41話〜43話
41.章 カシウスvsカリナ
カリナは閉じ込められた、扉を押し破ると、急いで欄干まで出て、海洋を眺める。
「魔王様っ……!いない…?!」
焦るカリナに、魔導士カシウス•オルデウスが目に入る。
カリナは魔法の杖を握りなおすと、今度こそ魔法を成功させなければと、詠唱をはじめる。
「地獄の底に眠る篝火よ、
古の眠りより覚醒し、
裁きの手をかざせ。」
「ダーク•フレイム!!」
《……シーン……》
『こんな時でも!?……今、魔法が出てくれなきゃ、いつ出るの……!?』
カリナの動きに気づいた、カシウスは、距離を一気につめる。
《ドゴッ!!!!》
杖で自らを守ることもできずに、カシウスの魔法の杖で殴打され、吹っ飛んだ。
船の壁に激突して、カリナは頭から血を流す。
「おっと。おいたはダメですよ。」
「魔法使いといえど、前衛がいなければ、動きながらの、詠術が求められるんです。」
そう言いながら、杖を手癖でクルクルと振りまわす。
「正直、私はあなたとは場数が、違いすぎますから。」
カリナは脳震とうを起こして、朦朧としている。
「……ぅぅっ……」
『どうしよう……。わたしじゃ、とても敵わない……。』
42.章 一目惚れ
ガレオン船から離れた、深い海底が鈍く光り、海面が隆起する。
《ドゴォォォォォン!!!!》
黒炎の火柱をバーストさせ、黒竜は爆発の勢いで、海面に出た。
巻き上げられた、海水は雨のように甲板に降り注いだ。
それを船上で目撃した、カリナ。
「…あのドラゴン!!…まさか魔王様…!?」
黒竜は、荒ぶる龍神と対峙している。
「………………。」
「……………………。」
カリナはその光景に目を見張った。
《ズズズギューーーン♡♡》
「…………かっ…………。」
「……かっ……かっこいい……♡♡♡!!!」
『なにアレ!!…野生み溢れる筋肉…!!』
『ドラゴンの魔王様……!めちゃくちゃカッコいい!!』
カリナは一目で、闇ドラゴンに心臓を鷲掴みにされる。
こうしてカリナは、魔王に心奪われてしまった。
43.章 決着
黒竜は神龍に向けて、魔力を溜めている。
黒竜はノドの奥を、まばゆく光らせると、 哮りながら、黒炎の霧を吐きだす。
その吐き出された、業火で辺りの海洋は、文字通り火の海となった。
激しい炎に追い立てられ、海中に逃げる術もなく、リヴァイアサンは、空を逃げまどう。
黒竜は、うろたえる神龍を見逃がさない。
前腕を合わせ、魔力を空にこめると、魔槍を光り輝きながら出現させた。
それを、巨大な牙で咥えると、大きく振りかぶり、逃げるリヴァイアサンに向けて、投射した。
《ザンッッーーーーッ!!!》
リヴァイアサンは魔槍に身体を貫かれ、断末魔をあげて、海底に沈んでいった。
─勝負は決した。
闇ドラゴンに、黒い炎がまといつき、
魔王は変身がとけ、元の人型に集光した。
そうして、海はふたたび、静寂に包まれた。
あとがき
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