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セカンド・プロローグ 25話〜26話

25.章 セカンド・プロローグ



─侯爵令嬢カリナ•オルデウス16歳。



魔力ゼロのわたしは、強力な魔女になるため、


人類を破滅寸前に追い詰めた、(いにしえ)の魔王と契りを交わし『結婚』した。



『生きるため、生き残るための選択だった。



選べる道なんて無かった…。』



『わたしはあと(いく)つ、選択できない分かれ道を選ぶのだろう。』



─祖国、魔法都市国家アルドリア国。



魔力が全く無いのにもかかわらず、魔法一族の名門、オルデウス家の侯爵令嬢として、カリナ•オルデウスは生まれてしまう。



無力ゆえに、家族に虐げられて、生命さえも奪われたそうになった時、



わたしは強く力を求めた。



『─殺されたくない。』



そして、人類を滅亡寸前まで追い詰めた(いにしえ)の魔王と、契約の契りを交わし、


わたしは強力な魔女に生まれ変わることができた。



魔王様とわたしは、こうして偽りの契りである、『契約結婚』を結んだ。



魔王様は意外なほど優しいけれど、


こんな『結婚』は、きっと上手くはいかない。



魔王と魔女として、


私たちは、祖国にもいられず、旅をする事になる。



26.章 チュートリアル 



深い森の奥で、火球の炸裂する音がする。



「魔王様、見て下さい。火球(フレア)が出ました!」



カリナ•オルデウスは、そう言って魔王を振り返った。



「感動です。」



カリナは初めての魔法に興奮している。



「あーハイハイ。」



そう言って魔王は手を、ひらひらと振った。



ここは祖国アルドリア国を越えた、シシリア平原の先、


─魔物の棲まう迷いの森ヴェルノ。



今までの、魔力ゼロの人生で、


ようやく魔力を手に入れたカリナは、はしゃいでいる。



もっと、もっと、上級の魔法に挑戦してみたい。



そうして魔法使いとして、一刻もはやく独り立ちしたい、そうカリナは思っていた。



「地獄の底に眠る篝火(かがりび)よ、



古の眠りより覚醒し、



裁きの手をかざせ……」



カリナは、さらに上級の魔法詠唱をはじめる。



「ダーク•フレイム……!!!」



《……シーン………。》




「あれ?出ない……?」



魔力もまだ十分にあるのに、どうして?

 


カリナは首を傾げていた。




『ちゃんと、魔術書を読み込んで、魔法の理解も深めているはずなのに……。』



──魔法は言霊(ことだま)


意味に命が宿り、魂に魔力が込められることで具現化する─チカラ。



音や言葉、図形、文字、数字にも命が宿る。


それらは、大気や大地もしくは、異空間から『神聖な元素(エーテル)』、つまり魔力を吸い上げて、具現化する。



そして、だからこそ、意味の集合体である魔術書、禁書などの『本』は、 概念封(がいねんふう)じが施されていなければ、本来はとてつもなく、恐ろしい代物なのだともいえた。



カリナは熱心に魔王に尋ねる。



「魔王様、もっと魔法のお手本を見せて下さい!」



「…はぁ…。(ため息)」



カリナがそう言うと、魔王は面倒くさそうに人差し指をたてる。



《ゴォォォォォッッッッッッ!!!!》



魔王が指先で出した火球は、業火となり、



その場一帯、25メートルくらいを焼き尽くした。



「…………。」



「…あのー、威力が強すぎます!」



カリナは当惑している。



「コレは、お前の火球と同程度のものだ。」



魔王はそう言った。



そう、魔王というより、魔族の魔法は人間のものと、根本的に全く違う。



魔族の身体には、『魔血(まけつ)』と言われる、血液が巡っている。


簡単にいうと、魔族の血は魔力が、溶け込んで流れている。


いやむしろ、魔族の血そのものが質量を持った、魔力といってもよかった。



わたし達、人間の出す魔法は、言霊に魔力を乗せて、大気から具現化するので、魔法が軽い。


対して魔族は、『魔血』から直接、魔法が解き放たれるので、質量が、圧倒的に違い過ぎる。


だから、人間は魔法に必ず詠唱が必要なのに対して、魔族は血液から魔法が作られるので、詠唱などは不要なのだ。



「詠唱もいらないし、質量の重い魔法が、簡単に出て羨ましいです。」



「ぜひ、もっと知りたいです!」



魔王は、ため息まじりに、答える。



「……教えると言っても、正直、これ以上、教えることはないが。」



魔王はそう言い、やれやれといった、ところだった。



「そもそも、お前は、魔法の知識がカンストしている。」



「そして、そこに十分な、魔力が加わっているのだから、理論上は全ての魔法が使えるはずだ」



それを聞いてカリナは、ますます首をかしげた。



『魔力も十分。魔法の知識がカンストしている。ではなぜ上級魔法は使えないのかしら?』



カリナはひとり首をひねった。



『もっと、もっと、魔法の本を、読んで勉強しないとダメなのかしら?』


あとがき


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


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― 新着の感想 ―
X企画にて読ませて頂きました。 文と文の間に2行ほど空白があると格段に読みやすくなっていいですね。 良い作品をありがとうございました。
復讐劇から一転、ワクワクの冒険ものですね!続きが気になります!
25章の褒めント  結婚からの旅物語ということは、ハネムーンですね!! いいですね、悪役令嬢ものから旅物語も美味しいと思います!!(25章だけは、短くてすみません)  でも、『偽りの契り』で『政略結婚…
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