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17話

17.章 薬草




ある晴れた日、国王の衛兵(えいへい)から、王令(おうれい)が高らかに宣言される。



「王令!!



カリナ・オルデウス嬢を正式な王太子妃として迎えることとする。」



{こんにちは。親愛なるカリナ。



まずはお祝いさせて。



リアルとの婚約おめでとう。



わたくしが何より嬉しいのは貴女がこれで名実ともに、わたくしの家族の一員になってくれたと言う事。



だからお祝いもかねて、わたくしのお茶会に来てくださらないかしら?



もちろん、王妃も招待するわ。



女だけの秘密のパーティにしましょう。素敵なものをたくさん用意するわ。



愛をこめて。メアリー・アルスラヌスより}



こんな素敵な手紙をもらえるなんて…。



カリナは心から感激した。





─ある朝のこと。オルデウス家の屋敷の炊事場(すいじば)。裏口が何やら、騒がしい。



どうも、珍しい、物売りの行商人(ぎょうしょうにん)が、訪ねてきたらしく、メイド達はその話題で持ちきりだ。



そこへたまたま、軽食をもらいにキッチンに通りかかった、カリナを、召使が呼び止めた。



「お嬢さま、今日面白い、行商人が来ているんですよ。」



「その行商人は、すごくよく効く、薬草を分けてくれるんです。お嬢様も、いかがですか?」 



「その薬草を、飲んだら、すごく体が軽くなって。肌ツヤもよくなったんです。」



そう言って召使はカリナに薬草を勧めた。



「他にも、ハンナの母親のリウマチにも効いたんですって。」



「この薬草は、どんな病にも効くそうですよ。」



「どんな病でも!?」



そう言って、カリナは驚いた。



『王太后様は足がお悪いとおっしゃっていたわ…。わたしが試しに飲んでみて、もし良かったら、薬草を持って行ってみよう。』




「おばあさん、薬草は足にも効くかしら?」



「もちろんでごさいますよ、お嬢さま」



「わたしもいただきます。おいくらですか?」



「今日は、サービスしておきますよ。今後ともごひいきに…。」



『そうだ、さっそく今日の午後、このお茶をハーブティーにして飲んでみよう。』




カリナはさっそく、午後のお茶の時に、この薬草のハーブティーを試してみた。



少し、怖いけど、ひとくち飲んでみる。



すると、口いっぱいに広がる、(さわ)やかな味、香りに魅了(みりょう)された。



それに午後の仕事も、なんだか調子良く運んでいる。



「本当にこの薬草はよく効くわ。目の疲れも和らいだみたい。味も悪くないし、王太后様におススメしてみよう。」



そう言って、カリナは王太后の喜ぶ顔を想像していた。





─後日、王太后と王妃との、お茶会があった。



召使いが説明する。



「このハーブティーはカリナ様が持っていらっしゃった物なんですよ。」



「本当⁈」



「あら、美味しい。それに、いいにおいね。」



王妃も気に入ってくれたようだ。



「あら、そうなの」



そう言って王太后はハーブティーに口をつけた。



《ガッシャーン!!》



「きゃああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」



屋敷中に、とどろく。召使の悲鳴。



「王太后様が、お倒れになられました!!」

 


「王太后様、王太后様、お気を確かに!!」



召使たちは忙しく、動き出す。



「誰か!御典医(ごてんい)をよんで!」




王太后を診察した、王室付きの医師は診断する。



「これは、(どく)です。」



王妃は医師に詰め寄る。



「どういう事です、このハーブティーは私も飲みました。それでも、こうして無事でいます。」



医師は、王妃に説明する。



「確かにこの薬草は、人体に大変良い効能(こうのう)が含まれています。」



しかし、医師はきっぱりと言い放つ。



「ですが、心臓のお悪い王太后様には大変、危険な薬草です。」



それを聞いて、カリナは今にも倒れそうだ。



「う…うそ…。」



「この薬草の解毒剤は、同じ草の果肉(かにく)部分なのですが、なにせ貴重な薬草で。しかも今の季節に手に入るかどうか。」



この騒ぎを聞きつけ、たまたま屋敷の近くに視察(しさつ)に訪れていた、王太子リアルも駆けつけた。



「ど…どうしよう」



カリナは顔を青くして震えている。



『あの行商人の女を、見つけなければ…』



そうこう、しているうちに、

衛兵が隊をなして、部屋に雪崩(なだれ)れ込む。

衛兵隊長(えいへいたいちょう)が王妃に報告する。



「王妃様、毒を盛ったのは、カリナ•オルデウスです。カリナ•オルデウスを逮捕いたしましょうか?」



「逮捕ですって、やめてちょうだい!」



衛兵隊長は、不服(ふふく)げに聞き返す。



「しかし!」



王妃はカリナを、気遣いこう言った。



「カリナ、今日は屋敷に帰りなさい。」



カリナは今にも倒れそうになりながら、帰路(きろ)へついた。


あとがき


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


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― 新着の感想 ―
17章の褒めント  薬草の効果がとても気になりました。麻薬のような興奮作用で体を麻痺させて、体を直すのかと思いきや、生粋の良草で、しかも人よっては毒入りという美しいものには毒があるという言葉を小説にし…
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