第一話
あの日から私はソラとあの真夜中の公園で会うようになった。
お互いに何か約束をしてここにくるわけでもなく、自然に二人ここで夜中空を見上げ、なんとなく話をするようになった。
『ソラ?』
「ん?」
今まで友達はなんとなくいた。
でも、みんなその場しのぎだった。
その時は、そんなことは全く思っていなかったけど。
たとえば、学校で友達になって、一緒に移動教室に行ったり。
たとえば、休日や放課後にに遊んだり。
でも卒業してしまったり、転校してしまったり。
ただそれだけで、連絡が途絶えたりして行った。
偶然会えば話もするが、やっぱりその場しのぎだった。
そんな今までの友達の感覚とソラは違った。
ソラとは、電話番号も住所も知らせていないまま間だった。
(何でここにくるの?)
そんなことを思った事があって、それを思い出して聞いてみた。
『ソラはどうしてここにくるの?』
「どうして?
それはユウがここにいるから。ユウはどうして?」
質問返しをされた。
『どうしてかなぁ。』
私がソラとであった日にここにきたのは偶然だった。
たまにふらっと散歩をするのはよくあった。
でもこんな風に決まって散歩をするようになったのは・・・
『ソラとおんなじ。
ソラがここにいるから。』
そう私が言うとソラはハハっと笑った。
ソラが笑うと自然に私の顔も笑顔になる。
今まで出会った誰よりも居心地のいい場所を、私は見つけられたんだ。
そう気付けてから、幸せだと感じられるようになった。
「ユウとあったのは2週間前だね。
僕は、こんな短期間で人と仲良くなったのは初めてだ。
こんなに仲良くなれた人も初めてだけど。」
そういって、ソラはまたハハっと笑った。