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抹消された古代遺物~5万年前から届いたエメラルドの秘密~  作者: 畠山ゆな@姉弟で小説共作✏️


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監視の影

その日から、俺の日常は変わった。



大学の廊下を歩けば、誰かの視線を感じる。講義室で座っていても、後ろから見られている気がする。



気のせいだと、自分に言い聞かせた。でも、違った。



ある日、図書館で文献を調べていると、見知らぬ男が隣に座った。黒いスーツ。サングラス。あの日、遺跡にいた男たちと同じ格好だ。



「篠原ケンジ君だね」



男が、低い声で話しかけてきた。



「君は聡明な学生だと聞いている。だから、忠告しておく」



「何の――」



「余計な詮索はやめることだ」



男が立ち上がった。



「君には、まだ将来がある。それを棒に振るようなことは、しない方がいい」



そう言い残して、男は去っていった。



俺は、本を握る手が震えているのに気づいた。



怖い。正直、怖かった。でも、それ以上に腹が立った。



なぜ、俺が見つけたものを奪われなきゃいけないんだ。なぜ、真実を追求することが罪になるんだ。



図書館を出て、スマホを取り出した。高橋さんに電話をかける。



呼び出し音が鳴る。一回、二回、三回。



「もしもし」



ようやく繋がった。



「先輩、俺です。あの石のこと、何か分かりましたか」



『……ケンジ、電話はまずい』



高橋さんの声が、妙に小さい。



「なぜですか。俺たち、このままじゃ――」



『いいか、よく聞け。今夜十時、駅前の喫茶店『ミラージュ』に来い。誰にも言うな』



「先輩?」



電話は、そこで切れた。

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