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45話

45章 衝撃



ガレオン船は朝靄(あさもや)のなか、海洋に浮かぶ。



魔王はカリナを守るように、カシウスに立ち塞がると、魔導士と対峙した。



「ツカサ、お前は、我には勝てない…。」



「それは1000年前から。いや、前の世界から変わらずだ。」



魔王はカシウス•オルデウスに言い渡す。



「…そのようです」



『…そう、今は』



カシウスは、言葉に含みをもちながら、密かな野心は捨ててはいない。



そして、魔王に告げる。



「アメトが、戻って来ました。多分また、



『ゲーム』を開始するつもりでしよう。」



魔王は少なくない、衝撃でツカサの言葉を受け止める。



「…なんだ…と⁈」



「…奴はこの世界から消えたはずだ…!」



魔導士は淡々と話し続ける。



「私はただのメッセンジャーです。」



そして、きっぱりと魔王に宣言する。



「アメトはテーブルについている、



『プレーヤー』を全員殺すつもりでしょう。」



魔王は言葉を受けて、口に手を当てながら、思案している。

 


「アメトは魔王城にいるのか?」



「…さぁ。そこまでは…。でも確率は高いでしょう。」



「なるほど、魔王城か…」



ついに、魔王は本当に聞きたかった事を、カシウスに尋ねる。



「ツカサ、お前なら知っているだろう。

カリナは俺たちと同じ、『プレーヤー』か?」



魔導士は少し驚いたように、言葉を止める。



そして心底、冷淡で狡猾(こうかつ)そうな笑みを浮かべた。



「……ははっ、カリナですか。知っていたとして、こちらは、教える義理はありません」



口ぶりが(かん)に障ったが、魔王はかまわず尋ねる。



「なら、これだけは答えろ。」



魔王は、話しにくそうに言葉を切った。



「……カリナは……マユリなのか?」



「……マユリ。」



この時、魔王の表情に、苦しそうな動揺が見えたのをカリナは、見逃さなかった。



『…どうしたんだろう、魔王様の声の感じが変わった。』



「なるほど、そうか……ふはははっ。」



魔導士カシウスは、何かに気づいたように、嘲笑する。



「アメトに、ハルト…。


あんたら兄弟は、あいかわらず………まあいい。」



そう言いながら、魔導士の侮蔑(ぶべつ)は、止まらない。



「カリナはマユリですよ。せいぜい、可愛がってやって下さい…。」



「……!?」



魔王はこの言葉に、激しく動揺した。



魔導士はその(すき)を見逃さない。



「おっと、そろそろ退場だ。」



そう言って、四方を魔法陣が照らす。



「移送魔法……デジョン…」



「…!待て、話は…!」



カシウスの敷設した方陣は、はまばゆい光を発し、あたりを照らす。



魔導士は、移送魔法の詠唱をはじめる。



カシウスは、最後にカリナに視線を送った。



『……。』



そうして、魔法陣の光を残して消えてしまう。



すでに失われた幻の移送魔法を使い、異空間へ逃れたのだった。


あとがき


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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― 新着の感想 ―
45章の褒めント  謎が謎を呼び、見事に衝撃を受けました。魔導士が主語の時と、カシウスが主語の時の違いがとても気になります!!  ま、まさか、魔王がツカサと認識するときだけ、カシウスが主語になるのかな…
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