プロローグ
春になる
それはいつだろうか。
貴方は知ってますか?
それとも、知っていましたか?
今真夜中。
人間は寝るべき時間、あえて私は散歩。
自分自身なんのためだかもわからずにあるけばまわりには、マンションがあって、普通の民家もある。
ふとみると小さな公園。
そっとベンチに座る。
冬に近づいてきた今の空気は私には冷たくて、さみしくなる。
顔を空に向けて星を見る。
「さみしいね。」
不意に聞こえた声に横を向くと…
綺麗な顔立ちをした男の人が立っていた。
私はじっとその綺麗な人を無意識に見つめていた。
「さみしいね。」
もう一度そう呟いた彼の言葉に正気を取り戻した私は少し動揺しながら答えた…
『…そうなの?』
自分と同じ事を思った彼になぜかちょっと反発してみた。
「そうだよ。」
彼はそう言って私の隣にちょっとだけ間を空けて座った。
この真夜中に私と彼は出会った。
なぜ隣に彼が座ったのかもよくわからないまま私は言葉が浮かばなくてただじっと座ったまままた星を見た。
『あなたは誰ですか?』
そう質問した私に彼は
「僕はね、雨宮空。
君は?」
と答えた。
『私は、倖戸友。』
そう答えた。
私たちはこの公園で出会った。