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60話

60.章 母親からの依頼



山も初秋を過ぎ、色鮮やか秋のドレスを脱ぎ捨て、清貧の冬がやってくる。



カリナは拠点の村で、相変わらず師匠のカシウス・オルデウスを待っている。



そこへ、村の女性がカリナにお願いがありますと、尋ねてくる。



「魔法使い様どうか、いなくなった私の子供を、ロルフを探してもらうことは、出来ないでしょうか?」



「息子のロルフが、友達の所へ行くと言って、出て行ったきり行方不明なのです。」



このように、その母親から頼まれた。



「その友達の家というのが、この村の外れ、森の奥にあるんです。



その子は、テッドと言って、教会と孤児院の下働きをしている女性の子供なんですが…」



女性はこの様に続ける。



「なので、もしかしたら、司祭様に相談すれば何か分かるかも知れません。」



母親は祈るように、カリナに懇願する。



「魔獣騒ぎで、私たちは村の外に出ることは禁止されています。


どうか魔法使い様、うちの子を見つけてください。」



頼まれたカリナは、こころよく引き受ける。



「分かりました。わたしでよければ、チカラになります。」



そしてついでに、司祭のことについても尋ねる。



「司祭のインベル様は、とても素晴らしい方ですよ。


5年前に、中央教会から派遣されて来られて、


それから、お一人でずっと孤児院を運営されている方なんです。」



母親はそう言い、こう続ける。



「隣国との戦争でうまく畑ができず、作物も不作でこの一帯が飢饉(ききん)になった年。


川向こうの村で多くの餓死者が出たのですが、


司祭のインベル様が食料を手配しくれたおかげで、この村は全滅する事を回避できたのですよ。


なので、カナイ村では、とても尊敬されているんです。」



カリナは、それを聞いて、



そんな、素晴らしい人ならきっと、チカラになってくれるはずと、心強く思った。



それから、カリナが長老から村の外への外出許可をもらっていると。



魔獣を一緒に討伐した、男の子、アスタクが尋ねてくる。



ワケを話すと、男の子が道案内を買って出てくれる。



「俺が、道案内してやるよ。お姉ちゃんは頼りないからな」



「それに、いなくなったロルフは俺の友達でもあるからさ」



とりあえず、長老は、まあ良いじゃろうと男の子を送り出してくれた。



教会と孤児院へ行く道すがら、アスタクから色々と説明を聞く。



「孤児院はリナト教会がやってる、孤児院なんだよ。


すっごい山奥で、司祭様がほとんど、1人で孤児達の世話しているんだよ」



それを聞くと、カリナは感心する。



「こんな僻地(へきち)で、子供達のために働ける方だなんて、


やっぱり、立派な司祭様なんでしょうね」



「んー…。まあ、良い人だよ。…ちょっとだけ(なん)があるっちゃ、あるけど…」



「……?」



『人は一つくらい悪いところがあるモノ。司祭様だって、人間なのだから完璧ではないものよ…』



カリナは、そう思うのだった。



リナト教会と孤児院に向かう、道すがら、〇〇が疲れたと言うので、近くの渓流(けいりゅう)で一休みをする。



案内のアスタクは、疲れたーと、大岩の上で大の字に寝転ぶ。



カリナは、それを微笑ましく見守りながら、湧水を眺めている。



そこで、視界の端を人影が走った。



動物?と思いながら、そちらへ、吸い寄せられるように近づく。



それは、見慣れた、人影だった。



─魔王様……?……そんなワケない。



追いかける間もなく、その人物は消えてしまう……。



とうとう、幻でも見たのだろうか。しかし、それも、すぐ見失ってしまうのだった。


あとがき


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