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71章〜73章

71.章 予感





たゆたう、細く伸びた雲のように、表面上は平穏な日々が、続く。



しかし、水面下に(もぐ)っていた脅威は、消えた訳ではなく、日常に少しずつ膨れ上がり、


ある日パチンと(はじ)ける、ただそれだけのことだ。




─何か、が壊れたような感覚があった。




『…………。』



先生の顔色が変わり、手にした魔術書を取り落とした。



その事に、カリナは気づいた。




『先生……なんか変…?』




そんな折、師匠のカシウスがあらたまり、カリナを呼んだ。



そして、カリナに魔法の課題と称して、《お使い》を言いつけた。




「お使い…?」




「ちょっと危ない地域も通りますが、


修行の成果を試すチャンスだと思って、ひとりで行けますよね?」




そう言って課題のメモを渡し、念を押す。




「とにかく、はやく帰って来ないで、下、さ、い、ね。」




「えっ…何で、ですか?」




「…だっ…男子の秘密です…///////」



魔導士カシウスは、何故か恥かしそうにモジモジとしている。



それをカリナは、不思議な様子で首をかしげている。



「????」



カリナは、納得しなかったが、取り敢えず課題に取り組むことにした。




「…分かりました、行ってきます。」




そう言って、課題の薬草採取と、ひとりで危険地域に立ち入るための装備を整え、出かけて行く。




そうして魔導士カシウスは、しだいに小さく遠ざかる、弟子の姿を見守っていた。





72.章  臨戦体制





こうして、弟子の姿が見えなくなると、


屋敷にあらかじめ張っていた、魔法防御の方陣を詠唱した。


それを、何百と重ねて魔法トラップを敷設する。




それはまもなく、強襲されるであろう、敵を迎え撃つ準備だった。





『……すでに結界は破られた…。』





『奴が来るのは時間の問題か…。』






73.章 敵襲





屋敷の入り口付近から、光と爆発音が響き、爆風の衝撃が四方に広がる。


一瞬のち、砂埃が、天高く巻き上がる。




それは、敵襲の合図だった。




「そろそろ、来るとは思ってましたよ。」




「アメト…!」




魔導士カシウス•オルデウスの前に、1人の男が姿を(あらわ)す。




「貴方が、私をそう長く生かしておくとも思えないですしね。」




そう言われ、アメトはゆっくりと屋敷に入ってくる。




「ひどいな、ツカサ。もう忘れたの。


今、僕の名前は、司祭のインベル…


インベル・レックスだよ」




そう言って司祭インベルは、魔導士と対峙した。





「屋敷に侵入する前に、討伐ランクSSの使い魔がいたはずですが、


皆んな、やられちゃいましたかね。」




カシウスは試しに聞いてみる。




「あんなチワワの番犬が役に立つと思ってる?」



司祭インベルが口を開く。




「くだらない魔法トラップもただの微風…その程度の事…。」




アメトはそう言い、魔導士カシウスは首筋が、スッと冷たくなるのを感じる。





『微風…ですか。SSS(トリプルS)の魔法トラップばかりだったんですけどね…。』




魔導士は普段は絶対使わない、魔法の杖を構える。




『スタイルを捨てたとして、万に一つも勝てる気がしない…。』



焦る魔導士に、司祭は声をかける。



「往生際が悪いね。」




「ハルトにも勝てないのに…(アメト)に勝てるわけないでしょ?」





そして、司祭は改まって言う。





「ツカサ…もっと真面目にやれよ…」





「僕を倒して、『プレーヤー』全員殺せば、元の世界に戻れるんだぜ」




司祭はドスの効いた声でそう言うと、くっくと笑った。




魔導士は、その言葉に心の中で反発する。





『そもそも、あんたを倒すのが、無理ゲーなんだよ…』





あとがき


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「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


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