・。」
『・・・ごめんっ!
何かへんなこと言った。笑』
「何で?いいと思うよ?オレはユウのそういう考え方好きだなぁ。笑」
そう言ってソラは、ソファーに座って鼻歌を歌っている。私はというと、ソラの言葉にあっけに取られて一瞬放心状態になったが、嬉しくなってニヤけながらホットミルクを作っている。
できると2つのカップに移して、ソファーの前にあるテーブルにカップをおいて、ソラの隣に座るとソラはボフっと私のほうに倒れてきた。
一般的に言う膝枕になる。最初やられた時は石になっていたが、今では普通に受け入れていて、話をするのが日課になっている。
いつも私はソラの頭を撫でながら話をする。
「ユウの手は気持ちいいね。」
『そう?』
「うん。落ち着く。」
『良かった。私もソラの髪の毛触ってると落ち着くよぉ。』
「そう?」
『うん。』
「よかった。」
私達の会話には、自分にとっての相手の存在を知らせるようなことがよくでる。
私達の出会いはとてもフワフワしたものだったから。
相手が消えてしまうんじゃないかという感情を捨てきれずにいるんだと思う。
ソラはわからないけど私はそうだからこういう会話が出るんだと思っている。
私は、ソラといるととても柔らかく優しい気持ちになれる。
この優しい空間の中で、失ってしまうんじゃないかという不安もあるが、この空間を自分から捨てようとは全く思っていない。