目覚め
「うっ……」
俺は、床に倒れていた。
「篠原君!」
黒木が、駆け寄ってきた。
「大丈夫か。急に倒れて……」
「ああ、大丈夫です」
俺は、ゆっくりと起き上がった。
「全部、見ました。石の記憶を」
「記憶?」
俺は、今見た全てを黒木に話した。
古代文明。五万年周期の災害。石の真の目的。
黒木は、黙って聞いていた。
「つまり、二ヶ月後に災害が起きると」
「はい。磁場の反転です。それによって、地震、津波、火山噴火が世界中で起きる」
「それを止められないのか」
「自然現象だから、止められません。でも、備えることはできる」
俺は、石を見上げた。
「この石を起動させれば、災害のパターンが分かる。避難計画を立てられる」
「なるほど。だが、問題がある」
黒木が、厳しい表情になった。
「その情報を、誰が信じる?」
その言葉に、俺は黙った。
確かに、誰が信じるだろう。古代文明の警告なんて。
「まず、石を起動させましょう。それから考えます」
「ああ。で、どうやって起動するんだ」
俺は、石の表面を見た。
紋様が、複雑に絡み合っている。
「おそらく、他の石が必要です」
「他の石?」
「世界中に配置された石。それらを、特定の順序で起動させる必要がある」
「つまり、世界中を回らなきゃいけないのか」
「はい。でも、時間がない。二ヶ月しかない」
その時、外から声が聞こえた。
「そこにいるのは分かっている! 出てこい!」
俺と黒木は、顔を見合わせた。
「誰だ……」
黒木が、銃を取り出した。
「いつから、そんなもの……」
「用心だ。行くぞ」




