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目覚め
気がつくと、俺は神殿の床に倒れていた。
「うっ……」
体が重い。まるで、何日も眠っていたかのようだ。
「篠原君!」
声が聞こえた。黒木だ。
「無事か!」
黒木が、駆け寄ってきた。服のあちこちが破れ、腕から血が流れている。
「黒木さん、怪我を……」
「かすっただけだ。それより、お前は大丈夫か」
「ええ、何とか」
俺は、ゆっくりと起き上がった。
周囲を見回す。神殿は、まだ崩れていない。でも、壁にヒビが入っている。
「あいつらは?」
「撤退した。神殿が揺れ始めて、怖気づいたらしい」
黒木が、石を見上げた。
「お前が石に触れた瞬間、何が起きた」
「分かりません。でも、石が……」
俺は、自分の手を見た。
手のひらに、うっすらと紋様が浮かび上がっている。翡翠色の、光る紋様だ。
「これ、何だ……」
「まさか」
黒木が、俺の手を掴んだ。
「お前、石と同調したのか」
「同調?」
「古代文明の記録に、そんな記述があった。石の守護者は、石と一体化すると」
黒木が、真剣な顔で俺を見た。
「お前の体に、石の力が宿ったんだ」




