全国放送
三日後、俺たちは東京のテレビ局にいた。
深夜の特別番組。『古代の警告は真実か』
スタジオには、俺とリズ、そして何人かの科学者が呼ばれていた。
「では、始めます」
ディレクターの声で、放送が始まった。
「皆さん、こんばんは」
リズが、カメラに向かって話し始めた。
「今夜は、重大な情報をお伝えします」
「二週間後に迫った、地球規模の大災害について」
画面に、俺の姿が映る。
「篠原ケンジさんです。彼が発見した古代の石について、お話を伺います」
俺は、深呼吸をした。
そして、全てを話した。
石の発見。高橋さんとの出会い。組織の妨害。世界を巡る旅。
そして、石から得た災害の予測データ。
「これが、全てです」
俺は、データを画面に映した。
「この地域で、地震が発生します。この地域で、津波が来ます。この火山が、噴火します」
「全て、二週間後の春分の日に」
スタジオが、静まり返った。
「信じてください。これは、デマでも陰謀論でもありません」
俺は、手のひらを見せた。
紋様が、はっきりと光っている。
「これが、証拠です。俺は、石と同調しました」
「そして、見たんです。古代文明の記憶を。彼らの警告を」
カメラが、俺の手をクローズアップする。
「お願いします。備えてください」
「高台に避難してください。非常食を用意してください。家族で、避難計画を立ててください」
「まだ、間に合います」
科学者たちも、データの信憑性について語った。
「地磁気の異常は、実際に観測されています」
「天体配置も、篠原さんの言う通りです」
「可能性として、無視できません」
番組は、三時間続いた。
最後に、リズが言った。
「政府は、まだ公式な見解を出していません」
「でも、私たち市民は、自分で判断できます」
「信じるか、信じないか。それは、あなた次第です」
「でも、備えて損はありません」
「どうか、ご家族と話し合ってください」
放送が終わった。
スタジオを出ると、黒木が待っていた。
「よくやった」
「でも、これで十分でしょうか」
「分からない。でも、お前にできることは、やり尽くした」
黒木が、空を見上げた。
「あとは、人々が決めることだ」




