決意の夜
アパートに戻って、俺はベッドに倒れ込んだ。
頭の中が、グチャグチャだ。
高橋さんの言葉。黒いスーツの男たち。あの石。全てが、悪夢のように絡み合っている。
「畜生……」
拳で壁を叩いた。
なぜだ。なぜ、真実を追求することが罪になる。なぜ、俺たちが犠牲にならなきゃいけない。
ポケットから、USBメモリを取り出した。
これが、高橋さんが命懸けで守ったデータ。
「先輩……」
俺は、決めた。
逃げない。屈しない。高橋さんの想いを、無駄にはしない。
パソコンを起動して、USBメモリを差し込んだ。
フォルダが開く。そこには、膨大なデータが詰まっていた。
石の写真。紋様のスキャンデータ。そして、解析ファイル。
「これは……」
解析ファイルを開くと、驚愕の内容が記されていた。
石の成分分析。そこには、地球上には存在しない元素が含まれている可能性が示唆されていた。
紋様の解析。それは、既知のどの言語体系とも一致しない。まるで、プログラムコードのような規則性を持っている。
そして、最後のファイル。
「座標……?」
画面には、緯度経度が表示されていた。
これは、何だ。次の遺跡の場所か。それとも、石の「起動場所」なのか。
俺の心臓が、高鳴った。
「高橋さん、俺、やりますよ」
画面を見つめたまま、呟いた。
「真実を、必ず暴いてみせます」
その夜、俺の戦いが始まった。
窓の外では、黒い車が一台、じっとアパートを監視していた。




