81章
80.章 終劇
カリナが気がつくと、屋敷から離れた、森のなかの、花畑に飛ばされていた。
周りはうららかで、蝶がヒラヒラと、のんきに飛んでいる。
「…わたし、どうして…?」
一瞬、ほうけてしまったが、直ぐに転移魔法だと気づく。
『大丈夫…ここなら10分で、屋敷に戻れる。』
シンと静まり返った、屋敷に入るのは勇気がいったが、かまわず走って大ホール向かう。
そこには、男が2人、カリナを待っていた。
司祭のインベルが口を開く。
「頭を…とは言ったが、男に用は無い…」
魔導士カシウス・オルデウスの頭部を持ち、カリナを待っていた。
「…やあ。……待っていたよ…」
司祭を前にして、絶句する。
「……うそ…っ…」
先生はすでに殺され、頭部のみの存在となっていた。
そんなカリナを見て、司祭のインベルは薄く笑った。
「コレは君に返そう…」
そう言って、すぐカリナの眼前に立つ。
そうして魔導士カシウスの首を、カリナに手渡した。
震える手で、重い頭部を受け取り、
カリナは恐る恐る、先生の顔を見る。
腕の中の、先生の首は、安らかに眠るように眼を瞑る。
弦楽器を力任せに引くような、女のカン高い絶叫が広いホールに響く。
司祭の連れてきた、第二の男は、
一連の茶番劇を、終始無言で耐え続けていたが、そろそろ限界のようだ。
「インベル……」
司祭に何事かを促す。
「こんな形で、君に会いたくなかった…」
最後に、司祭はそう言った。
男2人は瞬間的に、いなくなり、
先生の首を抱きながら、慟哭しているカリナが残された。
あとがき
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