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悲しみと決意
病院を出ると、リズが待っていた。
「篠原さん……」
リズが、俺を抱きしめた。
「泣いていいんですよ」
その言葉で、堰が切れた。
俺は、初めて声を上げて泣いた。
高橋さんは、もういない。
俺に全てを託して、逝ってしまった。
「畜生……畜生……」
拳で地面を叩いた。
「なんで、こんなことに……」
黒木が、静かに俺の肩に手を置いた。
「彼は、最後まで考古学者だった」
「え?」
「真実を追い求め、それを次の世代に託す。それが、彼の生き方だった」
黒木が、空を見上げた。
「お前は、その想いを受け継いだ。なら、やるべきことは一つだ」
「やり遂げる……ですか」
「ああ。それが、彼への最大の供養だ」
俺は、涙を拭った。
「そうですね。泣いてる場合じゃない」
立ち上がって、空を見上げた。
「先輩、見ててください。俺、絶対にやり遂げます」




