記者会見
翌日、カイロの高級ホテルで記者会見が開かれた。
黒木の知人が手配した、国際的な会見だ。
会場には、世界中のメディアが集まっていた。
BBC、CNN、アルジャジーラ、NHK。
カメラのフラッシュが、俺を照らす。
「緊張するな」
黒木が、舞台袖で俺に囁いた。
「お前は、真実を話すだけでいい」
俺は、深呼吸をした。
そして、壇上に上がった。
無数のカメラが、俺を捉える。
「えー、初めまして。篠原ケンジと申します」
声が、少し震えた。
「昨夜、世界中で観測された光の柱について、説明させていただきます」
会場が、静まり返った。
「あれは、古代文明が残した警告システムです」
ざわめきが起きた。
「五万年前、この地球には高度な文明が存在しました。彼らは、地球の周期的な大災害を予測していました」
「そして、次の文明、つまり私たち人類に警告を残したのです」
俺は、手のひらを見せた。
紋様が、はっきりと光っている。
会場が、どよめいた。
「これが、その証拠です。私は、古代の石と同調しました」
「そして、見ました。二ヶ月後の春分の日、地球の磁場が反転します」
「それによって、世界中で大規模な地震、津波、火山噴火が発生します」
記者たちが、一斉にメモを取り始めた。
「これは、避けられません。自然の摂理です」
「しかし、備えることはできます」
俺は、用意した資料を掲げた。
「石のネットワークから得たデータです。災害が発生する場所、時刻、規模。全てが記されています」
「これを公開します。世界中の政府、科学者、全ての人々に」
会場が、騒然となった。
記者たちが、一斉に手を挙げた。
「質問です! あなたは、どうやってその情報を得たのですか!」
「石と同調しました。詳しいメカニズムは、まだ解明されていませんが、事実です」
「その情報は、科学的に検証されているのですか!」
「これから、検証してください。データは全て公開します」
「あなたは、何か利益を得るために、この会見を開いているのではないですか!」
「いいえ。私の目的は、人類を救うことだけです」
質問が、次々と飛んでくる。
俺は、一つ一つ答えた。
一時間後、会見は終わった。
舞台を降りると、黒木が待っていた。
「よくやった」
「でも、信じてくれたかどうか……」
「それは、これから分かる」
黒木が、スマホを見せた。
既に、会見の映像が世界中に拡散されていた。
ハッシュタグ『#古代の警告』がトレンド入りしている。
「始まったな」




