深夜の解析
午前三時。ネットカフェの個室ブースで、俺は画面に釘付けになっていた。
高橋さんが残したデータ。その中に、驚愕の情報が隠されていた。
「これ、マジかよ……」
石の成分分析レポート。そこには、地球上には存在しない元素記号が記されていた。
『元素番号142。周期表に存在しない未知の元素。安定同位体の可能性あり』
つまり、あの石は地球上の物質じゃない。
「宇宙から来たのか? それとも……」
紋様の解析データを開く。
高橋さんは、あの幾何学的な紋様を、何千ものパターンに分解していた。そして、それぞれに意味を推測するメモが添えられている。
『パターンA-7:座標情報の可能性』
『パターンB-3:時間軸の記述?』
『パターンC-1:起動コマンド?』
起動コマンド。
つまり、あの石は何かを「起動」するためのものなのか。
「何を起動するんだ……」
背筋が、ゾクリとした。
最後のファイルを開く。そこには、高橋さんの音声メモが残されていた。
『ケンジ、これを聞いているということは、俺はもういないんだろうな』
高橋さんの声が、イヤホンから流れてきた。
『この石は、人類史を書き換える発見だ。でも、それ以上に危険なものかもしれない』
『俺が調べた限り、この石と同じようなものが、世界中で発見されている。でも、全て闇に葬られてきた』
『なぜか。答えは一つだ。誰かが、真実を隠蔽しようとしている』
音声が、一瞬途切れた。
『ケンジ、お前に託す座標は、次の石がある場所だ。おそらく、それは起動装置の一部だろう』
『全てを集めれば、真実が分かるはずだ。頼んだぞ』
音声が、そこで終わった。
「先輩……」
俺は、拳を握りしめた。




